よろしく!
「今年からよろしくお願いします!」
職員室で大声で挨拶をした。
「頼むよ、佐野くん。」
僕は今年からこの学校に中学教諭として入った。
「ということで、これからよろしくね!」
私は早速1年1組の担任になった。
初めてのホームルームが終わり、私は2組へ移動した。
「今日からみんなの英語を担当します!よろしく!」
よろしくお願いします、と生徒が少しづつ声を出してそういった。
「まずは少しずつ単語を覚えよう、aから!」
私は英語を任された。
だが授業に関してはとても素人だったから、単語を教えたら、教科書どうりに進もうと考えていた。
給食の時間
「じゃあ記念すべき初の給食当番は・・・」
「1班で行こう!」
一班は何も喋らず、給食の準備をした。
準備中も、その後も、昼休みも、全ての生徒が一言も話さないでいた。
他のクラスでは、ホームルームに全員一人ずつ立たされて、自己紹介を行うが意味がないと思って僕のクラスはしなかった。
僕は昼休みの間に次の授業の準備のために教室を出て歩いた。
「佐藤先生英語の教え方下手じゃない?」
「あー確かに」
廊下を歩いている途中に聴こえてしまった。
僕はとっさに彼女たちを引き止めて言った。
「ちょっと、さっきの話聴こえちゃったよ。」
「あっ・・・ごめんなさい」
「傷ついちゃうから、これからはもうちょっと小さい声でね。後、僕佐野だから。」
笑いながらそう言った。
僕はそのまま職員室に行くつもりだったがルートを変えて、教師用トイレに行き、個室へ潜った。
「ハァ〜。」
トイレの中で深いため息をついた。
数週間ほどたつと、徐々に給食や休み時間が賑わって言った。
ここ一週間必要なこと以外は生徒と喋っていなかった。
というのも、一ヶ月は生徒と話すのは必要ないと感じていたからだ。
「先生って何歳なんですか?」
三人の生徒が僕に話しかけていた。
「ん?何歳に見える?」
「25歳でしょ」
「ちがーう」
「27歳だ!」
「まさか40代?」
「違います。」
「答えは今度教えるから。そろそろ4組に行かないと。」
「はーい。」
僕は廊下に出て4組へ向かった。
4組の教室に入ると、とても重い雰囲気で包まれたいた。
「なんだ!?」
「曲尺さんが渡辺くんを鉛筆でさしたんです。」
授業が始まりそうなのに、まだ二席いないということは、もう先生に連れて行かれたと考え、そのまま授業を始めた。
担任になって一ヶ月後
廊下に生徒が集まっていた。
何かを囲んでいるように見えた。
「ちょっとどいて!」
僕は生徒を退けながら、中心部に到着した。
生徒が囲んでいたのは、割れたガラスの破片だった。
僕はとっさに叫んだ
「みんな怪我するかもしれないから下がって!あと誰かホウキ持って来て!」
その後三秒もせずにホウキを持った一人の女子生徒が僕に渡した。
「中島さん行動力高いね。手伝ってもらえる?」
僕はガラスをかたずけながら中島さんに伝えた。
「もう一つ持って来ます!」
と言い中島さんは教室へ走った。
「誰がやった!?」
ガラスを片付けると、僕の数倍大きな声で叫んだ人がいた。
生徒指導主事の川崎先生だ。
生徒みんなが指をさした。教室に一人立っていた彼を。
「ここは私に!」
僕は一人立っていた彼の手を握ろうとした。
「ここは私に。」
そう言いながら大声で叫んだ川島先生が彼の手を握った。
僕はとっさにその手を振りほどいた。
「川島先生、怖がってますよ!?」
僕は誰にも聴こえないように、川島先生の耳元で言った。
「先生。こういう場面は生徒指導に任せてください。」
「わかりましたね?。」
そう言いながら彼の手を握り、教材室で二人きりになった。
僕はそのまま教室に戻るように生徒に指示し、そのまま教卓の椅子に座った。