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魔化の滴

おとなしくつかまる?

神様降臨の回です

16

落ち着きなく辺りを見回すユーグを囲むように仁、ジョージとジェムス、そしてコートアルが並び立つ


「それでなぜこの町を襲撃しようなど考えたのだ」とジョージが口火を切るように尋ねる「こんな馬鹿な


まねをしなければお前の公爵家継承は認められていただろうに」と言うとユーグはジョージを睨みつける


と「嘘をつくな公爵家は取り潰し領地は没収のうえお前に下げ渡されたのだろうが」と憎しみがこめられ


た声を放つ「馬鹿などこからそんなでたらめを」とジョージが驚いたように尋ねると「親父が捕らえられ


た翌日国王の命を受けた騎士たちが屋敷を包囲しあわてる我らにその代表者が王命を告げわずかな荷物以


外持ち出させずに領地から追い出されたはその騎士が言っていたこの場所の新たな主はジョージ・ファル


カ貴様だとな母は失意の中死んだ先にお前がわれらから奪ったのだ奪い返して何が悪い」とその両目から


涙を流しながらユーグは言い放つと懐から一本のポーションを取り出すと「このまま捕まれば死あるのみ


ならばこの身をもって災いをなしてやるこれは魔化の滴あやゆる生物を魔獣に変える秘薬知恵あるものな


らば魔人なれるが失敗すれば意思をなくし魔獣と化す魔人になった者はいまだいないが最初の一人に俺が


なってやる」と言うと止めようとするジョージたちの前でそれを飲み干すと笑い声を上げ始める「感じる


感じるぞ先程まで無かった強大な力をこれが魔人の力かこれならば貴様らをほふり町を叩き潰すなど造作


もないわ」そう言うユーグの体から黒いオーラが放たれまわりにいる四人を弾き飛ばすそして咆哮を上げ


ながら体を肥大化させ大きくなっていくしばらくして肥大化は収まったがその場にいたのは数倍にまで巨


大になったまさに巨人だった。


そしてその巨人は体を振りながらファルカの町に向かって歩き出すあわてて騎士たちがその歩みを止める


ため次々に攻撃を行うがまったく気にすることもなく歩み続けるそして門に手がかかりそうになったとき


いつの間にか仁は門の上へ上ると「クアトロブースト豪炎蹴」そういうと同時に矢のように飛び立つと間


近に迫った巨人にその身を巨大な炎に包みながら蹴り付けるとものすごい音とともに巨人は後ろ向きに弾


き飛ばされそのまま地面に仰向けに倒れると驚いていた騎士たちの間から歓声が上がるそして地面に降り


立つ仁に駆け寄ろうとするが仁はそれを手で制すると「まだだまだ終わってない」そう言って視線を巨人


に向けたまま油断なく見つめていると突然だった空から誰かの笑い声とともに巨大な火の玉が降りてくる


と仁のそばに降り立つと人の姿をなし仁に話しかけてくる「御前が雪田仁だな」と尋ねてくる仁が「はい


そうですがあなたは?」とたずねる仁にその男は「我が名はヒノカグツチ御前が振るった神刀の元津御霊


である」と答えるのであわてて仁は跪くとヒノカグツチはよいと言って立ち上がらせると「ここへ来たの


はお前にあれに勝ってほしくてな」と言っていまだ倒れたままの巨人を指差す、そして表情を厳しくする


と「あれはこの世界にあってはならぬ獣の力振るうものこのまま放置すれば人の手では討てぬ獣本体その


ものをも生み出してしまうだから今ここでとめねばならぬ討たねばならぬのだこの世界のためにな」そう


言ってヒノカグツチは仁を見つめるが仁はうつむきながら「しかし討つ手がありません今使える力で最高


の一手でさえ奴を失神させるのみ今しばらくすれば起きるでしょう」と言いながらこぶしを握り締めると


ヒノカグツチは「確かにおぬしの力の解放にはその属性の強き力が必要になるし奴に一番効果があるのは


光が集めし炎つまり光炎御主に加護を与えたアマテラスの神力だ、だが手が無い訳ではないのだ」と言っ


てヒノカグツチはにやりと笑うと首をかしげる仁に「御主のアマテラスの加護を我ヒノカグツチの神炎で


