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冒険者の日常3

激おこの兄貴達登場

13

誓いの儀式から一週間が過ぎ今日も今日とて仁に勝って名を上げようとする冒険者たちがファルカに訪れ


る「我こそは西のギルドにおいて一番の冒険者○○である尋常に勝負を」


「あたしは南のギルド一冒険者あたしを差し置いて国王陛下に謁見するなんて生意気な覚悟しな」


だがしかし仁に触れるどころかみなすれ違った瞬間の一撃を回避できずに意識を飛ばされる町の人々も心


得たもので仁が意識を飛ばした冒険者たちを荷車に乗せてギルドの説教部屋へ運んでいる「いつもすみま


せん」と仁が頭を下げると「何、構わんさこの町の英雄殿にこの程度の実力で向かっていく奴等なんて荷


車で運ばれるのが分相応ってもんだよそれに英雄になっても気軽に町の仕事を引き受けてくれるあんたに


町のみんなは感謝してるんだがんばってくれよ英雄さん」と声を残して町の老人は手を振りながら荷車を


引いていく恐縮している仁に町の子供たちが駆け寄ってくる「あ、いた仁兄ちゃん騎士団のジェムス兄


ちゃんがいつでもいいから詰め所によってくれってあとギルドのジェイコル祖父ちゃんがウルちゃんのい


たずらが手におえないので引き取りに来いって」それだけ伝えると子供たちは仁に手を振ってまた走り出


していく仁は微笑みながら手を振って見送るそしてギルドに向かうとこの町に来てから一月もたたないの


に町の人々は仁を町の一員として受け入れそして気軽に声をかけてくる「仁ちゃん今日の夕食うちの店で


どういいワイルドボアの肉が手に入ったのよだから今日の定食はワイルドボアのステーキと肉じゃがに豚


汁のセットお腹一杯食べられるわよ」「よう仁じゃねえかいいところできたこのパン持っててくれなに御


代は気にするないつもうちのパンを朝飯用に山のように買ってくれてる礼だきにせず持っていてくれ」こ


うである仁は微笑みながらギルドへの道を歩いていくそしてギルドの扉を開けようてをかけた瞬間扉の中


からウルが飛び出してきて仁の体を駆け上ると頭の上に乗って安心したように息を吐くとウルを追いかけ


るようにジェイコルが真っ赤な顔で追い掛けて来る「こらウル教えた場所以外で小便するなってあれほど


言っただろうが今日と言う今日は許さん覚悟しろって仁じゃねえかそいつに少しは躾をしろって言ってる


よな」そう言って仁を睨み付ける仁は頭の上からウルを下ろすと「ウル無理言って預かってもらっている


んだから言うこと聞くように言って置いたよねどうしてギルドの人を困らしてるのかな?」と、口調は優


しく笑顔なのだが逆にそれが威圧感を増すらしくウルはあっさりと恐怖に意識を手放すこれにはジェイコ


ルも苦笑いをする「仁さすがにそれはやりすぎだと思うぞ」


「いえいえこういったことはその場で言わないと効き目がないですしね」と笑顔のままジェイコルに返答


するそして失神したままのウルを懐に入れるとギルドをあとにする次は騎士団の詰め所へ向かう途中偶然


見回り中だったコートアルと合流して詰め所に向かう懐でぐったりとしているウルに気づいたコートアル


が「どうしたんですかそれとウルを指差す」と「なにギルドで預かってもらっているのにいたずらがひど


いので叱ったらあっさりと失神しちゃいましてそろそろ起きるころだと思うのですがまさかと思うんです


けどもし失神がうそで久しぶりの懐なのでそのまま気を失った振りをしてようなんて姑息なことをしよう


ものならそうですね今晩の寝床は氷のマットにしようかな」ここまで言った瞬間ウルは飛び起きてそれは


勘弁してと言わんばかりに仁の顔を鳴きながらぺろぺろとなめだす。


ここで騎士団の詰め所に到着すると詰め所の中からジェムスが顔を出して「おっ来たな仁」と仁を詰め所


の中に招き入れる首をかしげている仁に「自分がくるのが判ってたように顔を出したのが不思議そうだ


な、俺の勘と言いたい所だが正解は町の子供たちが教えてくれたんだよ」と言ってにやりと笑うと仁に椅


子を勧めると自分も向かい側に腰掛ける「さて来てもらった用事は言わずとも判ってるだろうが騎士団長


の弟子の5人組の入団試験の結果が出たとりあえずは合格だそうだ、だが彼らが本来目指していた正騎士


