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サツキん家!  作者: 早月
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雨の日の子猫

子供の頃からずっと猫が好きです。

好きで好きで仕方がありません。

あの愛らしい姿、丸い背中、獲物を狙う姿、目をつむって眠っている姿、どれをとってももう愛しくて愛しくてたまりません。

でも、猫を飼った事は一度もありません。

母が許してはくれませんでした。


子供の頃、近所の野良猫が子猫を産みました。

やがて子猫を連れて歩く姿が見受けられるようになりました。

私はその子猫を触りたくて仕方がありませんでした。


雨の日、背戸に子猫が1匹でいました。

雨をしのぐ為にそこにいたのでしょう。

親猫の姿はありませんでした。

私は家に戻り、猫が好きそうなものを持ってその場所へ戻りました。

食べ物をちらつかせると、子猫は寄ってきました。

隙を見て子猫を捕まえると、急いで家の中に戻りました。

家の中で手を放してしまったところ、子猫は机の後ろへ逃げ込んでしまいました。

母に

「子猫を捕まえたよ。飼いたい」

と言ったところ、

「あかん。元の場所へ戻しておいで。親猫が探すやろ」

と言われました。

その時、胸に痛みが走りました。

親猫が子猫の事を探す。

親猫が子猫の事を心配する。

そんな簡単な事を当時まだ小学生だった私は思いもしなかったのです。

親猫も子猫も可哀想だと、母に言われて初めて気が付きました。


母が子猫を捕まえて外へ出しました。

私はもう、外へは出なかったので、あの雨の中、子猫は無事に親猫に会えただろうか?

私はなんてことをしてしまったのだろう?

と今でも胸が痛みます。



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