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好みは串焼きですか?

もう、おばあさん探して30分歩き回った

。さっき別れたばっかだからすぐ会えると思ったのに、あのお婆さん本当は歩くの速いんじゃねぇか?と思うほど見つからない。


「おーい。婆さんやー。どこだ〜?」


やばい、自分でもわかるほどおかしくなってきた。


「なんだ突然、ついに頭がおかしくなったか?」


いや、もうおかしくなってる。


「なあ、あの婆さん足はやくねぇか?さっき見たときそんなに早い婆さんに見えなかったんだが。」


「それはそうだろう。多分あのお婆さんは、時速四十キロくらいで移動していたと思うからな。」


「はあ⁉︎あの婆さんそんな速度で走れたのか?すでにそれは妖怪か⁉︎」


時速四十キロって、秒速約11メートルだから、百メートル約9秒ほぼボルトじゃねぇか!


「そんなわけなかろう馬鹿者が!私の恩人を妖怪あつかいするな!あの後、私がタクシーを拾って差し上げたんだ!」


「あ、納得。なるほどそれで・・・じゃねえよ!つまり、あの婆さんはすでに二十キロ離れてることだぞ。そんなの追いつけるわけねぇだろ!バカなのあなた?」


「貴様!私に向かってバカとはなんだ!ばかとは!ちゃんと私にも考えがあるわ!そんな無計画なわけあるか!」


「じゃあどうすんだよ!今すぐ俺を納得させろ!」


「なら黙ってついて来い。すぐにわかる。」


なに言ってんだこいつ?あそこから半径二十キロ圏内って、無理だろ。

よし!逃げよう。

俺、ラノベ買いに来たんだった。そのためにこの地獄にいるんだ。

すでにHPはマイナス値にいきそうだ。こいつの気を一瞬そらせ、その間にダッシュだ。ふ、引きこもりの脚力をなめるなよ!

意を決し、行動にとろうとしたとき、


「おい、貴様」


突然話しかけられた。マズイ!ばれたか!


「にゃ、にゃんでしょうか。」

やべっ、焦って噛んだ。


「さっき、きずいたんだが、口調や雰囲気が最初とは違うよな、お前。」


なんだ、バレたかと思った。ビビらせんなよ。よし、ここは威厳を見せるように。


「企業秘密だ。」


声色を怖くして答えた。

シュッ

近くにあった鉄パイプを向けられた。


「すいません。」

負けました。


「私に向かって喧嘩を売るとはいい度胸だな。」

鉄パイプを肩でトントンしながら近づいてくる。てか、なんでこんなところに鉄パイプがあるんだよ。


「さっさと質問に答えろ。さもないと、貴様が串焼きになるぞ。」


「鉄パイプで刺すうえに燃やすきなのか!」


恐ろしい、本当に恐ろしい、何が恐ろしいかって、ガキみたいなやつがグロテスクなことを真顔で言うことだ。


「わかったよ。話せばいいんだろ話せば。」


「さっさといえばよかろうに」


ちっ、ガキが。


「確かに俺は引きこもりで人見知りだから、大概人と話す時はオドオドするが、あることがわかると普通に喋れる。」


「あること?」


「そいつがどんなやつか。どういう気持ちで俺に話かけ、どういう目的をもっているか。だ。」


「貴様は毎回そんなことを気にしながら人に話しているのか。めんどくさいことをしているな。なぜだ?」


「昔、仲の良いの女の人に怒られてね。それ以来気をつけるようにしていたら、人と触れ合うことを多くしていたらなんか人見知りなってた。」


本当はめんどくさくなっただけなんだけどね。

「なんでそんな約束を律儀にまもってるんだ?」


「ま、まあ、そ、それは俺が律儀なひとだからじゃろ?」


「なんでテンパっているんだ貴様は。」


「別にてんぱってなんかないんだからね!」


「なんだそれは。気持ち悪いぞ男女。」


「ひどい!僕のHPをマイナス値までダメージを与えるなんて!」


もうやだ、引きこもりたい。


「ん?そういえば私に対して普通の態度をとるということは私のことがどういう人物かわかったということだよな。」


「いや、全然。」


「はあ?それは約束に反しているのではないか?」


「人に対して問答無用で暴力を振るうやつのことなんて考える必要なんてないからな。底が知れてる。そのくらいは経験からわかる。」


ふふん。どうだガキ。これで自分の行いに反省しーーー


「・・・・」

バキンッ


「というのは冗談で、あなた様が尊敬に値する人だとわかったからです。」


負けました。

いや、それは負けるよ。

だって今、ももの蹴り一発で鉄パイプを折ったと思ったら、尖った方を俺に、真顔で、無言で向けている。

俺みたいに精神が強いやつじゃなきゃトラウマもんだよ。(引きこもりたい)


「てか、お前誰なんだよ本当に。名前すら知らないんだけど。」


「・・・・」


あら、まだ怒っていらっしゃる。だって鉄パイプを向けたまんまだもん。


「・・・・十六夜(いざよい) 麒麟(きりん)


「へ?」


なに?この技の名前?


「私の名前だ。私の名前は十六夜 麒麟。トラサンデ13支族の十六夜家の次期当主だ。」


「あ、どうも。」


と言った瞬間彼女が驚いた顔をした。


「なにか、変だった?」


「・・・・」


返事がない。ただのしかばねのようだ。


「貴様の名前は?」


突然話かけられたので今度はこちらが驚いた。

「えーと。佐陀 魔喪といものです。」


「変な名前だな。」


もはや、この程度で傷つくまい。


「そりゃ、どうも。それで、いつになったらこの鉄パイプを下ろすんだ?」


と、言った瞬間十六夜は鉄パイプを下ろした。

「珍しいな。私と普通に会話をし、私の名前を聞いて驚きもせず、普通に自己紹介してきたやつは。」


そういって彼女は、複雑な顔をした。


「なんだ?なんか俺おかしかったか?」


今の自己紹介がおかしかったら、今まで俺が今まで自己紹介してきた人に失礼な態度をとってたということになるんだが。


「いや、別におかしくはない。おかしいのは私の立場だしな。」


「立場?」


「さっき言った通り私はトラサンデ13支族の十六夜家の時期当主だからな。色目をつかってるくるやつや、怯えるやつが多かったからな。すこし、ほんの少し身長が人より低いせいで、信じずバカにするやつもいたな。その後、証明するために勝負して挽肉にしたけど。」


おや?今不穏な単語が。


「そんなことばっかだから、自分から挨拶したのは久しぶだ。普通に接しられたのもな。」


「そうか、それはよかったな。」


「ああ、だから佐陀、私の友達になってはくれないか?」


え?友達なって?

「はあ⁉︎」


突然のカミングアウトに俺の頭がついていかなかった。

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