あるいは准騎士からではなく従騎士スクワイヤクラスからのスタートだけどな」とジェムス


コートアルによる詳しい説明よると


正騎士・准騎士戦闘経験があり推薦者がいる者=国からの給料が出る


従騎士=訓練騎士=推薦者なし一般人扱い=国からの給料が出ない


とのことでこれからも冒険者を継続しなければならないし突発的な国からの呼び出しに応じる義務が発生


するさらに准騎士に上がれるかどうかも年月をかけ審査される厳しいスタートだそうだ。


「とりあえず第一関門はいわば補欠ではあるけど合格したこれから厳しく指導して約束どうり立派な騎士


になるまで目を離さないそうだ」とジェムスは騎士団長からの伝言を伝えるほっと胸をなでおろす仁の様


子に「よかったですねあなたの行為が無にならなくて」とコートアルが声をかける


「ああそうだなもしお前の行為が無になるようなら俺が張り倒しているところだ」とジェムス


仁が「二人とももしかして」と尋ねると二人は無言で頷くと「父に聞いたんだが君が使った魔法彼らには


言わなかったようだけど君自身危険だったのだろうもし彼らに資格なしの判定が下れば神に降臨を願った


君も罰せられたそうなんだろう」とコートアルが仁に尋ねるとジェムスが「おいちょっと待てそれ本当か


コートアル?」と怒りを露にして立ち上がる「ああ騎士団長に話を聞いたときに腑に落ちないものがあっ


たんだ宣誓者と指導者にそれだけの責任と覚悟を求める魔法儀式なのに呼び出した術者にだけ何もないの


はおかしいと思ったんだだから父に時間をもらって同じような魔法を知らないか聞いてみたんだまったく


同じ魔法は父でもさすがに知らなかったが似た魔法は知っていたんだ失伝魔法だと笑っていたが教えてく


れたよその魔法で責任と覚悟を求められるのは宣誓者当人達だけではない他者に累は及ばないけど術者の


責任と覚悟も求められるつまり宣誓者に資格が無ければ最初に神に罰を受けるのは君だ違うかい仁君?」


とコートアルは仁を見つめる二人の視線に耐え切れないように仁は「ええ可能性としてはありました」と


言った途端ジェムスは仁を立たせると右手で殴り飛ばす「お前ふざけるな妹の前で死ぬつもりだったの


か?」と怒鳴りつけるとコートアルがジェムスを強引に座らせると「妹のことになるとかっとなりやすい


のは君の悪い癖だよジェムス前から言ってるよね」そう言って落ち着かせていると起き上がった仁が「彼


らに何らかの機会を与えなければ収まりがつかなかったこれを考えた発端はそれですそれも思いつくもっ


とも厳しいやり方でそして頭に浮かんだ中で一番厳しいものがあれでしたしかし自分たちの命だけならま


だしも術者である俺の命まで危険にさらされるとなればさすがに断ってくるだろうと思ったのでその部分


だけ話しませんでした、さっきもいいましたが可能性はありましたでも」とそこまで言って言葉をとめる


「君には確信があったのだね彼らは機会を与えられると」とコートアルが言葉の先を求めると「ええ本当


の悪人ならば最初のときに俺の前で身動きが取れなくなったはずですから」と仁が答えると「なるほど最


初に妹二人を助けたときの力だね確かにそれは間違えの無い判断基準だ悪人を捕縛する力に捕縛されな


かった善人ではないがかと言って・・・」とコートアル


「はい真っ黒には染まってはいないそれならば強引にでも引き戻せば更生することもできるただし何もな


しに許せるほど彼らの罪は軽くありませんなのでそれに見合った方法はあれしか浮かばなかったんです」


と仁が答えるとジェムスは顔をしかめると「話はわかったが俺にはやはり納得がいかねえな言ってみれば


被害者のお前が何で加害者のあいつらのために命をかける必要がある」と言い出すが「仕方ないだろう彼


は見殺しにできなかったんだよ彼がこの手段を取らなければ5人の若者の命はあの夜で終わっているかそ


うでなかったとしてもよくて犯罪奴隷として鉱山行きだろうそうなれば後は早いか遅いかって話になって


しまうそうなれば生真面目な騎士団長も収まりがつかずに彼に命がけの決闘を挑みかねない」とコートア


ルがジェムスを納得させると「だそうです、騎士団長これで納得いただけましたか?」と入り口の扉から


今まさに入ってこようとしている人物に声をかけると扉の外から「納得はしたがそれだけに申し訳が無い


気持ちで一杯だよコートアル」


