悲しみ
「どういうこと?」
王子にそう言われたリアは、涙をぽろぽろ零しながら聞きます。
リアは、自分が既に王子と結婚していると思っていたのです。
「さっきも言っただろう?他に結婚したい人がいるんだ。」
いつもと変わらない王子の笑顔。
けれど、何かが違いました。
「私のこと、嫌いだった?」
王子には、何を言ってもどうしようもないと感じたリア。
でも、これだけは聞きたかったのです。
「好きだったよ、一応。」
たった一言、王子は言いました。
それっきり、リアは黙り込んでしまいました。
「お話は終わりましたか?」
美しい女性が入ってきました。
セユンです。
「ああ、セユン。」
王子はセユンに笑いかけると、リアの方を向きました。
「セユンこそ、本当に結婚したい相手だったんだ。君の教育係として能力を見てもらっていたけれど、君には才能がない。」
リアは水晶の森に捨てられました。
迷いやすい森だからです。
一方で、おばあちゃんの方でも悲しいことが起こっていました。
近くの村に育てていた子供達を奪われ、子供達は戻ってきません。
そして、「龍を従える魔女」として、家を追い出されてしまったのです。
リアが王を助けたことで貰った宝も、全て取られて。
「私が、何をしたというんだい?」
龍に支えられながら、なんとか歩いていきます。
龍の住処のある、水晶の森に。
次で終わると思います!
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