空にいつかの夢を見る
僕は小さくて
僕の眼は小さくて
空の端など見えやしないけれど
きっとあのビルの向こうにも広がっているんだろう
きっと僕の知らないところにも
きっと僕の知っていたところにも
思い出す空はいつでも違う色をしていたけれど
雲間に覗く鮮烈な青も
白い灰色ののっぺらぼうも
稜線に滲む昼夜の狭間も
僕が通り過ぎた道も
すべてが今見上げるこの空に続いている
僕にはもう戻れない場所へ
空だけが軽々と繋がって
僕が進むこの先も
きっと空は知っている
空にいつかの夢を見て
僕は知らない空へ地上を歩もう