嫌な出会い一人目
目の前の幼女のような高校生が問う。
「なぁ、君は何者なんだ?」
引きこもりはただ答える
「ただの引きこもりです。」
睨む(見上げる)天才と下を見る引きこもり。
〜どうしてこうなった?〜
それは、あのお婆さんのところまで遡る。
さて、さっさと天竺(本屋)に行って早く引きこもろう。
流石にこのフードでも俺のHPは長時間持たない。
ドラクエの常時毒状態みたいな物だからな。早歩きで行こうと思った時だった。
「お前、そこのお前」
突然後ろから声をかけられた。
確かこの声はお婆さん助けた人の声だよな。え、なに?俺?違うよね。なんもしてないよね?まさか、なんもしてないからこそ責められるの?
「聞こえてるのか?それとも耳がわるいのか?そこの黒いフードを被った不審者みたいなやつ、お前だよ。」
俺か?俺なのか!いや、ちょっと待て。
よし!なにも見てない知らないドラゲナイでいこう。
「・・・はいなんで・・すか?」
後ろを振り向いたら誰もいなかった。
えっ!、もしかして幻聴?日差しのせいでついにストレスが溜まりおかしくなったのか、俺?
「そこじゃない下だ。」
またもや声がして下をみると、あらまびっくり可愛らしい幼女(どのくらいが幼女かしらんが)がいた。
髪は長髪で黒いのに目の色は紫だ。ラノベ風に言うと、黒髪紫瞳だろうか?身長は俺のヘソより小さい、腰くらいだろうか?可愛らしいはずなのに無表情なため、少しもったいない。いや、そんなことより気になるのは。
「コスプレ?」
俺が一応入っている高校生の制服(女子用)を着ていた。着ている服と体が会っていない。え?なに?夏コミ?
「殺すぞ、きさま。私は見ての通り高校二年生だ。私のことを知っての狼藉か?」
え、なに?まさか本当に高校生?しかも同学年!いやおかしい。断じておかしい。
バ、バカな。これはまさか。俺はこの問題に対する答えを知っていた。
ま、まさかこれがラノベ界の上位の位置に君臨する個性キャラの一つ・・・合法ロリか!
俺は無言で涙を流していた。まさかこんなところで合法ロリに出会うなんて。
ヤバイ、ラノベの神様ありがとう。ど、どうしよう。え、サイン貰おうかな。もしかしたら、ラノベのキャラのモデーーー
「はっ」
ドゴンッ
「ごべはっ」
うずくまる俺。と、突然殴られた。なんで殴ったの?痛いよぉ。
まさか怒らせちゃった⁉︎
人見知りが一番やってはいけない禁断の行為
「怒らせる」
をやってしまったのか俺は⁉︎
もうダメだ。俺では対処できない。
人見知りは怒った相手のご機嫌とりは無理。それに相当怒っているな。
だって、殴った時「ドゴンッ」て言ったもん「ゴンッ」レベルでも痛いのに「ドゴンッ」だったもん。
超イテー。うう、やっぱお外怖いよぉ。
「なんだ貴様は。人の顔を見るなり涙をながしおって。私が何者か思い出して、恐怖のあまり涙がでたのか?」
「いや、全然君みたいな合法ロリしらないし、もし知ってたとしてたら絶対に一緒写真とってもらうし」
忘れてた。ラノベでも合法ロリは小さいこと言うと怒るんだった。
「ほう、私のことを知らない上に一緒に写真を撮るなど万死に値することだ。しかし、今日は私は機嫌が良いから特別にこの程度で許してやろう。いつもの私なら首を落としていたところだ感謝しろよ。」
「いやいや、殴った時点で機嫌が良いことにはならないだろう。」
「ほう、もう一発殴られたいようだな。」
「あ〜もう悪かった。俺が悪かったて。もう謝るから殴らないで。」
「仕方ない。心が広い私にめんじて許してやろう。」
「・・・あ〜、もうめんどくさい。」
「何か言ったか?」
「いえ、何も。」
幼女(高校生)に頭を下げる17歳の高校生。やべぇ、見られてる。
「ね〜ママあれ何?」
「こら、見ちゃダメよ。」
あの会話初めて見たよ。一度見てみたかったやつだけど、自分に言われると案外傷つくなあれ。
目の前のこれより、よっぽど俺の心えぐりにきてるよ。
小さい子とそのお母さんは、俺のHPを大きく削り、消えないトラウマを与え去って行った。
「こんなことしている暇ではなかった。おいそこの黒フード、私を手伝え。」
「はあ?なんで?」
「貴様、さっきお婆さんが車の前で困ってるのを見ていなかったのか?あのお婆さんには恩があるから助けてやったんだ。その時、このハンカチを落としてな。そのお婆さんを探すのを手伝え。」
「え〜、なんでだよ。俺のこと許したんじゃないのかよ。めんどくさい。」
「じゃあ、やっぱり許さないから手伝え。」
「はぁ?そんなもん知ったこ・・・ごめんなさい。手伝います。」
こいつ、無言で殴る体制に入りやがった。
断ったら殺すいきおいだった。
しかも、人探しとかなんだよ。俺はラノベの新刊買いにきたんだよ。
いつになったら買いにいけるんだよ。もう店開いちゃってるよ。売り切れてたらどうするの?俺しぬよ?
「何、ぶつぶつ言ってんだ。さっさと探しにいくぞ。私もこの後大事な用事があるんだからな。」
「・・・俺だって用事あるのに」
「なんか言ったか?」
「いえ、なにも。」
〜こうしてお婆さん探しが始まった。〜