そう言って入室してきたザイクノスはあの日のように頭を下げると「わしも疑問じゃったあのときの剣幕


ならわしらだけの犠牲の宣誓儀式をなぜためらったのだろう何かあるのではないかとな、それがおぬしの


命を懸けてくれていたとは重ね重ねわしの弟子の件では迷惑をかけたすまん」と謝りだす戸惑う仁が「頭


を上げてくださいこれは俺が勝手にやったことなんですあいつらには言わんで下さいよ」と言って頭を上


げさせる


頭を上げたザイクノスの顔にはあきらかに申し訳ない表情を浮かべて「今にも土下座でもしそうだな」と


仁は思ったので「それでは納得いかなそうなのでこちらから条件を言いましょう騎士団主催冒険者訓練


キャンプを行ってはもらえませんでしょうか?」と提案するこれにはザイクノス達騎士3名は首をかしげ


る確かに騎士の指導を受けられればほかの冒険者の実力の向上は期待できるだろうが仁の場合は得られる


ものがないそれはそうだろう試合とはいえザイクノスを一対一で圧倒する実力の仁をだれが指導する手を


上げるものなどいる訳がないつまりこのキャンプに本人は参加するつもりがないならなぜこれを提案する


3人は考え込んでしまって思案に耽るその間に仁はそっとその部屋から抜け出そうとするのだが一足早く


気がついたコートアルが「もしもし仁君どこへ行くつもりなのかな?」と仁を呼び止める「提案内容で思


案に耽らせその間に自分はいなくなると作戦としてはなかなかですが僕を計算に入れてなかったでしょ」


と言ってにやりと笑うと「提案の真意は冒険者全体の実力の向上と騎士との連携の強化、うちのメリット


は有能な冒険者の発掘でギルドのメリットは未熟な冒険者の実力を向上させることができることと怪しい


冒険者の炙り出しができることってとこですか?」と解答を示すと仁は「おしいですかねそれだと」と


言ってしてやったりと言わんばかりににやりと微笑むとザイクノスが「よそに口を挟ませないことと潜在


戦力の拡充、魔獣氾濫対策か?」


といらっとしながら上げ続いて「団長それならこいつが介錯した人造魔獣が国中に出現する可能性とそれ


を軍隊が指揮して襲来するって方がうちらがやられたら一番いやです」とジェムスは青い顔であげるそれ


を聞いたザイクノス達は顔を見合わせると「正解です他の国ならびに他の領地からの人造魔獣侵攻を軍隊


が指揮して襲来それが俺が考えられる最大の危機なんです」仁はそう言ってため息を吐くと「今現在この


間の戦いによってかなりの数の冒険者が負傷し治療中ですこの状態でもしそれがおこなわれたら・・・」


と言葉を続けるとザイクノスが「ああまずいな確かに騎士団だけでは初動がまにあわんかなり食い込まれ


ることになる」と言って頭を抱える「ですねしかも人造魔獣たちにこの町を標的にさせたこと考えると第


一目標がこの町と無関係とは考えにくいですし」と言ってコートアルが考え込み「そうなるとこの間の戦


いは一番可能性が高いのは捨て駒での威力偵察だな」と言ってジェムスはザイクノスに向き直ると「団長


から国王に上申するわけにはいかねえかこいつからの憂慮案件って形で」と言って仁を指差すがザイクノ


スは頭を横に振ると「いくら英雄殿の名前を使ってもこれをとうすには足りんコートアルの父上宰相閣下


に協力を要請したほうがいいなるべく早くだ、それとは別に訓練キャンプの件も同時に進めたほうがいい


こっちはジェイコルの爺さんの協力がいるなのでこっちはジェムスお前のほうがいいだろう」と言って


ジェムスとコートアルにそれぞれに指示を出すと二人はうなずくと詰め所から飛び出していく残る仁にザ


イクノスは「すまん冒険者とはいえ一般人のお主に指摘されるまで誰も気づかんとは国を守る立場の人間


として迂闊だっただがこのことは無駄にはしない」と確約すると詰め所から出て行く一人残された仁も自


分にできることを探すため詰め所を出ると領主の館を訪れる門の前に立つ守衛に声かけようとする仁の肩


に手が置かれ「仁殿我が家に何か御用でしょうか?」と後ろから聞き覚えのある声がかけられるので振り


向くとそこには領主とは見えないラフな格好のジョージと私服姿のリンダとコルアが立っていた。

仁の不安が一部的中してしまいます

次回ファルカを防衛せよ

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