オレンジ
春の光がやわらかくこころくすぐる
それでも僕は前を向けないままで
ひとつ
ため息を吐いてうつむいた
どれだけの時間を どれだけの後悔で
重ねれば許されるのかな
「もう充分でしょ」
そんな言い訳 聞いてもらえるはずもなくて
君に想いを全て伝えるとして
どうしたら それが 叶えられる?
いつでも 弱虫な 泣き虫な 僕は
逃げて ばかりで 口に出せないまま
君に花束を包んで贈るとして
どうしたら それが 出来るのだろう………
いつでも 下手くそな いいわけで 僕は
笑ってるくせに
春は過ぎてやわらかく解けていって
それでも僕は何も知らないままで
ひとり
嘘を吐いて歩くんだ
どれだけの時間を どれだけの苦しみで
塗りつぶせば前に進めるかな
「もう許して」
そんな悲鳴も 暗闇に吸い込まれて消える
君に想いを全部伝えられなくて
どうしたら いいんだ 繰り返す
いつでも 弱虫な 泣き虫な 僕は
逃げて ばかりで 口に出せないまま
君に花束を包んで贈れなくて
どうしても それが 怖いままで………
いつでも 下手くそな 嘘ついて 僕は
泣いてるくせに
ただ
一緒にいられるだけでよかったんだ
何も望んじゃいなかったんだ
ただ
普通で
それだけで
良かったのに
君に………―――
想いを全部伝えよう
怖いんだ それが 今でもずっと
胸は 縮んで 唇は 震えて
今でも 逃げたくて 仕方ないけれど
君に花束を包んで贈らせて
不器用な 笑顔を 涙を 選んで
いつでも いるから 君のそばに僕は
だから
笑って。