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レベル1

勢いのみで始めちゃいました。

 突然だけど、私、(さき)は異世界に転生したかった。

 刺激がある事が大好きな私は、

 テンプレな転生ではつまらない(神がミスするのなんて確立低い)と思い、









ーーーーーーー神に反逆した。






え?そんなことできるわけないって?

いやいや、私の推測だとあいつ、そんな強くないはずだからね。

神は、普段やることなくて暇だからグータラしてるはず。へたしたら太ってるんじゃない?


極論を言うと、普段戦う相手がいないのに、戦う力を持っててもしょうがないって事。

まあ人間でいう退化だね。


口で言っても分かりずらいだろうから、ちょっと見てて。









* * * * * *




普通の世界で普通に死んだ私は、閻魔大王の裁きを受けるためその順番の列に並んでいた。

 ・・・まあ前提として、死後の世界がなければ転生するという目的自体が頓挫していたんだけど。




「あ〜つまんない。長いよ、この列。イライラするわ〜」




生前から数えても五本の指に入るイライラに、私は閻魔大王にフラストレーションが溜まっていった。




(閻魔...あいつもうガチでなんなの!

…私、別に悪い事してないから天国行きなんだろうけど。つっまんないな〜天国なんて。刺激少なさそうだし)




まあ普通は天国が嫌なんて奴いないんだろうけど、私は何事にも人とかけ離れた考え方をする人間だった(普通は本当に転生をしようなんて考える奴はいない)

そんな私はもうここから反逆を企てていた。だってわたしは刺激のある生活が好きだからね。


でも反逆っていってもなぁ〜、そもそも弱点があるのか分からないから、倒しようがない。

…不死身とかだったらアウトだ。


でも私の視界に映る閻魔大王は、まさかの男の()だった。

人間と同じ容姿をしてるんだから弱点も人間と同じか。私はそう考えた。

違ってたら違ってた、だ。それで地獄行きになってもそれはそれで刺激のある生活が送れる。




(やろう、反逆。神に下克上だ。ついでに閻魔も。…あっ、丁度私の番が回ってきた)




男の子閻魔大王は自分の前にきた私を確認した後、話し始めた。




「死者No.7052739372820272623096152号。貴方が生前行った悪行は0件、文句なしで天国行きデス。

右の通路を曲がって真っ直ぐゆき、後は係りの者に従って進んでくださいデス」




死者多!!と思ったが口には出さず、私は素直にその指示に従った。

……と思わせる為に一旦(・・)右側の通路へと進んだ。




閻魔大王(子供だけど)の気が逸れた瞬間、後ろから気配を殺して近づき、閻魔の頚動脈に爪を当てた。




「うぉぉわぁぁ!な、なんデス!」


「うるさい、騒がないで、殺すよ」


「な!考える事ができない筈の死者が何故喋ってるんデス!?」




え?なに?考えることができない?

…後で聞いた話だけど、普通死者は物事を考えることはできないらしい。




「そんなことしらない。貴方も死んで何も考えられないように成りたく無ければ、私の指示に従いなさい」


「ひ、ひぃ!わ、分かりました、分かりましたから殺さないでくださいデス!」




……閻魔大王馬鹿じゃないの!?

この閻魔の言葉は私の推測の裏付けとなった。

このコ、ちゃんと死ぬ(・・)し、弱点も人間と一緒(・・)だ。


神はどうか知らないけど、少なくとも閻魔を人質にとっておけば私の作戦は成功する。

 そう確信した私は閻魔に神のいる場所を尋ねた。




「“神”ってのはどこにいるの」


「そ、そ、そそそそ、そんなこと知らないデス」




 …これは嘘だな。だって『そそそそ』って連呼してるもの。

 確信した私は無言で閻魔の頚動脈にかけている力を強くした。

 



