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愚者に捧げる舞台開幕

舞台の幕が上がります

15

ファルカの町から離れた森の中に武装した集団が野営しているその野営地の中にファルカの町から一人離


れた男が駆け込んでくるその顔に醜い笑みを浮かべながら男は一番奥にある陣幕の中へ駆け込むと「お喜


びください千歳一遇の好機にございます町の噂どおり騎士達のほとんどは街道警邏に出発いたしました町


に残るのはわずかの騎士と下賎な冒険者達だけにございます公爵様の無念を晴らしファルカを焦土に変え


てやりましょう」と言うと頭を上げると主である目の前に座る男に「ガイモン公爵家嫡男ユーグ・ガイモ


ン様」と言うとユーグは閉じていた目を開くと「下賎で愚かなオーク達を実験材料にして何が悪い誰が困


る奴等なぞ所詮我等高貴な者に仕える奴隷種族にすぎんのだ家畜と同じ扱いをして何が悪い高貴な父上と


比べるほうがおかしいのだわれらが正しいその正しい父上を牢に閉じ込めた神をも恐れぬ不貞の輩ファル


カ一族を根絶やしにするのだファルカ一族に従うその町の住民も同罪である同じく根絶やしにせよ但し


ジョージ・ファルカの妻リリアとその娘リンダはすぐに殺してはならぬみなで嬲った後で殺すのだよい


な」とユーグは命じると公爵家の旗を掲げ野営地を引き払うユーグに従うはガイモン公爵に忠誠を誓い歪


んだ精神そして考えに支配された騎士達およそ3000追っ手から略奪を繰り返しながら逃げ続けファルカ領


まで辿り着いたそしてほろに包まれた馬車が十台その中からは獣のような鳴き声がもれ聞こえるそれを引


きつれファルカへ続く街道を突き進みファルカの門をすぐそばに見る位置まで辿り着くときは夜の帳が下


りた深夜ユーグは醜い笑みを浮かべると「中に居る連中合図を送れ門が開き次第中に入って火を放て後は


火を放ちながら領主やかたまで進軍せよ」そう命じ手を振ると門が開き中から馬に乗ったジョージとジェ


ムスが現れるジョージは普段柔和なその顔に憤怒を宿し息を吸い込むとその怒りを声に乗せ眼前の敵のす


べての届かせるように吼えるように「良くぞ来た他者を踏みにじることに躊躇せぬ愚か者共ここがお前ら


の終焉と知るがよい」と普段柔和なジョージが放つ敵対するものに対しての激情の宣戦布告であるそれに


対してユーグ・ガイモンは「ほざけ知らぬと思っているのか今この町を守る王国騎士は数えるほどしかい


ないそれに対してこちらは3000そんな少数でなにができる磨り潰されるのがおちよそれとも下賎な冒険者


でも雇ったかだとしても町を拠点にしている冒険者など100名居ればいいほう数の有利は動かんこの町は


今夜失われるのだ」と言ってげらげらと醜悪な笑顔を浮かべ笑い出すそれに釣られるように部下の兵たち


も笑い出すしかしそれ切り裂くようにジェムスが「気が済んだかい死ぬ前に笑えてよかったなだが馬鹿な


妄想もここまでだあんたら本当にここにいる俺たちのほかに町の騎士がいないと思ったのかい?」と言っ


て小ばかにしたようあきれた顔でユーグに尋ねる「なんだとまさか」と言うと同時に後方で無数のライト


ボールが打ち上げられユーグたち3000の兵を照らし出すその光の中偽装を脱ぎ去った兵たちおよそ2000


がユーグたちに押し寄せるその先頭にいるコートアルが「町側に2000私たちも2000数の有利がどうかし


ましたか?」と普段は見せない冷たく獰猛な騎士としての視線を敵に向けるジェムスがため息をつくと


