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「まずメールをどうぞ」

――――

・『お久しぶりです。先日は松尾さんがお世話になったみたいで……』

・『私たちの結婚を反対しているわけじゃないけど彼のご両親が用心深くて、

 私のことを調査すると彼に勧めているらしくて困ってるの。

 どこの誰とも分からない調査員にいろんなところに出向かれて根掘り葉掘り   

 聞かれたりして調べられるなんて私、気持ち悪くって……』


・『だから、圭子ちゃん私の事を学生時代からの友人で悪い人間じゃないって  

 ことを彼と彼のご両親の前で証言してくれないかな。宜しくお願いします』 ――――

『ご無沙汰してます。そんな大事な案件に私が立ち会うわけにはいきません。

力不足なのでごめんなさい。

P/S:そういうことでしたら、親友的立場の人に頼んだほうがいいのでは

ないですか』



「松尾さん、それからこちらをどうぞ」

 ――

「昨日の件、考え直してくれない? 私困ってるのよ」

「私には荷が重すぎます。誰かもっと親しくしている人に頼んでください」

「何よ、もったいぶらなくたっていいじゃない。私があなたの旦那から言い寄られたからって逆恨みするのは()めなさいよ」

「……」

「また来るから。よく考えておくことね」――



「そしてこれが二度目の来店時のものです」

 ―――

「そっちがその気ならいいのよ~。私にも考えがあるんだから。

こういうのはどうかしら。匠平くんの会社に乗り込んで行って彼にレイプ

されたって(みんな)の前で大声で言うわ。どう……いいの?」

「分かりました」

「そうこなくっちゃ。最初から素直にそう言ってくれてたら私も嫌な事

言わなくて済んだのよ。私が今言ったことは本気じゃないから忘れて」

―――



私は淳子さんの顔は一切見なかった。


万が一淳子さんに視聴を邪魔されそうになったら、匠平さんに

止めてもらうことになっていた。


映像と音声を聞いていた松尾は余りの淳子の言動に度肝を抜かれていた。


そう、そこ(スマホの中)には自分の知らない人物がいたからだった。


この時、淳子は憤怒の様相で唇を噛み締めていた。


淳子は圭子を甘く見過ぎていた。

こんなにもはっきりとした形で攻撃されるとは夢にも考えていなかったのだ。


圭子の持つスマホ目指して飛び掛かり破壊してやりたかったのだが、

隣に座る匠平の存在がそれをさせてはくれなかった。

            

            


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