表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い花の木  作者: 一橋冬
7/7

赤い花の木

リアは水晶の森の中で泣いていました。


また居場所を失った悲しさでいっぱいのリア。

夜になって、とうとう涙が涸れてしまいました。


リアは赤くなった目を拭い、歩き出しました。


泣くだけ泣いたら行動するのがリアです。

おばあちゃんが病気の時も、薬草を取りに行く前は泣いていました。


「おばあちゃんに謝ろう」


その一心でリアは歩きます。

急に城に行ってしまったこと。

それから連絡も何もしていなかったこと。


謝りたいことはたくさんあります。


月明かりを反射する水晶の木の間を歩いていくリア。


と、その時。

ふわりと、青い青い光が見えました。


暗い森の中の、か細い光。

幽霊かと思ったリアでしたが、光に向かって走ります。

幽霊なんていないと、おばあちゃんが言っていたからです。


だんだん近くなる光。


そこには、たくさんの水晶の木でできた、かまくらのような物がありました。


入り口に、青い光のカンテラが置いてありました。


そっと入り口から中をのぞくリア。

中には、おばあちゃんがいました。


「おばあちゃん!」


「リアなのかい!?」


驚くおばあちゃんに抱きつくリア。


「ごめんなさい、本当にごめんなさい!」


リアは謝りました。

歩いている間に頭の中で回っていたことを、全て謝りました。


その間おばあちゃんは、相槌を打ちながら聞いてくれました。

そしてリアが謝り終わったとき、おばあちゃんは言いました。

「素直に謝れるのはいいことだよ、リア。実はリアに謝らなければいけないことがあるんだよ。」


ひとり立ちできる年齢になった子供達は村に行かせたのではなく、村に奪われたこと。

けれど全員、幸せに暮らしているということ。


そして、家を追い出されたこと。

今はここ、龍の住処で暮らしていること。


「そんな……でも、みんなが幸せなら良かった!」


リアがおばあちゃんと笑いあったとき、龍が帰ってきました。


「久しぶり、それと…ごめんなさい」


「ちゃんと謝るのはいいことだ。」


龍がおばあちゃんと同じことを言うもので、おばあちゃんとリアは顔を見合わせ笑ってしまいました。


「それより、もうすぐ日の出だ。見に行かないか?」


こうして、龍とおばあちゃん、リアの3人は外に出ました。

そこに広がるものは、


「綺麗……」


いつか見た時より、もっと赤い花の木々でした。


優しく暖かく、それでいて決意させてくれるような、真っ赤な花でした。




それから3人は旅に出ます。

まだ見たことのないものを探しに。

旅をするリアの中には、あの日見た赤い花の木があるのでした。










思ったより長くなりました…

読んでいただき、本当にありがとうございます!

この後3人がどうなったかなどを想像してもらえると嬉しいです!

(良ければ評価もお願いします!)


一応、それぞれの探しものを書いておきます!

(他にもあるかも…?)


リア・薬草、居場所、見たことのないもの

おばあちゃん・龍、リア、見たことのないもの

龍・おばあちゃん、(苺ジャム)、見たことのないもの

王・食べ物、息子(王子)の結婚相手

王子・自分が結婚したい人、恋(とは何か)

教育係セユン・恋、結婚相手

子供達・家族、居場所


こんな感じです。

探しもの……?となる物もあるかもしれませんが、気にしないのが吉です。スルーが大吉。花丸あげちゃいます。


長々と書き連ねましたが、読んでくださって本当にありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 善意が必ずしも報われるとは限らないのが辛いですね。 それでも自分の心をわかってくれるひとがいること、寄り添える相手がいることは、リアにとって何よりの幸せだったのかもしれません。 辛と幸は似…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