反発癖
部署が変わってから、職務内容はコロコロと変わっていた。基本的には、他のメンバーに付いてこの部署の内容を体験するというオリエンテーションだった。その行為自体には納得なのだが、気になった点があった。
順序が変だ。単純に私の拘りである可能性は否定できないが、新人を会議に出す前にオリエンテーションをするべきではないか。一応、自分の考えが凝り固まっているのではないかと何度も疑ったのだが、その答えが出ることはなかった。
そして、そのことを言い出せないうちに、全員の職務のオリエンテーションが終わっていた。
この数日間、正直言って、経験したどの部署よりも辛かった。それぞれの業務でパソコンを120%理解し、使いこなせていることが前提で仕事が始まっていた。使う機能も異なり、そのうえ専門用語を使われれば理解ができない。
毎日就寝前に1時間、それらを覚えなおす。別にそれが苦だったのではない。私が嫌だったのは前日にどれほど頑張って覚えようが、翌日の仕事では別のことを聞かされ、また理解ができない。ここで気付いた、生まれて初めて気付いたのだ。
「そもそも、理解できないということがあまり好きじゃない。」
だが、こんな日々とはもうおさらばだ。これからは私の時間。全て体得した私の向かうところに敵は無し。そう思う。私は出勤した。7590、場所は手で触らずともわかる。「おはようございます。」私は挨拶をする。その言葉で起こることはなにもないのだが、習慣がそうさせた。
私がエレベーターから降りて挨拶をする、語里はこのタイミングを狙いすまして待っていたかのように別の部屋から現れて言った。
「おはよう。決まった?サブで何やるか。」
私は首を傾げた。「得意なことだけで良いって言ったじゃないですか!」と言いたかったのだが、自制心が働き、その気持ちを抑えて、「サブとは何のことでしょうか。」と言った。
彼女は失速して返す。
「サブは…、サブだよ…。」
返答に少し困った彼女を見かねて、正司が代わりに答えた。
「君は、データ暗記をメイン…主に据えるでしょう?それと似たような感じでもう一つ業務をしないとなんだよ。人数的に手が回らないからね。賀時さんのお兄さんには何度か打診しているんだけど、あまり手応えがなくてさ。それで、もし決まっていないなら、転送装置関係に来てもいいよ。あ、僕の所ね。」
語里に嘘をつかれたことは腹立たしいが、手が足りないというのは数日やっていて痛感した。そのため、私はそれを咎める気はなかった。
悩んだが、どれも私の性に合っていなかったので、選べなかった。
「我儘を言うようで悪いのですが、どれも苦手で選べません。」
気付けば、そんな自分勝手な言葉が私の口からあふれていた。私は焦って言った。
「すみません。取り消させてください。」
その時、ガタンという音が私の後方で響いた。
読んでいただきありがとうございます!!!!
頭は回ってないよりの
回っていない
にございます。
今になって結末に迷いが出てきたのはおそらくダメでしょうね。




