表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
違えた高校生活  作者: シ・ユン
1/2

1ピース

…相変わらず時間は遅く流れていく。教室の中では教師がドヤ顔でダジャレを言い、クラス中の俺を除いた生徒達が困った様に笑って互いを見合っている。この光景はいつ見ても心が疼く。特に疼くのは休み時間に皆がグループごとに集まり談笑している時や、クラスの催しで俺以外の皆が一致団結している時だ。その光景はあまりにも俺には眩しすぎて、触れたら壊れそうで逃げたくなる。断っておくが、俺はボッチという訳では無い。話す友達はいるし、クラスでも上手くはいっている。しかしながら、そうしていても心の中では人を疑って止まない自分がいるのだ。例えば(裏では何を言っていることやら…)や(コイツは何を考えてこの話をしているのか?)など…ここまで来ると対人恐怖症の域に達している様な気もしないではないが、まァ大丈夫だろう。


A「…い」


2年になって新しいクラスに移されて少しセンチになっているだけだろう。そう思う事にし、俺は外を見入った。


A「おい!聞いてるのか!」


紫央「ん…どした?」


A「どうしたじゃあないだろう…今日が締切だぞ?課題」


あぁ、例の課題か…さては遠回しに「やってねェでやんの!バッカでぇ!」とでも言っているのか?そう考えながら返答した。


紫央「あぁ、その件か…講師には話をつけてあるから大丈夫だ。」


手短に呟き、俺は窓の外に目をやった。教室の中心では男女共にいりみだったグループが何やら騒いでいる。


女A「今日皆でご飯行こー!」


女B.C「いいねー!皆参加できるー?」


俺以外の生徒は参加の有無を表現している。俺は目の端でその光景をただ見ていた…が、参加の有無を問う質問はコチラにも当然ながら回ってきた。


女B「紫央はー?どうする?」


正直、面倒だとは思った。が、俺としてはクラスというジグソーパズルの出来上がりを見ていたかったので色良い答えを口にした。


紫央「あぁ。参加さして貰おう」


今、このジグソーパズルは8割がた出来上がっている。残り2割のピースは独自にそれぞれがハマりあって額縁から離れた位置に落ちている。俺はその残りの2割がどの様に額縁に収まるかを見ていよう。俺は教室という名の額縁に入るピースにはなれない。あくまでも観測者、傍観者、使用者…と言う客観的立場から見守り、時には手を加えようと思う。…さて、今夜の晩餐で〈額縁〉はどの様に変化をするのかな…楽しみだ


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