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57/57

57 [完結]

57 番外編


*.✿.あの日のこと.✿.*



私は淳子さんとの衝撃的な対峙を終えた日の夜、唐突に匠平さんに対して

試し行動をしてしまった。



くだらない質問をする私に失望し


『そんな女とは別れる』

と言われてもしようがないことを質問したのだ。


私は『もしも……』という言葉で質問を重ねた。



でも、彼の答えはある意味衝撃的だった。



それは夫でもあり、兄であったり、父親であるならそう言ってくれるだろう

言葉だった。


それは私が考えていた以上の深い愛の言葉だった。


この一連のことがなければ、私は一生匠平さんからもらっている愛の深さを

知らずにいたかもしれない。





           ********


私は、

女性の身でありながら……

伴侶のいる身でありながら……


飛び込んではならない領域に飛び込み、あらぬ経験を積んだ。



堀内くんが私の決死の意を汲んで施してくれた施術は、本番ではなくて

本番を模倣したような『素股(すまた)』なるものだった。


私はあの時、実は何が起こっているのか分かっていなかった。


支払いも済ませた後で、堀内くんが追いかけて来て説明してくれたことには……。


「加納さん、びっくりされましたか?」


「今さっきのは……」


「『素股』と言って、形だけ本番のようなというか。

男性はこれである程度欲を解消できますが、女性はどうでしょうね。


(太腿)の内側が痛いだけかも……。不安ありましたでしょうか? 

これは信頼できる相手(パートナー)でないとかなり危険かもしれません。


そのまますんなりと本番へ行けますからね。

それとやり方を間違えると妊娠の可能性もありますから」



「えっ? そんなことってあるんですか。考えられないけど」


「医学的に産婦人科医が危険、危険と信号出してますから、

そういうことなのでしょう」


「堀内さん、私妊娠までの覚悟はできてないのですが、もしそうなったら

どうすれば……」


「大丈夫です。ちゃんとフォローしてますから。

それにそうなった時は僕の責任なので認知させていただきます」


「えーっ!」


「はははっ、大丈夫ですよ。ご主人と早く仲直りできますように」




そう言って踵を返し店に戻って行く堀内くんの背に……


「ちょっ、ちょっとぉ~お兄さん、何してくれちゃってんのぉ」


と私は小さく吠えた。










   ――――― お―――わ――――り ―――――――





皆さま、この度も最後までお付き合いくださりありがとうございました。

           


次の連載作品は『夫のことが好きなのに*.✿.*』になります。

引き続き宜しくお願い致します。❀設楽理沙❀



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