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オークキング昇天す

ギルドを出た仁は疾風のように走り出した人の間をすり抜け一路門へ隣をすり抜けられたほうは風でも吹


いたのかと辺りを見回すそんな光景がギルドから門へ向かって繰り広げられるしかし誰も仁に気づけない


走行して仁は門に辿り着いたここだけは先ほどのようにすり抜けるわけには行かないなぜならばそこには


リンダとコルアの兄たちが先回りして待っていたからである「やっぱりきたかお前の予測どうりてのが悔しいな」とリンダの兄


「それほど難しいことじゃないよ今この町は出入りが著しく制限されている何の手間も書けずに早く外に出るならこの門以外ないしね」とコルアの兄


「二人も止めるのか?」と仁がたずねると「とめても行っちまうだろお前はだから俺は止めんし見てない


ことにするだから生きて帰ってきてくれ俺は恩人のお前にまだ名乗ってもいないんだ何で生きて帰って俺


に名乗らせてくれ俺を恩知らずにさせんでくれ頼む」とリンダの兄


「私も同じです親友が全部言われてしまいましたがね」とコルアの兄


仁はうなずくと「リンダたちと一緒に必ず生きて帰る」と言うと二人の間を抜け外へ飛び出していった。


「いい奴だよなあいつあんなのがリンダと一緒になってくれたら俺は安心できるんだが」とリンダの兄


「ええいい奴ですしかし彼はコルアの婿になってもらおうと思ってるんですこれはゆずれませんよ」とコルアの兄


二人の兄達が火花を散らし始めたころとうの本人は道に転がるオーク達を横目に見ながら道を走り続けて


いた時々討ちもらしのオークが向かってくるが仁の足を止めるにはいたらず鎧袖一触拳が踊りその蹴りが

振るわれた後にはただただ屍をさらすだけであった


そうしてついに仁は先発隊とリンダ達のパーティーがオークキングの本陣を攻めているエリアに到達した


あたりには力尽きた冒険者達とオーク達が地に伏しているそしてげらげらと笑うオークキング達に対して


満身創痍のジェイコルとリンダ達のパーティー勝敗はもうつきかけていた仁が辿り着くまでは先に気がつ


いたのはオークキングだった息こそ乱れてはいるが明らかに今までの連中とは格が違う一瞬で理解したあ


いつを近づけてはいけないと脇にいるオークメイジ達にほかの冒険者たちを減らしたときのようにファイ


ヤーボールを一斉に放たせた無数のファイヤーボールが一斉に仁に押し寄せる仁は炎の中に飲み込まれた


かに見えたリンダとコルアの悲鳴が上がるだがその炎の中から「そのヒーローは邪悪の放った炎の中より


現れりそしてその身に灼熱を纏いその拳は邪悪を貫きその蹴りは邪悪をなぎ払わん」との声が聞こえてく


るそして一段と強く炎が燃え上がるとその場に一人の男が立っていた聞こえてきたその姿を見たオークキ


ングはその場から逃げたい衝動強くかられたのだがそんな衝動を振り払い部下に命令し男を数で押し包も


うとするだがその目論見は達成されることなくただ兵を減らすだけだったそして男はとうとうジェイコルのそばに辿り着いた


「ジェイコル無事かい」


「お前やはり仁か孫達だけじゃなくお前まで来ちまった冥土の道連れにしたくなかったというのにやるせないのう」


「まあそう言うなってリンダをしたってる少年が助けてくれって駆け込んできたんだそして泣いたんだ誰かってなあれは見過ごせん」


「やれやれとんだお人よしじゃのうだがほとんど詰んでるぞわしらは満身創痍でろくな戦力にならんしオークキングの側近どもは普通よりさらに格が上じゃ」


「ああ私達も全員がかりで一体倒すのがやっとだったそれが後二体しかもオークキングには何の手傷すら負わせていない魔法も武器による攻撃もろくに効いてないいくらなんでもおかしいレベルだ」


