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両手にいっぱいの幸福

作者: 佐々木 龍

君は人を殴った事があるかい

僕はあるよ

人を殴るとどうなると思う

それはね

自分を人間だと思えなくなるんだよ

だからなるべく人を

殴らないでいられるように

生きてゆかなくてはいけない

争いの場を避けて

見てみぬふりをするんだよあらゆる

悪い事にたいして

そんなもの無いのだと思い込むように

つとめるんだ


そうすれば君の両手は綺麗なままで

いられるんだよ

綺麗な手には幸福がたくさん

たくさん握られていて

きっとその人には後光が差していて

その顔は光り輝いていて

ヨゴレた人間たちはその顔をまともに見る事さえできなくて

俯いてしまうんだ


だけど一度でいいから僕に

尋ねて欲しい

僕がなぜ人を

殴ったのかを

それを聞いてくれさえしたなら僕は

僕自身を

人間だと思えるだろう

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― 新着の感想 ―
[一言] 自分が許せない人の善人へのあこがれと嫉妬を強く感じました。 視野の狭さと視野がこんなに狭くなるまで追い込まれている切実さが苦しかったです
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