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天使の梯子   作者: 柊木叶葉
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天使の梯子:Ⅴ 初任務完了

 ターゲットの暗殺をするため、社長室のある二階に通気ダストを伝って移動した和弥は、リエに報告した。

「了解」

 という短い返事があってまもなく、建物内の電気が消える。1、2分経つと、予備電源に切り替わらないことに気づき階下が騒がしくなってきた。絶妙なタイミングで、二発目の爆弾が爆発した。今度は凄まじい轟音が腹に響き、窓の外が明るくなったのが見える。

 流石に何事かと社長室から、ボディガードが走って行った。

 それを確認してから和弥は作戦を開始する。。


 社長は、社長室のドアを開けて外を確認すると、いったん中に入っていった。そこで、和弥は階下に降り立ち、社長室の影から様子を伺うと、何やら鍵を取り出して机の引き出しを開けている。それから小さなものを取り出すと、慌ててボディガードについて行くように部屋を出ていこうとした。


 隠れていた和弥は、いとも容易く後ろからサイレンサー付き小型銃で、頭を撃ち抜く。


 ドサリ、と音がして鮮血が周囲に拡がっていく。足跡をつけないように慎重に近づき、ズボンのポケットにしまってあったモノを取り出すと、小型の電子情報を記録するための、カードであった。


 通気孔にかけてあったワイヤーを上って、行きと同じように通気管を伝って外に出ると、カードの情報を端末で読み込む。


 内容を確認し必要なところだけを端末に移し変えると

 カードを抜き取り薄く笑う。随分呆気なく任務が終わったと思ったら、まさかこんな情報を持っていたなんて、と一人満足して建物外へと出た。


 道路には予めあかねが借りていた車が止めてあった。

 乗り込むとリエは既に車に戻っていた。すぐにあかねは車を出し、一行は鳳有限会社をあとにした。


 和弥は、戦果を報告するとともに、例のカードを取り出し茜に渡した。

「これはターゲットが情報を流していた企業一覧データだ。」

 あかねは驚愕して目を見開いた。

「どうしてそれを……?」

「あぁ、リエのおかげでな…」

 あながち間違いではなかった。もしあのタイミンクでなかったら、おそらくボディガードの邪魔が入っていただろう。

「とにかく、この情報をクライアントにながしといてくれ」

「分かりました、報酬は指定の口座に入れておきます」

 頷くといつの間にか車は和弥の店に着いていてドアが開いた。

「何かあったら、メールしてくれ」

 と言ってから降りる。リエと共に店に入ると、ドアに鍵をかけて、ホッと息をついた。

「お疲れ様でした」

 と、リエが言ってくる。

「お疲れ様」

 と返してそのままベッドに直行する。そのままベッドに倒れ込むと、ノータイムで意識が途切れた。


 夜中、あかねが送ってきたメールを知らせるアイコンがデスクトップに浮かんでいたが、それを和弥が見てまた、少し笑みを浮かべるのは、翌朝のことである。








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