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聞くところによると、工藤家はほぼほぼ匠平のところと似たり寄ったりの状況ゆえ

再構築を目指していたようだが、今回加納家が同じような目に遭っていたことを

知るにつけ、更に夫の主張を信じることができるようになり、夫婦仲は元に戻り

つつあるそうだ。


そしてもう一組の菊池家では、淳子に嵌められたのは同じだったのだが

そのあと2回、最初の1回と併せて計3回、誘惑に負けて淳子と致してしまい、

こちら(菊池夫)は妻から三行半を突き付けられているらしい。


           ********



三行半を夫に突き付けている菊池貴子は先ほど留飲を下げる前に、ちゃっかりと 

結婚する気で座っている小泉を目にした時、よくもまぁ、よその家庭を壊して

おきながらいけしゃあしゃあと、高学歴、高身長のイケメンと結婚しようとして

いるのかと思うと発狂しそうになっていた。



側に誰もいなければ、そして小泉のした悪事と相殺されるなら自分は彼女に

気硫酸をぶっかけてやりたかった。


それくらい自分には彼女への憎しみがまだ消えていない。

冷静に話せた自分を褒めてやりたかった。


そして、自分は被害者であると、堂々と妻たちに話していた夫を持つ

工藤や加納の妻たちが羨ましくて堪らなかった。


『私の夫は最低だ』

悲しくも零れ落ちた言葉ひとつ。



これから自分の心と同じように季節も寒い季節に向かうけれど、暖かい季節を

迎える頃には元気になっていると信じて進んで行こう、そんなふうに帰り道、

貴子は 思うのだった。





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