ブーストするそうすればこの場に擬似的な太陽の力を得られるその状態ならば光炎の行使もできるのだど


うだやってくれるか人の子雪田仁」そう言って仁を見つめると仁はうなずくと「時間がありませんヒノカ


グツチ様やって下さい」そう言って目をつぶるとヒノカグツチは「見事な覚悟であるだが言っておくぞ必


ず生きてもどれ奴を討っても御主が死んでは意味が無いアマテラスとこの世界での御主の知己に申し訳が


立たぬ故に生きよやつを道連れにすることは許さぬぞ」と言うとヒノカグツチは己が神力を仁に流し込む


と例えようのない熱さが体を走り心の深奥にある加護へと注ぎ込まれるすると加護が反応するように仁の


体を先程とは違う包み込まれるような熱気が包み込み覚醒させる、と惑う仁にヒノカグツチは微笑むと


「それじゃそれでこそ太陽の神炎を使うことができるのだ我炎と違い他を害する心のみでは扱えぬ炎それ


が太陽の神炎であり人がプロミネンスと呼ぶものじゃさあ仁よあの者を終わらせてやれ」と言って仁を送


り出す頷きながら横たわる巨人に歩き出す仁、あと少しで手がかかる場所まで近づいたときだった、巨人


が目を覚ましたのであるそして体を起こしながら暖かな光を放つ仁を手で払いのける、手で払われた仁後


ずさりするように後ろ向きに距離を離されてしまいそのまま後ろに倒れそうになるのだが岸たちが駆け寄


り数人がかりで衝撃を受け止め仁に笑いかけると「仁殿奴に止めを」「我らに代わってぶちかましてくだ


さい」と口々に言って仁を立ち上がらせる仁は頷きその両手を巨人に向けると心に浮かぶ言葉を力強く叫


ぶ「破邪光滅プロミネンス」その叫びに答えるように光を放つ仁から炎が沸き起こり光り輝く竜となって


巨人に向かいそれに絡みつきながら消滅させていくそれはまさに昇天して行くかのようだったのだが体の


半分を残したところで薄れだすとそれまでおとなしかった巨人がまた暴れだす「あと少しだというのにま


だたりぬのか」とヒノカグツチがつぶやくと同時だった仁は薄れる竜を呼び戻すと「あきらめてたまるか


一か八かやってやらあ竜よ我とともに来たれ我の力となれ光・竜・融合プロミネンスフュージョン」


仁の叫び願いそれに答え竜は仁の周りを舞うと仁と一体になると仁の体から先程より力強い光が放たれる


そのまぶしさに目を瞑る騎士たちとヒノカグツチ光が治まり目を開けた両者その場にいたのはその身に輝


く竜鱗の装備を纏った仁だったその変化に驚き口を開けたままなってしまった騎士たちを一瞥すると巨人


に向かって再び歩き出す巨人も這いながら唯一残った左腕を仁にたたきつけるが仁に触れる瞬間霞のよう


に消えてしまう身をよじり暴れる巨人にすたすたと近づいた仁は巨人の眉間に手を当てると「哀れなる者


よもう眠るがよい」と言うとその手から暖かな光を放つ最初は暴れていた巨人だったがしだい治まり最後


は眠るように死んでいった。


地面に降りた仁を騎士たちとヒノカグツチ迎えるのだがヒノカグツチは渋い顔で「最後のあれ一か八か


だったよな」といって仁を睨む、これを聞いた騎士たちもまた同じように仁を睨みつけていると「まあ許


してやってください名を知らぬ神よ」と言ってジョージが仁を庇って言葉を続ける「あの時彼のほかに終


わらせることができるものは居なかったのですから恥じるべきは我らの未熟でございましょう」


「しかしこいつにはこの世界で幸せになってもらいたいのだ本来ならばこいつが戦わずにすむようになっ


ていたはずだったのだが蓋を開けてみればこいつが世界の安定に係わってしまっているこいつに頼ってし


まっているこいつは生まれた地にて歴史を守る大きな功績を成し命を落としたのだ、そこでこの世界へ新


たな命と共に移り住む道を示したこいつに与えられたいわば褒美だったのだ何事かを成す使命を渡された


わけでもなくこいつはこの国に降り立った選ばれた理由は数ある諸国の中で一番安定し外部の人間であっ


ても公平に自由に生活できる国であったなのに降り立った初日に後は御主らのほうが知って居るだろう


