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「どうした?」

「えっ、何が?」


話す切っ掛けを探していたら、匠平さんから『どうした?』って言われた。


「何か、さっきからずっと俺のこと見てなかった? 

視線を感じてて、何か話したいことでもあるのかなって」


「匠ちゃん、すごい。

そうなの、実は話したいというか、話しておかないといけないというか」



「そりゃまた、ややこしそうなことなの?」


「仕事……」


「仕事?」


「うん、私、週3で働こうと思ってるの」


「それって、何の仕事?」


「カラオケ店のスタッフ」


「時間帯は?」


「20時から3時間? ほどかな」


いえ、もう決めてきてるんだけどそれは秘密。


「まだ未紗も小さいし、働こうって思ったのは例の件が原因なのかな?」


「……それだけが原因じゃなくて、ほら、今の時代何があるか分からないじゃない? 

もしも、もしも……よ、匠ちゃんが病気になったりする可能性もあるわけじゃない? 

その時に、奥さんが仕事持ってたら安心でしょ。

そういう意味もあるの」



「ふ~ん。ところでその間、未紗はどうすんの?」


「お母さんに預けて行くつもり。

匠ちゃんの食事はちゃんと作ってから出掛けるつもりよ。

温めてもらわないといけないから、少し面倒かけちゃうけども」



「分かった。

でも無理になったらきっぱり辞めること、これを約束してほしいな」


「うん、分かった。ありがとう」



このあと、私はトイレへ行くふりをして、洗面所へと向かい鏡を見ながら

ガッツポーズをした。


『ヤッター』


良かったぁ~。


絶対反対されて二人の間が拗れるかもしれないって思っていたから、

ほんとにほっとした。


肩に力が入ってたみたいで少し肩が()ってしまった。


           ********


仕事を始めて2か月目に入った頃、夫が週一で実家に一泊してきてもよいと

提案してくれた。


ただし、土・日はなるべく一緒にいたいから水曜日の泊まりでどうだろうか、と。


思わぬうれしい提案に、圭子は一瞬離婚が揺らぐのだった。

まぁ、モヤモヤ感が未だ拭えないとはいえ、決定というわけでもないのであるが。



以前からある目的のためにどうやってその時間を捻出しようかと思案していた

圭子にとってそれはとんでもなく朗報だった。


圭子の考えている目的……それは自分もアロママッサージというものを一度

経験してみようということだった。


********

体験する前にインターネットで下調べしたけれど、触れなくていい場所を

触られたり怪しさ満載で、ホテルでの出張マッサージに至っては挿入まで

されたという話もあり、淳子がしているようなことは男女入れ替わっても

この業界では当たり前のようにあるのだと知る。 ********




そういうこと込み込みで行く場所ということなのだろう。


男性の力強いマッサージを受けたければ、アルバイト料を払って

旦那さんにしてもらうのが一番いい方法なのだろうと思えた。


もしくは、旦那さん同伴で見てて(見張って)もらう中で施術を受けるか。


本当に凝りや疲れを安心して取りたければ、女性スタッフのお店に

行くしかないと結論付けた。



   ―――――――――――――――――――――――


  ◉ ********の記述はフィクションです。

    事実かどうかは想像の域でしかありません。


    私が小説を書くにあたり、参考にさせていただいた

    お店は、安全な店舗(本番無)ではないかと思いました。

    お互いの合意ありきでは、ありそうに思えましたが。

    わたくしの妄想かも。 

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