「ひ、ひい!わ、わ、わかりましたよ!言います!言います!」


「それなら、始めからそうしてなさいよ...」




 閻魔の予想外の慌てっぷりに私は若干呆れてきた。....デスが抜けてるよ〜




「か、神様は後ろの扉の中の階段を進んでetc...」


「あーもういい、もういい。どうせ貴方も人質として連れて行くんだから」




 すると子供閻魔、絶望の表情。

 てかこのコ、私の中の威厳ある閻魔大王のイメージを悉くぶっ壊してくる。最初の堂々とした喋りはどうしたのかしら。




「さてと、行きましょうか閻魔くん?」


「い、いやデスーーー!!」




 私は容姿のまんまの軽い閻魔を引きずって、扉を開け階段を上っていった。






* * * * *





「ながい。なにこの階段」


「それはそうデス。なんてったって神様なんデスから」


「なんで(威厳のない)貴方が誇らしく言ってるのよ」


「な!今の()はなんデス!子供っぽいですけど、これでも閻魔デス!」


「『っぽい』じゃなくて、『子供』ね。すぐむきになるのなんてまるっきり子供じゃないの」




 ……今気づいたけど上の文章自体が階段っぽくみえるのは私だけなのだろうか。

あっPCの人限定ね。


 そんなことより、つまらないことが嫌いな私は、階段が終わるまでのつなぎとして閻魔に話しかけた。




「子供っていうか、なんで容姿がまんま子供なの?閻魔ってもっと大男とか、ひげだらけのおじ様を想像してたんだけど」



すると閻魔くんは困ったような顔をして、こういった。



「いや…それが先日、先代が隠居してしまって、跡継ぎが僕しかいなかったんデス。権力の関係とか、新たな閻魔の座を狙う一族がいたりとかで、僕に無理やりって訳デス...」




 死後の世界も、人間みたいにメンドクサイみたいだ。

 てかこのコ...




「ちょろすぎ。貴方自分の事を、脅してる相手に話してどうするの」


「あ!す、すいませんデス」


「私に謝ってどうするのよ...」




 ちょっとまじめに心配になってきた。人間の死後は大丈夫なの?

 神はもっとしっかりした奴だと良いんだけど。


 いや、しっかりしてたら、この後私が困るけれども。












 そんなやり取りをしていると、やっと階段が終わった。



 厳重そうなドアを開けるとそこには、閻魔くんと同じくらいの子供が一人。

 突如駆け巡る嫌な予感。 


 ま、まって!まさか!




「このコが神!?」


「え、そうですけど」




 と答えた神様改め、神ちゃん。




「あ、えんまじゃん!ひさしぶり!」


「神様、久しぶりデス」




 あ~やばい、ガチで頭痛くなってきた。




 だってこいつらもこいつらでしょ!

 なんで閻魔と神が子供なの!?

 なんで閻魔と神が親しいの!?

 



「おーい、神ちゃーん」


「な!かみであるわたしに向かって『ちゃん』とはなんですか!」



なら神であるあなたは何故幼いんです!?

幼い=子供だから...



「…子供にちゃん付けしてなにが悪いの」


「もう!えんま~このしつれいなひとだれー?」


「わからないデス。死者の筈なのに意思があるんデス」


「ふ~ん、めずらしいねーー」




 珍しいのはお前達だ。っと心の中でツッコンだ。




「なんで神まで子供なのよ...」


「あー、うーんと、それはね」


「あーいい、いい。どうせ閻魔くんと同じような感じなんでしょ」


「うん、わたしもえんまとおなじで、いえどうしのけんせいでむりやり」




 ……そこは嘘でも否定して欲しかった。

 まあどうせ心配はいらない。もうすぐこの世界とはおさらばだ。


 そう、私の本来の目的はここからだ。




「神ちゃん、私を転生させて!」




 まあ断られるだろうけどね。

 そんなポンポン転生させてたら異世界は転生者だらけになってしまう。 

 そしたら閻魔くんで脅して無理やりにでも... 


 だが予想に反して、その言葉に二人は呆気に取られた様な顔をした。

 と、今度は焦った様な顔をした。・・・せわしないなぁ。 




「あ、あなたそのいみをわかっていってるの!?」


「わかってるよー。というより転生って他になんの意味があるのよ」


「「い、いや。そうじゃなく(です)」」


「ん?」


「だからさっきいったでしょ」





































「神様はまだ新任なんデス、人一人を転生させるだけの魔力なんてある訳ないデス!」





 お、OH~

これから咲がやらかします。

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