引きこもりは人を助けない。
「はあ・・・。まさか目が慣れるまで10分かかるとは。太陽やべぇよ。もうやだよぉ。外怖いよぉ。引きこもりたいよぉ。」
地獄の苦しみをなんとか乗り越え、なんとか「天の鳥船」の超特急で本屋の近くの駐輪場につくことが出来た。いま、駐輪場から本屋までの道をだらだらと歩いている。
なんか、通行人がチラチラ見てくるんだけど。何?好きなの?引きこもりにその視線は辛いからやめて。
たぶん彼らは俺が真っ黒いフードを被っているから見ているのだろう。確かに、このフードは一見、不審者のように見えるし、こんなに日が強い朝に黒いフード被っていれば不思議に思うだろう。実際、俺もこんなアニメに出てきそうな怪しい結社みたいな格好したやつがいたら、即家に引き返して引きこもるだろう。
しかし、この黒いフードは太陽の光から俺の目を守り、少し引きこもってる感じがするため、俺のHPが外に出ても減少することがない。つまり、これがあれば外に出られらる。黒フード最強〜。オタクの引きこもりを舐めるなよ!
「ぶっぶ〜」
突然、後ろから不正解音がした。え、なに間違ってた?ごめんなさい。だから、僕を責めないでください。
「ごめんなさいね〜」
振り返ったらそこには、横断歩道に大きな荷物を抱えたお婆さんが一人いた。赤信号になってるのにまだ中央付近にいる。なるほど、それで我慢できなくなったドライバーがクラクションをならしたと。なんだよ、ビックリしたじゃねぇか。引きこもりは気が弱いからとっさに謝っちゃったじゃん。
さて、ここでクエスチョン。わたしはこのお婆さんをたすけるでしょうか?
答えは、「助けない」でした〜。パチパチパチ〜。
理由は簡単。「引きこもりは人見知りだから」でーす。つまり人見知りがいってもややこしくなるだけであり、周りの助けようと思ってた連中はもう大丈夫と安心して助けない。ソースは俺。なので、見て見ぬふり。がんばってねお婆さん。多分俺以外のだれかが助けてくれるかもしれないから。
「大丈夫ですか?お婆さん。」
その時、お婆さんとは別の若い女性の声がした。ほら、お婆さん誰かが助けにくれたよ。よかったね。俺が助けなかったからだよ。感謝しろよ、ふふん。そして、このまま後ろを振り返らずに去って行こう。
もし、ここで後ろを向いたりしたら「なんでこいつ助けてやらないんだ?」みたいな目を向けられ罪悪感に犯されるだろう。これもソースは俺。やばい、あの時の目思い出しちゃった。やめて、罪悪感に犯される、食べても美味しくないよ?こんなところさっさと退散しよう。
そして俺はお婆さんらに脇目も振らず天竺(本屋)に向かうのだった。お〜。脳内でモンキーマジックがながれてるよ。あれ、仲間がいないよ。べ、別に悲しくなんかないんだからねっ。