表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/57

46

46


「へぇ~、やっぱり知り合いだったんだ。世間て狭いよね~」


「そうですね」


私は自分の口の軽さを呪った。


どこそこのと具体的な名称を出さずに、ただ引っ越してきたという話をすれば

よかっただけなのに、なまじリアルなマンション名を出して身元がバレるような

ことをして、あぁ、私ったらプロ失格じゃない。


そう思い至り圭子は凹んだ。



「それでね、僕はもう小泉さんと結婚しようって決めてるんだけど親がね、

心配性なものでプロポーズに待ったを掛けられてるんだよな」



「ご両親は何て言ってらっしゃるの?」


「興信所を使って彼女の素行に問題がないか、調べてからにしても遅くないと、

まぁそんなふうに言ってる」


「松尾さん、後顧の憂いなくご両親にも祝福してもらって結婚されたほうが

いいと思いますよ」


「それってやはり、調査したほうがいいってこと?」


「ご両親を安心させてあげてください。親孝行だと思って」



「何か反発心が湧いて、何なんだよ人が決めたことに文句付けるなんてっ

て思ってたけど、渚ちゃんにそう言われると不思議とあぁそうだなって

納得できるわ。相談してよかった。ありがとう」


「いえいえ、どう致しまして」


「ところで、ちなみに渚ちゃんが結婚を決めた時って旦那さんの身元調査なんか

したのかなぁ?」


「うちは、同じ会社の同僚だったし恋愛だったので、全くそういうのは……。


両親も何も言わなかったですし。


でも、お見合いだったらうちの両親も松尾さんのご両親と同じ提案を

したかもしれません。

何年も側で見ていて、その人の人となりが分かっているわけでは

ないですので」



松尾さんは、私と結婚相手について話せたことで拗れていたであろうご両親とも 

揉めずに済みそうな手応えを感じたみたいで、その表情は明るかった。


あとはもう、北村さんや詩織さんとの会話に合流して楽しいお酒になったみたいで

良かった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