「わかった後は俺がやる離れててくれるか皆で町に帰ろう」


仁はにっこりとジェイコルやリンダたちの微笑むとオークキングに向き直ると「またせたなここからは俺が相手をしよう冥土の土産だかかってきな」


そう言ってオークキング達に向かって手招きをした怒り狂うオークキング「貴様一人で何ができる見ろあ


れだけいた冒険者どもも後はお前等だけだ我を誰だと思っている貴様らを倒し貴様らの町を喰らい尽くし


てくれるはやれ」そう言って腕を振るとオークキングを守っていたオークジェネラルたちが仁に押し寄せ


るそしてそれぞれ手に持った剣と斧を仁の逃げ場を奪いながら振り下ろすしかし仁はやすやすと見切ると


ひらりひらりとかわしながらオークジェネラルに拳を打ち込んでいくまるで大人と子供あるいは武術の達


人とチンピラほどに力量差が見て取れる仁はあくまでも冷静に相手を拳で撲殺していく意思を感じてつくづく味方でよかったと安堵していた。


そしてあれだけ頑強を誇ったオークジェネラル達にも終わりがやってきた武器を振り下ろそうとするオー


クジェネラル達を交わすとふわり飛び上がるとまず一体左足の蹴りでとどめをさすと勢いもそのままにふ


りかえりざまにもう一体を右足の蹴りでとどめをさしたそして体重がないようにふわりと地面に降り立っ


たこれには満身創痍のジェイコルとリンダ達のパーティー感嘆の声上げずに入られなかった。


「見事というしかないほどの腕前じゃリンダ今音立てずふわりと降りたのあれだけできたら金貨一枚やると言われたら挑戦するか?」


「馬鹿なこと言わないでくださいやりませんよ体術には門外漢な私から見てもあれほど人が音も立てずに


降りるなんてどれほどの研鑽を積んだのか空恐ろしくさえあるほどですそして彼も気づいてますオーク


ジェネラル達が彼の手の内を暴くためのかませ犬だとだから私たちを助けたときの力を使っていませんし


おそらく体術において秘伝とされる精霊武技を使えるのではないでしょうか」


「あれをかだとしたらこの戦い決着がつくな」


「ええオークキングがいかに異常固体であろうとも対魔王級のために編み出された武技の前には相手が悪すぎますね」


そんな二人の会話を知りもせず仁はオークキングの前にすたすたと歩み寄っていくその姿に平静を失った


オークキングはメイジ達に再びファイヤーボールを放たせようと命じたとたんメイジたちは糸が切れたよ


うにばたばたと意識を失い倒れていく皿にあわてたはっと気がついたように仁にふりかえる仁はぼつりと


「マナ剥奪強制的に相手の魔力をゼロにするこれでお前のメイジは終わりだ」


これにはリンダたちもぞっとする相手の魔力をゼロにするつまり重度の魔力枯渇状態を押し付けるスキル


であるこの世界の住人はすべて程度違いこそあれみな魔力を持っているそれが枯渇すればよくて意識消失


悪くすればそのまま死んでしまうことになる事実スキルをくらったオークメイジ達は息をしているように


は見受けられないつまりそのまま冥府へ旅立ったのである


「敵と見たら容赦がないのう彼はうんなんじゃあいつまさか?」


その言葉にリンダが仁に目を向けると「オークキングてめえの仮にも王様なら最後ぐらいじたばたするなお前も王である前に男だろ立ったら最後これだろう」


そう言って拳を掲げる「男なら最後は拳で逝きやがれ後悔も未練もない様に送ってやるよかかってきな」


といって手招きするこれにはオークキングも笑い出す「はははは今のスキルを使えばわしなど簡単に倒せ


るものをわしが迷わぬように拳で送ってくれるというのかこの姿にされたことを呪っていた同じ人類種の


町をせめて喰らってから死んでやろうとこの侵攻を始めたというのに神は最後にわれらに救い主をさしむ


けられたのかその提案ありがたく受けようだがオークキングまでなったわしをやすやすと送れると思うな


よ」というとオークキングはその身に着けていた鎧を脱ぎ捨てると「この鎧と武具はお主にくれてやるわ


