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そして更に翌週の水曜日、私は堀内くんを指名してマッサージを

受けに行った。


「こんにちは」


「ありがとうございます。お待ちしてました、さっどうぞ」


今回私は上半身は他の人と同じように半裸で、そして下は短パン型の

ショーツで臨んだ。まずうつぶせ寝になる。



少しオイルを垂らし滑りよく首や肩から順に凝りをほぐしてもらう。


「気持ちいいです」


「そうですか。そう言っていただけると施術のし甲斐があるというものです。

今回も頑張らせていただきますね」


気持ち良さに時々、吐息を吐きながら私は堀内くんに話し掛ける。


「堀内くん、私のこと変なヤツだと思ってるよね? 

分かんないヤツって思ってると思うんだけど……。

私ね、考えなしでここに来ているわけじゃないの。


じゃあそれを言語化しろと言われれば、途端に朧気なものになり

雲散霧消してしまうのよね」



「僕、心理学を少しかじっているので、じゃあ、こうしましょう。

切り口はどこからでもいいので、施術中に話せそうな部分から話して

みてください。胸の内にある吐き出したいことを……。

加納さんが言語化できるようお手伝いします」



「私の知り合いが男性用とか女性用とか分けてるわけではないみたいなんだけど、

副業として自宅を開放してアロママッサージのサロンを始めたの。


私自身にも声が掛かってたんだけど……いつの間にか私が自宅に居ない日を

見計らうようにして夫を別の用事で部屋に呼びつけて、そのまま上手い具合に

マッサージする流れを作って施術した……っていうか、強引に夫と合体したの。


夫に彼女と合体する意思などなかったわけで、そのあとは極力彼女との接触を

避けてたらしいんだけど、後日、凝りもせずまた彼女が夫を誘ってきたみたいで。


それで少しも気持ちのない夫が即効断ると、合体したことを私にばらすと

脅してきたらしくて。


それならと、流石にその女性から私に話をされるより自分からちゃんと

正確な情報として私に話しておかなくちゃってことで、夫からその日

起きた一部始終を話されて……。



 夫としては、彼女からの二度目の強引な誘いがなければ、その日起きたことは

私には知らせず、墓場まで持っていくつもりだったと言われたわ。


夫は嵌めたられただけで、自分の意志は微塵も入っていないから悪くないって

頭では分かってるんだけど、心? っていうか、気持ちが追い付いていかないの。


で、ずっとモヤモヤした気持ちがなくならなくてどうすればって考えてたら、

兎に角私もアロママッサ―ジ受けてみようって考えるようになってたの」





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