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謎の職場

部署への扉が開く。中にいた人数はあまり多くなかったが、内部の忙しそうな感じは回生部署よりもひどく感じた。私はその中へと足を踏み入れる。いつもはこの時点で賀時が「じゃあ頑張れよ」と行ってすぐに去るのだが、今日はその言葉もなく、中にも入ってくるわけでもない。それが気になって私は賀時の方を見ていると、彼は声を張り上げて言った。

「こいつが新入りの(ひだり)だ。力にはなってくれるはずだから、よろしく頼んだよ。」

その言葉に皆一度ずつ私の方をチラリと見ていた、そして賀時が帰ってから一言、よろしくとだけ言って各々の仕事に戻っていた。

部屋内をもう一度見回せば、"新人"と書かれた旗が、ある一つの机の上に目立つように置いてあった。十中八九そこが私の席なのだろうと、私はそこへ近づいて椅子に座った。椅子に座ると机の上にある旗もそうだが、少しずらして置いてある複数枚に目が行った。

それをペラペラと捲れば、なんということでしょう。昨日に送られて先ほど見たばかりの手引書ではないですか!

私はそれを机に置いてそっと退かし、もう一つ置かれている一枚紙を読んだ。


・あなたのToDoは南のホワイトボードを見てください。(Nと書かれた欄があなたのです。)

・ホワイトボード内ではいくつか略して書いていますが、手引書内のP34,35かP84,85を参照してください。

・そのほかに聞きたいことがあれば入ってすぐにある機械に聞いてください。

・今日の昼ごはん(あなた含め46人分)はあなたのセンスに任せました。5万円分置いておきますので、お釣りは最奥の倉崎に渡してください(もし足りなければ後でレシートとともに請求すること)。それと満足度によっては報奨金も出ます。嫌いなもの表は下に記します、参考にしなさい。

(以降は嫌いなもの表が続く)


お昼までの時間は残り2時間。私はホワイトボードを見た。そこに書かれている私の午前の仕事は[昼1GP]

…。

どうやら午前は仕事をさせてくれないようだ。私は悟って席を立ち、ビル内のコンビニへ赴いた。

しかし表を見れば見るほど怖くなる。やれ野菜だの、やれ食後のデザートを買ってこない人だの割とテキトウに書かれている。他にも嫌いの欄に、今日は大蒜無しでよろしくと書いている者までいる。そこから推測できたことは、このアンケートをとったのは今日だろうということだった。

私はそれぞれの嫌いを避けて全員におにぎりを二種類ずつ買い、余った金を使って10個の弁当と12個のデザート、それと2Lのお茶5本を買ってビルに戻る。

総重量はいくらになっているだろうか、丈夫なバッグを常備していたことと、学校時代の体育が功を奏し、無事にビルまで帰ることはできた。

私はその色々が入ったバッグ2つを持ってエレベーターを降りた。

そして部署の戸を開…

開k…

両手がふさがっていて開けることができなかった。

一手間かかるが一度床に置くしかなかった私は、一つため息をつき、少し身をかがめる。その時、さわやかな声が聞こえた。

「その必要はないよ!私が開けるからね。それにしても大丈夫か?一声でもかけてくれたら私も一緒に行ってあげたのに。」

心の中の虚乙女(イマジナリーガール)が"トクン"という少女漫画特有擬音(ときめきの音)を鳴らしかけたが、見上げて顔を見て、その音を鳴り止ませた。

なぜここにいるのかはよくわからなかったが、その正体はただの賀時であったからだった。

読んでいただきありがとうございます!!!!!

久々に名前以外で真っ当なルビを使ったかもしれない。

やっぱりこういうのを考えるのは楽しいです

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