表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2部完結】かつての剣聖、死んだら宿敵の娘に転生してしまった 〜パパが世界最強の親バカすぎて復讐どころか修行もままなりません〜  作者: ぱすた屋さん
第二章:「最強の姉弟愛」と「勘違いだらけの学園生活編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/76

第三十九話:就職!野生児がメイドになった!?



 公園でテオの手を握り、「おなかすいた」と言い放った野生児、カレン。普通であれば衛兵に突き出すところですが、テオが彼女の袖を掴んで離さず、あろうことか私に「いっしょ、いくー!」と碧眼を潤ませて訴えかけたのです。あの子にそんな顔をされて、拒めるはずがありませんわ。


 現在、ハルトマン邸の応接間。豪華なソファに座り、泥だらけのまま高級な肉料理を獣のように頬張るカレンを前に、私は家族へ冷徹に宣言いたしました。


「というわけで、お父様。この子をハルトマン邸に連れ帰りますわ。身元調査はカイル兄様に、肉体の洗浄と害虫駆除はアイリスに任せます。……文句はございませんわね?」


「リ、リリアたん! 正気か!? どこの馬の骨かもわからん少女を、テオ君の傍に置くなど、もし暗殺者だったらどうする! 相手は空腹という高度な擬装を使っているのかもしれんぞ!」


 お父様がガタガタと震えながら抗議しました。その背後では、シオン兄様が剣の柄を握りしめ、カレンを今すぐこの場で切り裂いてやる、と言わんばかりの鋭い視線で睨みつけています。


「お父様、黙りなさい。暗殺者であれば、既に私がお掃除を済ませていますわ。この子の筋肉の付き方、重心の移動、そして何よりこの劣悪な環境で生き抜いてきた生命力。テオを守る盾の予備としては、なかなかの掘り出し物だと思いませんこと?」


 私が扇をパチンと閉じ、わずかに圧を放つと、お父様は「確かに……!」と即座に跪きました。


「カレン。食べ終わりましたら、アイリスについて行きなさい。貴女にはこれから、ハルトマン家に仕える者としての、そしてテオの遊び相手としての最低限の洗練を受けていただきますわ」


「……せん、れん? よくわかんねーけど、明日も飯食えるならいい」


 カレンは口の周りをソースだらけにしながら、無知ゆえの豪胆さで答えました。アイリスが狂気に満ちた微笑みを浮かべ、カレンを首根っこから掴んで風呂場へと引きずっていきました。


 数時間後。お風呂から上がり、アイリスが用意した予備のメイド服に身を包んだカレンが、私の前に連れてこられました。泥を落としてみれば、驚くほど整った顔立ちをした美少女ではありませんか。


「……なんか、この服。スースーして落ち着かねえ。それより、あいつ、どこだ?」


 カレンが周囲をキョロキョロと見渡した瞬間、テオが「かねん! かねん、きたー!」と、私の腕の中から飛び出していきました。テオはカレンの足元にしがみつき、満面の笑みで彼女を見上げています。


「……あ、チビ。お前、なんかいい匂いすんな。お腹、また空いたか?」


 カレンが不器用ながらも、テオの頭を優しく撫でました。その光景を見たお父様とシオン兄様が、同時に血反吐を吐いて卒倒しました。テオ君の初めての友達が野生児などと、という絶望の叫びが聞こえてきますが、私は気にしません。


(ふふ。テオ。良かったですね、お友達ができて。カレン、貴女がテオにとって良き毒となり、あるいは薬となることを期待していますわ)


 私は、テオの楽しげな笑い声を聞きながら、カレンに課す予定の厳しい教育教育スケジュールを、さらに増やすことに決めるのでした。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


本作を応援してくださる方は、ぜひブックマークや下の評価【☆☆☆☆☆】をいただけますと幸いです。


次回お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