パクパク
今日は家の近くの林の中をお散歩。
私は小鳥さんたちの歌が好きです。
「小鳥さんたちこんにちは」
「こんにちは」「お散歩かしら?」「この前の虫。とってもおいしかったわ!」「いつも私たちの歌を聞いてくれてありがとう」
「こちらこそ! きれいな声で、聞いててなんだか嬉しくなってくるわ!」
ありがとう! と皆嬉しそうに飛び回ります。
「僕はお腹が空いたよ」
「あ、猫さんこんにちは!」
「やあ」
茂みの中に黒い猫さんがいました。猫さんは頭がよくて、私に何でも教えてくれます。
「猫さんは何をやってるの?」
「ここが一番楽なんだよ」
猫さんはそう言って欠伸をします。どういうことなんでしょう? 私にはさっぱり分かりません。
すると、一羽の小鳥さんがちょうど猫さんの前に降りてきました。
「どうかしたの?」
「ちょっと一休みしようと思っただけよ。何と話してたの?」
「猫さんよ」
「どこ?」
「あなたの後ろよ」
「え?」
小鳥さんが振り向いた瞬間、猫さんは茂みから飛び出し、小鳥さんを食べてしまいました。
猫さんののどがゴクリとなるのと同時に、小さくピッ、ときれいな声が聞こえました。
「ごちそうさま」
「猫さんすごーい!」
「まあ朝飯前だよ。お昼だけどね」
上を飛んでいる小鳥さんたちは気づいていないみたいで、森の木さんたちと一緒にきれいな歌を歌っています。
「じゃあ僕はこれで」
「うん! 猫さんさようなら!」
私はきちんと頭を下げてお別れを言います。
今日のお散歩はこれで終わり。
明日はどこに行こうかな♪