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体制

「はぁ…疲れた。」

長時間のデスクワークから解放された広樹は、

椅子に座って目を抑えていた。

机の上には大量の書類が置かれており、

それは全て共和国の政策に関する重要なものであった。


広樹は後ろの本棚を動かし、棚を開けて金庫を出す。

ポケットにある鍵を使って金庫を開け、

大量の書類をその中に入れた。


外を見ると陽は既に昇っており、

朝陽が広樹の執務室の中を照らしていた。

ぐーっと背伸びをして椅子で少し仮眠を取ることにし、

広樹はゆっくりと目を瞑った。


「…はぁ。」

広樹が目を覚ますと、目の前に食事が置かれていた。

パンとサラダのみの朝食を取り、広樹はパンの皿を自分の前に持ってくる。

広樹がふとお盆のパンがあったところに目をやると、

そこにはピンクの綺麗な紙が置かれていた。


『親愛なるレーヌ・アルフレッドへ


貴方の妻として、戦友として私は手紙を書かせていただきます。

政策において最大限昔の貴方が望んでいたのは、

共和国の発展と人々の幸福です。

私はブリトン立憲王国の女王として

人々の幸福の為に貴方に信任を置いて統治をしてきました。


今回の私の助言に、耳を貸してくださったことを感謝します。

共和国の更なる統合と、共和国の安寧の為に、

これからも貴方を支援し続けます。

私は、貴方の言う『ラテニア共和国』の夢を共に追いたいです。


ブリトン全国民の王 ジェネリア・エクセン・ブリトン。』


その紙を見て広樹は何も言えなくなった。

確かにブリトン王国の立場では広樹はジェネリアの下である。

彼女は王として広樹を信頼しているのに、

広樹自身は信頼を裏切るような行為をやってしまったことを反省する。

ジェネリアの懐の深さに感謝して、広樹はまたやり直そうと決めた。


「すまない。少し遅れた。」

広樹は会議室に入るなり、そう言って謝罪する。

会議室の金色の椅子には既に全員着席しており、

広樹は中央の赤い椅子にゆったりと腰かけた。


「まずは政策の大転換を行う。

経済統合をもっと緩やかに、打算的に行おうと思う。

これは全て、私含む全世界の夢である『ラテニア共和国』の再興に向けた行動だ。

この政策は絶対に変えることはないと思う。


しかし更に各国が納得する形で、強引なやり方を否定する。

平和な世界の統合の為に、我が国は人々の支援を得る。

共和国の更なる強大化の為に、まずは眼下の敵を滅ぼしにかかるぞ。」


「…ってことはノラミア帝国の破壊か。

コンスタンティーナの陥落は難しいのではないだろうか。

あの要塞はハインリヒ大帝による破壊の後、神聖帝国に修復され、

更にノラミアが奪い取ったわけだからな。」

和也は優しい、穏やかな声で言う。


「あぁ。そうだ。

しかし作戦はある。海軍で海上封鎖をするんだ。

その為にはまず南の海峡を陸からの攻撃で落とし、

対岸にあるであろう要塞を大砲で破壊する。

そして安全に…ってまぁこれは後で参謀本部とかで話し合うことだな。」


「じゃあ取り敢えず派遣する軍隊の量を決めるか。

俺的には追加で3軍を送りたいと思う。

第1、第2、第3軍をルメリ半島に派遣し、

彼らがコンスタンティーナ陥落の主力となるだろう。」

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