「ご愁傷様あいつ怒らせて無事なやつはいない俺を含めてな怒らせたあいつはあいてが嫌がることを徹底


的に冷静に実行するあんたらが勝つ目は無くなった」と言うとジェムスは剣を掲げると「野郎共早くしな


いとコートアル隊に手柄をすべて奪われるぞ」と言うといっきに敵勢に襲い掛かる戦場に武器がぶつかり


合う音が響くこの状況にもかかわらずユーグ冷静さを取り戻すと「なるほど数の有利は失われたがそれが


どうした我等にはまだこれがあるのだよ」と言うと部下に命じて馬車に架かった幌を外させる中にはオー


ガとトロールが押し込められていた、そしてユーグが手にした笛を吹き鳴らすと目を覚まし声を上げると


ファルカ勢に襲い掛かるニヤリと笑うと「ふふそいつらはお前ら敵だけを襲うように魔獣化の際植えつけ


てあるそいつらに意思は無い命ある限り敵に襲い掛かるこれでまだわからぬさ」と言って魔獣を手勢の前


に押し出す突然現れた魔獣に騎士達の間に動揺がはしり戦場を混沌とさせていくそのときだった門のとこ


ろで勝利を信じて待つジョージの横に一人の人物が音もさせずに現れるジョージはにこりと笑うと「この


状況来ると思っていたよあのときよりきつい仕事になるし君ひとりで背負わなくていいんだよ仁君」と横


を見ることも無く仁に声をかけるが仁は「いえ聞こえてしまったのであいつらの心の声が心ならずも従わ


され意思を示すこともできなくされてしまったあいつらの」と言うと戦場へ走り出すその背に希望を宿し


走るとファルカ勢の手前で力強く足を踏み込むとファルカ勢を飛び越えると勢いのままトロール達とオー


ガ達を戦列から切り離すと「ジェムスさんコートアルさんこっちはお願いします、俺はあいつらを倒しま


す」と二人に声をかけると心配する二人に笑いかけるとその体に真紅に輝く衣をまとい襲い掛かるオーガ


の攻撃を受け止めると「カウンターバーニング」攻撃をしたオーガの腕が炎に包まれる手を振り炎を消そ


うとするオーガの頭を鷲掴みにすると「燃え尽きろバーニング」と言ったとたん巨大な炎がオーガを包み


焼き尽くすこれにはユーグも余裕をなくすそのうえ仁はユーグを見つめると「お前は後で焼いてやる」と


言ってすぐ脇に火柱を上げるとオーガ達を殲滅していくオーガすべて炎に還すとトロール達に向き直ると


ユーグが「トロールはオーガのように簡単ではないぞ」と言って笑みを浮かべるが仁は鼻で笑うと「何が


おかしいトロールの回復力ならば貴様の炎など物の数ではないぞ」といっていきり立つのだが仁は冷静に


右の腰に手をやると「あんたのそれは俺の炎がこのままだったらだろう」と言うと両手に力をこめると


「来たれ紅蓮の神刀ヒノカグツチ」と唱えたとたん炎が沸き起こると仁の手元に集まっていき炎の鞘に納


まった太刀を生み出す仁がその太刀を抜き払うとその余波だけで近くのトロールが炎に包まれる切先を敵


に向けふわりと立つゆったりと構えているのだがトロールたちは身動き一つできなくなっていた、そのま


まゆっくりと前へ歩き出すとトロールたちがじりじりと後ずさりしていくそして恐怖に飲まれたトロール


が一人また一人仁に向かっていくのだがそのトロールを太刀を一振りしてすれ違うと敵は前のめりに倒れ


次々に炎上していくそしてその歩みを止めぬままにトロールたちを切り伏せるとくるりとユーグの方に振


り向くと「さあ犠牲者たちは天に帰った彼らに代わりその首貰い受けよう」と言うとその怒りと殺気を開


放するそしてヒノカグツチをしまうと膠着している戦場を一瞥すると「うおおおおお」と怒りと悲しみに


