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赤い花の木  作者: 一橋冬
3/7

驚き

「お前か、苺の匂いの正体は。」


龍が、立っていました。

リアの何倍もの体は、透き通った水晶の鱗でおおわれています。


リアは震えながらも、なんとか苺ジャムの瓶を出します。

「これ………どうぞ」

リアが瓶を差し出すと、龍は器用に前足を使って蓋を開けます。


そして苺ジャムを食べた瞬間、龍は驚きました。


()()()()


それは、昔のこと。

龍はある国から、生贄を捧げられていました。

その中に、苺ジャムを持った少女がいました。

それを食べてから苺好きになった龍は、まだその味を覚えています。

このジャムは、その時の味でした。


「これは誰が作ったのだ」


「おばあちゃんと、私です」


「おばあちゃんの所に案内しろ」

龍はそう言ってリアを前足でつかみ、上に乗せます。


そのままばさりと翼を広げ、空へと羽ばたきました。


リアが一生懸命に歩いた道をひとっ飛びして、おばあちゃんの家に着きました。


「おばあちゃん!」


家の中に入ると、おばあちゃんがベッドに横たわっていました。


「今すぐ薬を作るから、待っててね」


リアは薬草を煎じて、おばあちゃんのもとに持ってゆきます。

薬を飲んだおばあちゃんは、すぐに血色が良くなりました。


良かった…と、泣きじゃくるリア。


間もなくおばあちゃんは目を覚まし、リアの背中をさすってくれました。


「ありがとうね、リア。本当にありがとうね」


その目には、光るものがありました。



その時、白髪の、おそろしく顔の整った男性が入ってきました。


「やっと見つけた、メイア」


おばあちゃんを見てほほえんだ男性。

おばあちゃんの顔に衝撃が走ります。


「もしかして、あのときの龍なのかい?」


龍が探していたのは、おばあちゃんでした。


そしておばあちゃんも、龍を探していました。


それぞれの探しものが見つかり、龍とおばあちゃん、そしてリアは幸せに暮らしました。


いつまでも、ずっと。

















































これで終わると思ったら大間違い。






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