神々であってもこいつに申し訳が無いのだ」と言って言葉に詰まるヒノカグツチにジョージは「やはりそ


うでしたか、彼から感じる言わば英雄の気配は何事かを成した者が持つそれでした私の娘を救ってくれた


ことそしてこの町を救ってくれたことそれによって得たのかと最初は思いましたが付き合ううちにその程


度ではないのではと強く感じていました神のおかげで理由がわかりました御礼を申し上げます」


「この地の領主ジョージ・ファルカよそれでどうする付き合い方を変えるか?」


「とんでもないこの私を見くびらないでいただきたい神よ自分の発言に顔が赤くなる思いではありますが


それはそれ彼との付き合いに影響を与えるものではありませんそれどころか前よりも娘の婿になって欲し


くなりました」とジョージは仁に微笑みかけると「仁君今言ったとうり私は君との付き合いを変えるつも


りは無い使命を持つ使徒の方かと思っていたが違うのならうちの娘の婿になって欲しいリンダが君にきち


んと告白してからだがね」と言ってリンダが意思を示せばそれを認めると断言する


「やったじゃないか仁、親父の許しは出たあとはアルバート小父さんが認めれば本人達の頑張り次第で二


人ともの婿だな」と言ってジェムスはにやりと笑うと仁の肩をたたいていると「ほうジョージさんは認め


たのか後はうちの親父だけねえジェムスそれが難関のような気がするのは僕だけかな?」とコートアルが


ため息を吐くと「そうか、確かにこの国の宰相であらせられるけど気のいい親父さんじゃないのか?」と


ジェムスがコートアルに尋ねるとコートアルの代わりにジョージが「確かに両方の婿になって欲しいもの


だがあいつの首を振らせるのは簡単ではないぞ」と言って何かを思い出したのか頭に手をやる、「うちの


祖父ちゃんが愛情過多でそのうえ女性にもてたらしいんだけどそのせいで僕の実の祖母ちゃんに向けられ


る愛情が薄いように感じられたらしいなので親父は妻はお袋一人だろ揉めずには済まないな僕に輪をかけ


てコルアのことになると感情的になるしね」とコートアルは肩をすくめるとヒノカグツチが笑い出しいぶ


かしげに見つめる仁に「何天界で見ていたときと何も変わらぬのがうれしくてなでは帰るとしようかとそ


のまえにジョージ・ファルカ先ほどはすまなんだ確かに変わらぬ付き合い方ようれしくおもうぞそしてこ


の場に居るみなのものに頼みたいこの雪田仁とともに幸福な人生を送ってくれ炎の一柱ヒノカグツチが頼


む特別でなくてよいよき隣人として扱って欲しいこのとおりだ」とヒノカグツチは頭を下げると慌ててこ


の場に居る仁以外の全員を代弁するようにジョージが「頭を上げてくださいヒノカグツチ様もうすでに彼


はこの町にとってかけがえの無い存在になっております私のはリンダの父親として彼を知りたかったそれ


だけなのですから彼に何かしたら私のほうがまちから追い出されますよ」と微笑みながら締めくくるとヒ


ノカグツチは満足そうにうなづくと来た時の様に火の玉となると天へと戻っていった。


ここにファルカに迫った危機は終わりを告げる皆は笑いあいこぶしを打ち付けあい互いの無事を喜び合う


と「さあみんな捕虜を牢屋に入れてから私の奢り宴を開こうと思うみんな参加してくれるな」とジョージ


が提案すると歓声が上がり町へ走り出すそんな騎士たちをあきれながらも微笑ましく思いジョージの顔か


ら笑みがこぼれるとジェムスが「親父殿早く行かないとあいつら屋敷の酒を飲みつくしかねませんがいい


んですか?」とまじめに聞くと「それはまずい屋敷には父上に渡すつもりで買った極上の酒も有るあれを


飲まれたら父上を参ったと言わせられないじゃないか」と言って疲れてしゃがみ込んでいる仁に肩を貸す


と町へ歩き出す町を守った英雄たちを昇ってきた太陽がやさしく照らしていた。

仁の正体というか過去が知れてしまいましたが変わらず気のいい隣人こんな上司というか人がいっぱいいたら世の中良くなるようなきが

次回アルバートのテスト

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