遠観すべくしたい。
エレベーターが下り、その扉が開かれた。
「やぁ、様子を見に来ましたよ…って…え、何?お取込み中だったかい?」
助かった。私はそう思った。今、私が創り出した空気を打ち破るようにここへ入ってきた賀時がこのうえなく有難く感じた。だが、語里にとってはそうでなかった。
「お前、何をしに来た。ここには来ないと言っていたくせに。なぜ来た。」
彼女は叫んだ。
それを他はにこやかに見ていた。まるで、「またか…」と諦めたような顔だった。
私はそんな今の空気を傍観する。何も言えない。それに、今渦中に入ることは自分が良しとしなかった。
ただひたすらに喧嘩と見守りが同時に行われている空間を眺めるだけ。
しかし風向きは変化する。次第に喧嘩の話題が私の方向に向いてくる。[約束を…。あの時も…。]といった話から[左君が…。サブ…。]という話になっている。
偶にチラリとこちらの方に顔を向けて、すぐにお互いを見つめ、言い合いを続ける。それに合わせて、空や正司もこちらをチラリと見ることが起こっていた。
喧嘩を眺めることは、すぐに時間が過ぎる行動。そう思っていたが、今はひたすらに辛い、時間が短く感じるどころか、いつ終わるのかと思うほどに1分1分が待ち遠しい。
とうとう私に話の矛先が向いてしまった。
「左、サブをどれも苦手で選べないって。どうにか汲んであげられないの、あんた。」
「そもそも左がこの部署内で何ができるかを聞かないと。左、この部署の方針に沿ったことで何かできそうなことはありますか?別に自分で仕事を作ってくれてもいいんですよ。」
彼らは私に近づいてくる。私は事前に考えてなどいなかったために良案なんて持ち合わせていない。
「持ち帰りしても…?」
私は姑息な手段に出た。しかしそれは通用しない。
「ダメ、今決めて。」
私は悩んだ。だが、こんなにも注目されている状態で何か思いつこうか、いや思いつかない。私の脳はオーバーヒート寸前で、少しくらっと眩暈がした。それでも、考えるしかなかった。さっきよりも高回転に頭を働かせる。それでも、分かりきっていた。いくら頭で考えようが、良案どころか折衷案すらも思いつかない。私が好きなこと得意なことなど、この場には存在していないからだ。
私は遂に言ってしまった。
「ヘルプ要請があったところへ補助しに行く。こんなことではダメでしょうか。」
これを言い放った時の私の脳はもはや末期と言っても差し支えないほどに働いておらず、まともな思考力は持ち合わせていなかった。
「いいのね!?後悔しないのね!?」
興奮気味な語里が朧気に見えた。私は一つ頷いた。
読んでいただきありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
終わり方が分からない!!!
頭が回んない!!!!!!!!!!!!!!




