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~~突然の出来事~~

初心者なので、いろいろ変なところがあると思いますが最後まで読んでいただけたら嬉しいです。あと、更新は不定期になります。




「『我が選定に適いし異界の民よ、迷宮ダンジョン創造の力を授かり、ここに顕現せよ』…“勇者召喚”」


 詠唱した人物の前に、魔法陣が浮かび上がり眩しい光を放った。暫くして光が収まると、その場所にはジャージ姿の少年が立っていた。





 それは突然の出来事だった。ジャージに着替え、日課の早朝ジョギングをしていたら謎の光に包まれ、気づいたら見知らぬ洞穴のような場所に居たのだ。しかも、目の前にはボロボロのローブを纏い、フードで顔を隠した明らかに怪しい人物が立っている。


(何なんだ、この状況は?まるで、異世界召喚モノのラノベやアニメみたいじゃないか)


「…」

「…」


(けどさ、普通ならこういうのって、お姫様が王宮で出迎えてくれるんじゃないのか?)


「…」

「…」


(それが空想上の出来事なのは知ってるけど、実際に起こればそうなるかもって少し期待してたのに、現実は洞穴で性別も判らない怪しい人物に呼び出されるってオチは酷すぎるだろ…って、何でこの人ずっと黙ってるんだ?これ以上、思考で場を繋いでたら、ただの悲しい奴になるじゃないかよー!!)


「…」

「あのですね、そろそろ状況を説明してほしいんてすが?」

「ハッ!?申し訳ありません勇者様!!」


 俺が声をかけると、目の前の人物は我に返り、凄い勢いで謝罪してきた。同時に、勇者として呼び出されたこと、目の前の人物が若い女性ということが判明した。


「と、とりあえず先に自己紹介を、私はルミリア・エルク・クレイスターと申します」


 ルミリアと名乗る女性が被っていたフードを脱ぐと、薄紫色の髪とコバルトブルーの瞳が印象的な美少女の顔が現れた。


「…ハッ!?え、え~と、お、俺は清水しみず 宏斗ひろとっていいます」


 俺は、フードの下が美少女だったことに動揺を隠せなかった。


「シミズ・ヒロト様…」


 彼女は、俺の名前を口にした途端にうっとりとした表情を浮かべていた。


「こっち風の呼び方だと、ヒロト・シミズになるかな?呼ぶときは、ヒロトで良いですよ」

「では、私のこともルミリアとお呼びください。あと、もしもこの先、私に好意を抱いていただけたなら、何時でも私を妻にして下さい。私の方は、先ほど『身も心も永遠にヒロト様へ捧げる』ことが決定しましたので問題はありません」


 一方的に好意を告げると、期待に満ちた目を向けてくる彼女。


「えっ!?で、でも、名前の感じ的に貴女は王女様ですよね?お、俺も男ですから、貴女のような美しい女性なら、こ、こっちからお願いしたいくらいですが、さ、流石に身分の違いが…」


 すると、その反応は想定内とばかりに彼女がニヤリと笑った。


「フフフッ、私に抜かりはありません」

「え?」


 何故か嫌な予感がした。


「『王女の身分が邪魔になるので、ここを出て行きます。今まで、大変お世話になりました。』と書き置きして出てきたので、私の身分は気にしないで下さい。という訳で、末永くよろしくお願いしますねヒロト様」

「いや、無理だからね!?それ、完全に捜索隊に見つかったら問答無用で切り捨てられる未来しか見えないヤツですよ!!それに、食事と寝床はどうするんですか!?当然ですけど、俺はお金なんて持って無いですよ!?」


 今現在、直面している問題を告げると、またしても彼女はニヤリと笑う。


「その問題は、既に対策済みです。ズバリ、ヒロト様に授けられた迷宮ダンジョン創造の力を使えば良いのです」

「えっ?迷宮ダンジョン創造の力って何?それ以前に、何でその力が俺にあると確信してるの?」


 驚きのあまり、心の声が口から漏れていた。


「それは、私が『勇者召喚』の詠唱を改変して(召喚される者と)授かる力を指定したからです。それでは、コレを使って御自身の目でも確認して下さい」


 俺は、差し出されたクレジットカードのようなもの(ステータスカードというらしい)を受け取って、使い方を教わり使用した。



 ヒロト・シミズ

 勇者


 HP 30

 MP 15


 【迷宮核ダンジョンコア生成(0/1)】【迷宮核操作アクセス・コア



 以上が、カードに表記された内容だった。


「これは…一般的な人の数値ですね。つまり、今のヒロト様は非戦闘員と同じということになりますので、速やかに安全な場所を確保しましょう」


 こうして、異世界で初めて彼女(身分違い)が出来、最初にするべきことが安全地帯となる迷宮…ダンジョンの創造に決まった。でもこれ、勇者じゃなくて魔王っぽくない?間違われて討伐対象になったりしないよね?



お読みくださり誠にありがとうございました。次も、読んでいただけたなら幸いです。

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