~~大変だった一日の終わり~~
「土を耕すのって、こんなに大変なことだったのですね…」
そう言って、疲労感を漂わせて座り込むジャージ姿のルミリア。
「普通なら王女は、肉体労働なんてしないだろうしな」
俺たちは、畑を造るために広い庭の一部を耕している。
「とりあえず、耕して土に腐葉土を混ぜたら今日の作業は終わりだから頑張ろうぜ」
昼食後、ルミリアに頼んで書いてもらった注意書きを迷宮区の最後の部屋に設置した。その後、二人で庭に出て今に至る。
「はい、頑張ります」
再び、二人で黙々と作業を進める。
~~三時間後~~
俺は、本日二度目の入浴を終えてキッチンで夕飯を作っている。
「白菜はこれで良し、後はネギを切ったら準備完了っと」
鍋に具材を入れて煮込んでいると、水色パジャマ姿のルミリアがキッチンへやってきた。
「ヒロト様、ハイドとツクヨが鳴きはじめたのでミルクを貰えますか?」
俺は、コンロの空いている方でミルクを温める。そして、鍋の完成と同時にミルクも温め終わる。
「よし、ミルクをあげるたら俺たちも飯にしよう」
「はい」
ミルクを持って、俺の部室(畳敷きの部屋)へ向かった。今更だが、我が家は日本式なので土足厳禁だ。ルミリアには、家に入る前に説明しておいたのでそのまま上がることはなかった。それから、子供たちにミルクを飲ませてリビングに戻ってくる。
「晩飯は、すき焼き鍋だ。後で、うどん麺を入れるからスープは残しておくように」
「わかりました」
ルミリアの目は、テーブル上の鍋に釘付けだった。そして始まった食事は、ルミリアの絶賛の嵐で騒々しいものになった。食後、それぞれ時間を潰してから部屋に戻り大変だった一日が終わりを告げた。