外店
卒業した次の秋のことだった。その日まで私は収入を得ることがなく生活し続けてきた。
毎日、両親から来た催促を無視して外店を巡る生活。不服ではあったが、嫌いではなかった。外店には多くの外国のものが売られている、それを見て外国の情報をチェックするのが私の日課となっていた。それに外店は、不人気であるがために私の快適に過ごせる場所の一つであった。
その日、いつもの外店から出た私は突然知らない男に声を掛けられてしまった。
「君、外国に興味があるんだね、珍しい。正義かい?それとも悪かい?」
嫌味のような言葉、答えられない質問、無視を決め込むのは気が引ける。どうすれば最も穏便に済ませられるのか、必死に考えを巡らせたが答えは出なかった。
「正義、です。今日は休暇ですけど。」
私は嘘をついた、初めての嘘だった。それでも、その覚悟虚しく、彼は疑うような表情で私を見つめて言った。
「自分、悪なんで。今からこの店つぶすんだよね。指くわえて見ておいて。」
それを聞いて、自身の感情が怒りで染まっていくのを感じた。
特訓はした、学生の頃だけだが。
戦術も学んだ、学生の頃だけだが。
だとしても立ち向かわなければならない瞬間は今であると思った。私は足音を消し、拳を振り上げて近づいた。そして手が届くようになったタイミングで振り下ろす。
「正義というのは本当の話だったかい?」
彼は何の脈絡もなく話し始めた。
「正義も悪も休みについて働いてから初めて詳しく教えられる。休日には活動してはならない、目の前の行動をも見逃さなければならない。それを知らなかったということは、君は無所属で間違いないね。有無は言わせない。そんな無所属の君に就職のお誘いが来ているんだよ、これから自分が行く場所へ着いてくることがその条件でね。」
どこか狂気を感じさせられるような冷たい眼で私をじっと見る。私は雰囲気にのまれ、いつの間にか彼に言われた通りに従い、知らない路地を潜り抜けた先にある一棟のビルが目の前に聳え立っている状況となってしまった。何の変哲もない、いわゆる"よくある"ビルだとは思うのだが、後戻りをしようとしてもできないほどに、そのビルは私を引き付け魅了する。そうして彼に連れられて、私はビルの中へ入った。
読んでいただきありがとうございます。
時間が遅いのは単純にだらけていただけです…
早い時間に出せるよう努力!




