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気分

この選択をするだけして、私は倒れた。

そして、数分して床の上で目を覚ました。"床の上で"だ。ソファでも椅子でもない。そのことに私は少し不満があったが、自己管理能力が故の出来事だったので恨むことはできなかった。

起き上がった私に一声掛かった。

「目が覚めたのですね。どうしますか?今日は会談が無いので職場に居ようが居まいが自由ですよ。」

私はその言葉に甘えることなく、仕事に復帰した。

といえども、私がやること、できることは無い。ただ自身の席に座ってパソコンの使い方を実践して覚えなおすだけだった。偶にきょろきょろと周りを見渡したりもした。集中できていない証拠だろう。加えて、カタカタという音に満たされている空間は私の目に異質なものとして映り、だんだんと同じ空間に居るのが辛くなってくる。

私は一度気分転換のために部屋を出て、前に来た通路に来た。前は見ていなかったが、道は分岐していた。興味本位で私は前の応接間の方向とは逆向きに歩いた。無音なはずの道中は、進めば進むほどに何故か騒がしさが増していく。音が大きくなるにつれて、私の好奇心は次第に大きくなっていく。

より前に歩みを進める。その音に耳を澄ませれば、カン、カン、という金属の音だと分かった。

とうとうその音の源のドアまでたどり着いた。そこを過ぎれば音が小さくなったので間違いない。

わくわくしながら私はその戸を開く。

「うわっ!びっくりしたぁ…。」

今にも消えそうな細い声が私の耳に入った。声の主は正司だった。正司が何かの金属を触っているだけだった。私は扉を黙って閉じた。


そして逃げる。扉を閉める直前に正司の何かたくらむような怪しい顔を見たからだ。

私は走らず、遅からずで動いた。

後ろから声が聞こえた。

「ひ~だ~り~く~ん~?」

「ひ~だ~り~く~ん~?」

「ひ~だ~り~く~ん~?」

「ひ~だ~り~く~ん~?」

私は止まらずに動いた、そして後ろをチラリと見る。追ってきている気配はない。私は前を向いて動き出す。

「まって~」

今度は弱弱しい声で私に言ってきた。よく見ればそのドアのところからひょっこりと顔を出すだけで近づいてこない。私はその声に従ってドアの方へ戻った。

読んでいただきありがとうございます!!!

昨日は単純にサボっただけです。

今日は頭が回っていないだけです

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