しを送ったら好きにするがいい」


そういうが否や仁に殴りかかってきたその光景にジェイコルは唖然とし、リンダ達は言葉を失ってしまっ


た当然である元からの魔獣種のオークキングだと思っていた相手が元は普通のオーク種の住人でしかも自


分と同じ人類種の誰かに魔獣に変えられ復讐を遂げてから死のうと思っていたなんて救いがないではない


か仁だけが彼の事情を理解しせめてもの救いにその手で送ってやろうとしているなんて落ち込むリンダの


脇でジェイコルが笑い出す「ばかばかしいがせめてもの救いじゃな腹の中のものを吐き出していけば確かに迷うこともない」


「しかし彼を魔獣に変えた者のことがありますそのものを野放しにはできません」


「野放しにはせんおそらくオークキングを放ったものと魔獣に変えたものは同じ組織だろうそいつらはわ


しらを実験台にするつもりだったのだろうだがわしらは生きているそして奴等のたくらみを知ったわしの


古い友人にはオーク種の奴も居るただですますものかこの世界中にあるギルドの名にかけて闇に潜む奴ら


を見つけ出し白日の下にさらしてやる冒険者ギルドにはいかなる人種であろうとも平等に扱う誇りがある


それを汚しこの町に牙を向けたことを後悔させてやるんじゃ」


このジェイコルの叫びにオークキングはにこりと笑うと「あんたたちみたいな人類種がいるなんてなもっ


と早くあいたかったそしたら復讐なんて考えずにいられたのに今まで俺が子供のころからあった人類種っ


ていったらみな俺たちを見下してる奴等ばかりだったのに冥府で待ってる両親や仲間たちにいい土産がで


きた人類種は俺たちが見知ってる奴らばかりじゃないってな」


そう言って仁の腹にこぶしを打ちつけるそれに対して仁もひるまずオークキングの太鼓腹に拳を叩き込む


両者は足を止め種族の差を感じさせぬほどに打ち合ったそんな状態が一時間ばかり続いただろうか遂に男


同士拳のみでの打ち合いに終わりの時が訪れた両者は口元から血を流し意地と気力だけで立っていた。


先に口を開いたのはオークキングだった「青年名前はなんていうんだそう言えば送ってくれる相手の名を


聞いてなかったじゃないか送ってくれた恩人の名を聞かずに逝ったら冥府の両親や仲間に怒られちまう教えてほしい」


「雪田仁だ俺も教えてくれないかあんたが魔獣化する前に名乗っていた親からもらった名をあんたの墓に


書くのに困るし送る相手の名ぐらい知っておきたいんだいつかあんたの敵を捕らえたときに報告してやり


たいしな」


「俺の親からもらった名は赤鼻のドルだ親父ゆずりの赤い鼻だったんだがきのころは」


オークキングこと赤鼻のドルは姿勢を正すと「雪田仁、他種族である貴殿のおかげで俺は最後にこの世を


うらむことなく逝く事ができる心から礼を言わせてくれそして願わくば俺のような者を生み出させないで


くれありがとう」とそれだけ告げると赤鼻のドルは前のめりに崩れ落ちるよう倒れそのまま息絶えていた。


仁は拳を握り締めると「赤鼻のドルに誓うお前を魔獣に変えた奴らはかならず探し出しその組織は叩き潰


すお前や仲間たちの無念は俺が晴らす」とドルの亡き骸に誓っていると「それはわしらも混ぜてもらう


ぞ」ジェイコルの力強い声に振り向くといつの間にか後発隊が到着しプリーストや治癒魔法士達がわずか


に息をつないでいた地に伏した冒険者たちを次々回復させていった。


そしていち早く回復したジェイコルが仁に歩み寄ると仁の手をとってもう一度「ドル達の無念を晴らすの


は生き残った冒険者全員でだ奴を被害者と呼ぶわけにはいかぬが奴と仲間の無念を晴らすぐらいは死んで


いった奴らも許してくれるじゃろう」そう言って空いた手で仁の肩をたたくとにこりとほほえみ手を上げ


て治癒魔法士を呼び寄せた。


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