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出来レースなのだろうか

浮遊感がある。下を見れば、倒れた私の身体と高笑いをする男、取り囲んで落胆する市民。完全なる敗北だ、こんなことになるならそばを食べておくべきだった。

…、…。

痛っ。

突然頭をぶつけた。慌てて瞑っていた目を開き、上を見た。壁だった…壁というか天井だった。私は周りを見渡した。広がるのは見知った光景。懐かしいなんてものでは決してない、それこそ数日前に来た程度なのだから。回生部署だ。なぜ回生部署にいるのかはわからないが、私の身体と魂は瀧見に戻ってきているようだった。本当に違和感しか感じないのだが、とりあえず今は蘇れるなら万々歳だ。

私はあの汁が付いた手で直接触れられた。その部分はとてもヒリヒリとする。しかしそれも蘇るための工程、甘んじて受け入れよう。私は死にたくないんでな。

魂が実体に戻って浮遊感が消えていくのを感じる。身体にぴったりとハマるには少し時間がかかっているが、それでも身体が私の手に戻ってきたことだけは確かだ。3秒経ち、地面の感覚がはっきりとしてきた。そして目を開けば前にはあの男がいる。だが、私に対抗策はない、また弾丸を放たれれば死ぬだろう。

死んだふりをするか迷ったが、とりあえず起き上がった。悲鳴があがった。

「お…おい…、さっき急に消えた死体が現れたうえになんで動いてんだよ!意味…わかんねぇよ!」

またあの男は銃を取り出し、こちらに銃口を向ける。

どうにでもなれ、そんな気持ちで私は立ってから左右に揺らすように距離を詰めに走った。

男は撃たなかった。冷静に狙いすましている訳でもなさそうだ。そのまま当たる距離で拳を振り下ろした。彼は無抵抗のまま叩かれ、その場に倒れ込んだ。

歓声はない、私を褒めてくれる声もない、皆唖然と私を見つめている。次第にこの気まずさをなくしたくなった。私は走って蕎麦屋に戻った。

幸い、蕎麦は出来上がっていなかった。私は席に座り、店員に「急な仕事でした」と、説明してそばを待った。

「お待たせいたしました、ご注文の蕎麦三つです。伝票はこちらに置いておきますね。」

店員が去り、そばを啜った。その味は私の好みドストライクで、そのうえ食感はこれまでの食と一線を画している。私は瞬く間に虜となってしまい、出された蕎麦をものの数分で平らげていた。

会計を終え、駐在所に戻る。私はスリベリルに一言、「戦闘後の食事は美味しいな。」とだけ述べて、戦争の噂がないかを街中で探ったが、それっぽい情報は一度も耳にしなかった。

時間は刻一刻と過ぎていくが、戦争らしき言葉は聞くことがなかった。その代わりとは言えないが、途中でコンピュータの使い方を聞き、トラブルが起こっても地震で対処できる程度にはなった。

その成果で、私は御衣の担当者にメールを送った。


相談事がありますので、本部を訪れる予定です。知っておいてくださいね。


そして私は今、その本部にいる。

私は守衛に挨拶を交わすだけ交わして侵入した。本当は情報を盗むだけ盗もうと思ったのだが、残念ながらそうはならないようだ。入った途端、御衣の首相が私のことを迎えた。

「右様、よくいらっしゃいました!ささ、こちらでお話をいたしましょうか。」

そう言って私を先導して二階まで登り、右に曲がったところにある部屋へ二人で立ち入った。

私は先陣を切って話す。

「私、国ではかなり融通が利くんですよ。そこでなのですが、蕎麦屋をいくつか置きませんか?免税で、かつ売り上げの100はそちらで構いません。それに一年で3億牢は固い、いや、商業眼を持つ私が確約いたします。3億牢稼ぎましょう。」

「それはかなり好条件ですが、こちらに不利益がないように聞こえたのですが、それには何か必要なのですか?その、事業前金と言いますか、なんというか、お金の方は…」

掛かった!私はそう思い言葉を返した。

「何か引け目を感じていらっしゃるのでしたら、お金は結構ですので情報をいただけませんか?例えば、戦争を始めようとしている、とか?」

首相は困惑した表情を見せた。そして言った。

「…戦争ですか。前の戦争から長い時間が経ちましたので、そんなことは微塵も考えておりません。市民も戦争なんて、もはや知らない方までいらっしゃるほどにうちの国はぼやぁっとしております。そこで暴徒が現れればひとたまりもないと思い、私達は打診したまででございます。では蕎麦屋の件は瀧見へお送りいたしますので、売り上げの方は何卒。」

私は御衣を信じ、本部を離れ、駐在所に行き、すぐ離れ、国を離れて瀧見へ帰った。

読んでいただきありがとうございます!!


令嬢系が書きたくなってきました。

辞すると言った手前撤回はできないので途中で供養します。

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