始まりの物語
初投稿ですのでいろいろな意見、改善点などを教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。
拙い表現が多くお見苦しいでしょうが
温かい目で見守っていただけると幸いです。
この話のタイトルはユリウスカエサルの「ガリア戦記」からとりました。
ガリア戦記はイタリアがガリア(フランス)を侵略する話をまとめたものですが果たしてこちらは…?
たぶんモデルがすぐわかる人物や国名があると思いますが、当小説にでてくる地名、人物、国名はフィクションです。
また、いかなる民族、国家、宗教を貶める意図はありません。
「おい広樹、この前言ってた森に行こうぜ!」
「正気か?あの森は危険だって言ったろ?何人も行方不明になってるって…」
「まぁいいんじゃない?私は大丈夫だよ」
亜美が自信ありげにいう。
「ほらほら、彼女さんも言ってるぞ〜広樹。お前より亜美のほうが男らしいなぁ?」
ニヤニヤしながら言ってくる和也に、広樹はつい感情に身を任せて「うるせぇ!行けばいいんだろ行けば!」と言ってしまった。
和也は笑みを浮かべながら「んなら、午後9時に俺んちに集合な!」と言った。
嫌々ながらも家に帰って準備していた和也は、一つの本が目に入る。
その本の名前は、「ブリトンの歴史」というものだった。
懐かしいな、と思いつつも彼はその本を手にとった。
「確か、1066年にノリマント・コンクエストが成功してガリアの王朝ができたんだよな…」
いや、違う。確かそうだったはずなのに、何かが違う。
そこには、ノリマント・コンクエストが失敗したと書いてあった。
その後の歴史を見ても、広樹が知っている歴史と少し違いがあった。
(寝ぼけているのか?まぁいい、とりあえず準備しよう。えーと、あのバカがカレー作りたいとか言ってたな。まったく、キャンプじゃねぇんだから。)と呆れつつも、カレーの材料を入れ、時間がせまっていることに気づいた広樹は焦って和也の家に行った。
そこには、もう待ちくたびれた様子の和也と亜美がいた。
「おせぇーぞ!」
「お前がカレー食いたいとか言うからだろ…悪い、待たせたな。」
「私も今来たとこだから、大丈夫だよ。ひろくん。」亜美はそう言って笑いかける。
やっぱり俺の彼女は優しいしかわいい。美人で、金髪で、巨乳。
というかなんで亜美が俺の彼女になってくれたのか、理解もできない。ここで、広樹はふと疑問に思った。
「そういえば、なんで亜美って金髪なんだ?」
「前話さなかったっけ?私がハーフだってこと。」
「そうなのか?聞いた覚えがないな。」
「お父さんがイギリス人なの。本名はエクセン亜美。」
「そっか。」
「おいおい広樹、彼女のこと知らねえって大丈夫か?」
和也が水を差す。うるせぇほっとけ、と思いつつも無視をした。
「さて、行こうか。」
「そーだな。そんなに時間もかからないだろ。じゃ、みんな車乗ってー」
「お前の運転心配なんだが…」
「そんなこと言わないのひろくん。」
「そうよひろくん。」
和也てめぇ真似すんな潰すぞ、と思ったがぐっとこらえて、
「わかったよ。」といった。
車に乗って20分くらいたっただろうか、どうやら森についたようだ。それにしても、和也意外に運転うまいな。
「ついたぞー…うわっ、寒!」和也が体を縮める。
「当たり前だろ、12月なんだから…」と呆れつつ、やっぱ寒いなとも思っていた。
「でさ、来たけどどうするの?こっからどこにいく?」
和也は鳩が豆鉄砲、いやマシンガンを食らったような顔をした。
おそらく何も考えていなかったんだろう。仕方ない。こいつはバカだから。
「ノープランかよ…ならさ、ここの森に花畑があるんだけど、そこにいかないか?」
「お、イイね。ならそこまで行こう」
「私も行きたい!行こう!」
なんとか決まったようだ。俺が案内をしつつ、花畑に向かうと、花畑には何やら異質な空気が漂っていた。
「なぁ、広樹、亜美。なんか異質な空気を感じないか…?」
「そうねぇ…少し悪寒がするわ。」
「そうだな。俺が先に行く。なんかあったらお前は亜美を連れて逃げてくれ。」
「何言ってんだ?!行方不明になったらどうするんだ?!」
「大丈夫。俺を誰だと思ってるんだ?今は包丁もあるから100%大丈夫だ。しかもここの土地勘があるのは俺しかいない。そこで待っていてくれ。」
そう言いつつ、俺は奥の大樹の方へ向かった。
「嫌な予感の元はここか?来るなら来い、相手してやる!」
そう言うと、前にいる大樹が動き出した。広樹は構えたが、すぐにその大樹は止まった。しかし、大樹に気を取られていたせいで、後ろから近づいてくる足音に気づかなかった。
広樹が気づいたときには、もう遅かった。その後、バタリと地面に倒れ込んだ。
「…いてて。何があったんだ…?」
そういいつつ周りを見渡すと、そこにはだだっ広い草原が広がっていた。
(どういうことだ?俺は大樹の前にいたはずじゃ…?)