満ちた咆哮をあげるとまだ抵抗を続けるユーグ達元公爵軍に向かって歩き出す


一方町側ジェムスの部隊


「くっそうまだ諦めないのかよ」とあきれたように言うジェムスに副官が「確かに諦めが悪いですね、投


降にも耳を貸さない厄介です数はこちらが上ですがこのままだとこちらの士気のほうが切れてしまう恐れ


もありますね」と言って一斉攻撃進言してくるが「あんな連中のためにこれ以上被害を増やせるか?」と


ジェムスが尋ねると副官は「ははだめですよね」と言ってため息を吐くと仁の咆哮が聞こえてくるそして


「隊長大変です仁殿が脇から一人で突っ込んできます猛烈な勢いで」と前列の部下から伝令が来るジェム


スがあわてて仁がいたほうを見ると仁が敵中央に脇から襲い掛かるところだった敵にぶつかる瞬間飛び上


がり目の前の敵を一蹴隊列をあっさりと乱すとふわりと降り立つその様子にぽかんと見たままだった兵士


達が気づいて槍を突き出してくるのだが体を回転させて避けると一瞬で接近すると拳で一撃して昏倒させ


るその蹴りで首を狩る動くたびに地に伏す兵が増えて行くこれには堪りかねたのか隊列が割れ隊長らしき


男が歩み出てくる「たった一人で中央突破お前の胆力は敵ながら天晴れだほめてやろうしかしそれもここ


までお前を倒して隊列を直せばお前はただの犬死だせめて名乗りを上げていくがいい」と言って仁を挑発


すると「ファルカの冒険者雪田仁、手前らにはファルカの英雄のほうが覚えがいいかもなであんたは」と


言ってその隊長にも名乗らせる「元ガイモン公爵軍切り込み隊長ラインだ冥土の土産に憶えていけ」と言


うと兜のフェイスガードを下ろすと「このライン自慢の甲冑に包まれてしまえば貴様の攻撃など露ほども


効かぬは」と言うと身の丈ほどもある大剣を振りかざすと仁に向かってくるが仁は慌てる事もなく落ち着


いて前へ出ると振り下ろされるその大剣を片手で受け止めると「軽いそれで全力か?」と欠伸をしながら


ラインに尋ねると「馬鹿な片手でわが剣を受け止めるだとしかし余裕もそこまでよくらえアームブースト


これでわしの力は先ほどより5倍よこのまま押し切ってやる」と言って前かがみに体重をかけてくるのだ


が大剣はぴくりとも動かない仁はあきれたように「5倍でその程度か俺を相手にするには百年早かったな


逆に冥土の土産をやろうブーストクアトロ」と仁が唱えると全身を光輝が覆うこれを見たラインが青く


なって「それは無属性第四位階のクアトロマジカ貴様まさか」と言うその体を軽々と持ち上げる必死につ


かむラインを空へと打ち上げその大剣を無造作のつかむと落ちてくるラインに小枝のように振り回して打


ち付ける必死に許しを請うラインを打ち据える大検が先に根を上げるほど打ち据えるとそこには自慢の甲


冑が見る無残に変形させられ身動きもできなくされたラインが転がっていたジンは周りの兵士をぐるりと


値踏みするように見回すと「こう次になりたいやつ前へ出ろ」と言うのだが誰だって自分が身動きできな


くなるまで打ち据えられたくはないしかも相手である仁はあれだけ打ち据えたのに息一つ乱してないし汗


もかいていない隊長だからあの程度だが自分らの甲冑の程度ではああなる前に甲冑もろとも叩き潰される


それはやだなので後へと下がるそれに気づいた仁が気勢をあげると蜘蛛の子を散らすように逃げ出し次々


に前後の部隊に討ち取られていくそしてその場に残ったのはユーグただ一人だった。

おとなしくつかまる・・・・・・

次回魔化の滴

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