仕事ではなくWorkと言いたい
扉が開く。私はエレベーターを降りて挨拶をして、自分の席に座る。昨日の練習の賜物で、パソコンの起動、ログインはお手の物。さらには情報の場所までも一直線だった。
私は正しい情報と昨日に覚えた情報を比べ、暗記内容の正誤を確認する。そしてその正しい情報を何度も頭で復唱した。
「左、行こう。もし口答えされたら、そのときは頼んだよ。」
語里が玉石を後ろに連れて、転送の機器に触れながら言った。私はそれへ軽く頷く。私は転送されるのを今か今かと目を閉じて待つ。しかし一向に転送された感じがしない。いつもは転送されると、目の裏が明るくなった感じがするのだが、本当にそれを感じない。
私は目を開いた。広がる光景はまぁ変わらずと言ったところ。そこに語里が言った。
「何?急に、キス待ち?向こうへのインパクトは抜群だろうね。じゃあ先にセッティング行くよ。あ、気が向いたら手伝いに来てね。」
…。
私は歩いて別の部屋へ移動する二人の後ろを黙ってついていった。それはもう静かに、そして下を向いて。二人は10秒もしないうちに一つの部屋で曲がってそこに入る。
その部屋は仕事スペースとつながっていないのだと誤認してしまうほどに明るく、空気が済んでいる、そして何故だかガラス張りの窓があり、そのうえ不思議なことに窓の奥には空が広がっている。理解しがたい空間だった。
部屋の机は埃を被っていたが、椅子は丁寧に埃避けの下へまとめて置かれていた。
机、椅子、窓。それ以外に存在しないそこそこな広さの空間。私達はそこで椅子を出し、机を拭き、掃除機をかけた。最後に仕上げとして小さなバスケットを持ってきて、いくつかの菓子を入れた。
ふぅ、と外に出て自身の荷物がある仕事スペースまで歩いた。
「ちょっと待って!左君!!もう時間だから!出迎えは空がやるから!!」
その声が届いたタイミングはとても悪かった。空との鉢合わせ、それに重なって転送されて来た人たちとも目が合う。彼女の声は美しく響き、私の耳ではっきりと聞き取ることができた。
他国の人達は「楽しそうで賑やかな職場ですね、うらやましい限りです。」と笑ってスルーしてくれた。私も、はははと笑う。
空は「応接間までご案内します。」と言って、彼らを先導した。そして私はその集団の後ろを着いて歩いた。
部屋までの到着はあっという間で、空は彼らを部屋に入れて「では。」と立ち去った。
挨拶が交わされる。私は何食わぬ顔で語里、玉石の隣に移動し、彼女らと同タイミングで礼をした。
そこからはあまり分からない話が30分、1時間と続いたのだが、私にパスが回ってくることは無かった。それでも、話は上手くまとまったようで、その場は両者の深々とした礼で閉じられた。
彼らが帰り、玉石は私に言った。
「おっつかれ~!左君、今日。さいっっっこうだったよ!おかげで場が初めっから和んでいて、穏やかな話し合いができたよ。話してた内容はわかんなかったと思うけど、後でデータ庫に送られるからゆっくり見てね☆じゃあ解散っ!今日の仕事終わりっ!さよなら~」
何もしていないのだけれど…と卑屈にはならず、私は役に立てたことを誇りに思い、前向きな心を保った。彼女は帰ってしまったが、私は語里と部屋を片付けてから帰宅した。
読んでいただきありがとうございます!
復活してきた気もします。
話は変わりますが、某テストの評論を解いてみましたが、結果0でした。
むなしい。