そう思い、周りを見渡すと、何やら灯りのようなものが見えた。
そこに近づこうとしたが、疲れのあまり倒れ込んでしまった。
広樹は、そのままぐっすりと寝てしまった。
翌朝、目を覚ますととある男が立っていた。その男に起こされ、彼は街の診療所らしきところに連れて行かれた。
(何語を喋っているんだ…?よくわからないな。)
広樹はぼんやりとした意識の中、彼らの言葉を特定しようとした。そこで、広樹は英語だと言うことに気がついた。
(英語か…しかしなぜ?俺は日本にいないのか?なら一体ここはどこなんだ?)
そうこう考えているうちに、彼にパンとスープが用意された。
(見た感じ普通のパンとスープだな。とりあえずいただこう。)
腹が減っていたのか、すぐに食べてしまった広樹に医者らしき人物が話しかけた。
「君はどの街の出身だ?」
「わかりません。ここはどこなんですか?」
「ここはエクセン伯領のドルベーだよ。」
(ドルベー…ドルベー…ブリトン王国の?!)
「すみません、今は何年ですか?」
「それもわからないのか?今は1093年だよ。」
(ますます謎だ。なぜ私は時代も場所も違うところにいるんだ?)
「さっきからどうしたんだ?何かおかしいぞ?」
「いえ、大丈夫です。どうやら私はここで行く宛は無いみたいです…」
「ならば、行く宛が見つかるまでここでゆっくりしていくといい。君の働き口も探しておこう。」
「ありがとうございます。ご厚意感謝します。」
「その間、安静にしていなさい。散歩くらいならいいけどね」
そういうと、医者らしき人物が出ていくと、広樹は散歩に出ることにした。
来たこともない街にいきなり飛ばされて不安になっていた広樹に、さっきの男がにこやかに話しかけてきた。
「君、大丈夫だったのか?」
「ええ、さっきはありがとうございました。」
「気にしなくていいよ。そういえば、ゾルべ爺さんが君の行く宛を探しているって言ってたね。」
「そう言ってましたね。あの人に迷惑をかけてしまいました。」
男は笑いながら、広樹に言った。
「大丈夫。彼は気にしてないさ!そういえば、うち最近人手不足でね。よかったら君、うちで働かないかい?」
「ご迷惑じゃありませんか?俺、働いたことないので…」
「大丈夫、きっとかみさんも君を迎え入れてくれるよ!」
広樹は安堵した。そして、頭を下げながら
「それなら、よろしくお願いします!」と言った。
「あぁ。こっちもよろしく。ところで、君のことは何て呼べばいいのかな?」
「俺は広樹っていいます。あなたは…?」
「私はジェームズだよ。そこで肉屋をやっている。」
「ジェームズさん、ですか。これからよろしくお願いします!」
「あぁ、こっちもよろしく。ヒロキ。」
そういうと、二人は固い握手をした。
今見返すとだいぶ作風が変わった気がする…(笑)
まぁそれが成長だと嬉しいですねぇ。