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コミューンの終焉

こうしてたった一瞬にして敵の指揮統制を破壊し、

陣で寝ていた兵たちおよそ500を全て闇へと葬った。

広樹は更に街の奥へと歩み、月が昇るころには宮殿へ足を踏み入れた。


「ここが敵の牙城だ。

分かっていると思うが、最大の警戒をして入るように。」

広樹はそういうと門の前の2人の見張りを射抜き、堂々と玄関から入っていった。


宮殿内、大広間にて…


「…このまま我々は負けるのか?」

そういってネストルは肩を落とす。

せっかくソレルと築いたこの国、思想が、たった1人の男に敗れてしまう。

殺された彼の理想を、戦争を引き起こした支配者の手によって崩される。

ネストルは机を叩いて煙草を吸った。


「ネストル様!敵軍が夜襲を仕掛けてきました!

周辺にいる部隊に只今援護を要請していますが、連絡がつきません!」

「なんだって…ついに来たのか。

よし。ここにいる者たちで応戦する!今からここは戦場になるぞ!」


広樹は部屋を一個一個制圧し、制圧した部屋のドアを蹴破らせた。

そうしていると遂に、敵が廊下の奥からこちらへ向かってきた。

「来たか!お前ら、やっちまえ!」

広樹は近くにいた兵たちを呼び、自身も前に出て敵を斬り伏せた。


敵は幾度か波のように押し寄せたが、精鋭たちに適うはずもなく。

各個撃破されてどんどん数を減らしていった。

広樹は数人を引き連れて2階に駆け上がると、前にある大きなドアを蹴って開けた。


「お前がレーヌか。」

ドアを開けた先にいる1人の髭を蓄えた大男に話しかけられ、広樹は少したじろいだ。

それと、すぐに自分の正体を見破られたことにも驚いた。

しかし数々の修羅場を切り抜けてきた広樹はこの程度で引かなかった。

「あぁそうだ。お前こそコミューンの指導者のようだな。

さて、政府に叛逆した理由を教えてもらおうか。」


広樹は持っている剣を震わせながら、彼にじりじりと近づいていく。

彼は椅子に腰かけると、煙草を吸い始めた。


煙草を吸い終わった後、彼はゆっくりと口を開いた。

「俺はただ、平和を目指していただけなんだ。

戦争を繰り返すお前より、平和を目指すコミューンの方がいいだろう。

ベレーの奴は例外だ。あれはただの戦争狂だしな。」


彼の落ち着いた低い声を聞いて、広樹は少し冷静になる。

「レーヌの統治政策は決して悪いものではなかった。

しかし戦争を繰り返したという点では君はただの悪徳支配者だ。

では君に聞こう、民を思って、戦争をしていたのか?」


「…そうだ。世界を支配してしまえば、その後戦争はなくなる。」

広樹は嘘をついた。


広樹の最大の目標は、現代に帰ることである。

その為には少なくともあの女に認められ、功績を残す必要があった。

一番簡単に功績を残す方法。それは戦争だった。

戦争で自分の名声を高め、利用されているように見せて利用し返す。

これが広樹の書いた勝利のシナリオだった。


「なるほどな。」

大男はゆっくりと立ち上がり、広樹を睨んだ。

「それで本当に平和が実現されると思っているなら、お前は二流だ。

民衆はお前の政治に嫌気がさしていないのかもしれない。

何故ならお前が強いからだ。勝者は常に裁かれないし、責任も問われない。


でもな。お前が負けた瞬間。お前の周りには誰も残らなくなる。

それが戦争だ。それを敵に強いてきたお前は、本来なら大罪人なんだ。」


男は更に続ける。

「でも歴史を作るのは勝者だ。

ノリマント・コンクエストだって、お前の功績だって。

悪人が勝てば、悪人は正義として奉られる。

例え悪人が戦いを始めようと、な。」


「そうか。助言ありがとう。

でも逆に言えば、俺は常に勝って共和国に安定をもたらす。

君たちとは違い、俺は優秀なのでね。」

そういうと広樹は怒りで震えた剣を抜いて、彼の首にあてた。


彼はすこし笑顔を見せ、一度手を開いて広樹の目の前に出した。

「それがお前の選択か。わかった。

でも俺はレーヌという男を理解しているつもりだ。」


彼はそう言うと、広樹の持っていた剣を奪い、自分の胸に刺した。


「…お前をここで殺そうと、俺たちの負けには変わらない。

だから、最後に言いたいことがある。


良き指導者になったな。広樹。」

なんか終わりそうな雰囲気だしてますけど終わりません。

多分あと2年は続ける!いや続けられたらいいな…っておもってます。

それと、ブクマ登録30人ありがとうございます!

こんな拙い作品ですが、もっと多くの人に見てもらえるように頑張りますので、

応援よろしく御願いします!

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