表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/57

4

4

◇不信感


『あの人とは余り深入りしないほうがいいかもね』と、夫も言ってるくらいだから

もし、直接淳子(あつこ)さん本人から誘われても行かないよね? 匠ちゃん。



それにしても……と、圭子は思った。


これまでにも淳子から夫の匠平のことを羨ましがるような発言はあったけれど、

今日みたいに夫の良いところを細かく指摘されたことはなく、普通に社交辞令と

して聞き流してきたのだが、今更に少し嫌な気持ちになった。



それでも、突然前触れもなく夫に対して先日の礼を放ったりというような淳子の 

言動がなければ、そこまでの嫌悪感は生まれなかった(持たなかった)かもしれない。



そんなこんなで、モヤっと形にならない不安が圭子を襲うのだった。


彼女がご主人の不倫で離婚していること、住宅という高額な買い物をして毎月

キツい住宅ローンを抱えていること、おそらく額にして3800万円~4000万

円近くのローンがあるのではないだろうか……世の夫たちが払うのでさえ大変な額

のローンを抱えていて、今度は返済のため自宅でマッサージサロンのようなものを

始めていること、収入が激減していると話していたことなどが、胸に刺さり引っ掛

かりを覚えてしまうのだ。



淳子の話は、いくら考えても身の丈に合ってないように思える。

ふと圭子は自分が今の淳子の状況になったらどうするだろうと考えてみた。


分譲マンションを賃貸に出して自分は家賃の安いハイツかアパートに移るかな。



それなら夜職しているのだから余裕でなんとかなるんじゃないかしら。


彼女の話からざっと算出すると、実質手元に残るのが、生活費や必要経費など

差っ引いても55万円前後になるみたいで、目減りしたとして今これが40万円

と考えても、賃貸料-家賃=13万~15万収益として残るのだから、手元に

残るのが53万~55万でしょ。余裕でローン返せるんじゃないのかな。



残ったお金は失業したときのために貯金するとかして。


自分は未経験者だし多くの事例も知らず、声を大にしては言えないが、例えば

お金が溜まった時にパッとまとまった額を一気に返済してしまうという方法も

あるというのを聞いたことがある。



また、人によっては利息が低ければローンとしてできるだけ長く借りて長期戦で

払った方がいいと考える人もいるようだ。



まぁ、私たちの住んでる物件は、駅近で人気があり、このご時世でも販売価格が 

高騰しているので、最悪売ってしまえば生き残りの方法はあるのかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