1話 : ロックンロールはイカヅチ
僕にとって、叔父の部屋が秘密基地から宝箱に変わったのは、叔父が姿を消してから一ヶ月経った頃だった。
母親と父親に失踪理由を尋ねたが、答えてはくれなかった。その深刻そうな様子に、これ以上理由を追求することがはばかられ、叔父の話はタブーとなったようだった。
大好きだった叔父を失った悲しみに耐え切れず、僕は夜中に叔父の部屋に忍び込み、ヘッドホンでレコードやCDを聞いた。
僕はそのとき、雷に撃たれた。ロックンロールの雷だ。
失恋と失踪のダブルパンチにより、僕の心にあいた穴を埋めてくれたのは、皮肉にも叔父が残していったロックンロールだった。
好きなものを失った僕に、ロックンロールが炸裂した。
どう表せばいいのかわからないが、この世にこんなものがあったのか!という感動。たった3つの楽器と声で、人の感情はこれほどまでに高ぶり、脳みそが揺さぶられる。
僕はヘッドホンをつけながら、家族にばれぬ様、踊った。こっそりやるので、奇妙な踊りだったと思う。でもそれでよかった。だって誰も見ていない、ここはいま、僕の城だと思った。
部屋の隅から、叔父のバンドのCDとライブDVDを見つけた。
これまでは、スポットライトの下でギターを弾く叔父を、ただ「カッコイイ」の憧れにしていた。しかし、叔父のその奏でる音楽もまた、とんでもなく素晴らしいものであると思い知ることになった。
叔父とフランホールジュニアは輝いていた。叔父に弾かれるために生まれてきたようなフランホールジュニア。その一鳴り、一鳴が、観客を熱狂させている風景は圧巻だった。叔父は、ステージの上で、どんな気持ちだったろう。
あんなふうに、僕もギターと関係を築ければ……。叔父への感情に、憧れのほかに「羨ましさ」が生まれたのもこの時だったと思う。
ギターをやり直そうと思い立ったが、以前練習に使っていたエレキギターは、僕が失恋し、もうギターを弾かないという宣言をしてすぐに、叔父が知り合いに返してしまっていた。
恋に現を抜かしてないで、もっと早く、ロックンロールに撃たれていれば!
後悔先に立たず。
しかし、ギターはある。
叔父の、フランホールジュニアだ。
叔父はギタリストにしては珍しく、一本しかギターを持たなかった。
特定のギターをトレードマークとしているミュージシャンであっても、サブで同じギターを持つことが多いが、叔父は本当にこれ一本だった。
そして、このフランホールジュニアを命よりも大切にしていた。それなのに叔父はそのギターを、置いていったのだ。
叔父のフランホールジュニアは、ギター用ハードケースに入って、部屋に静かに佇んでいる。
このギターを拝借して、練習する気にはなれなかった。なぜなら、やはり彼女は叔父のギターだからだ。何万人のファンを虜にした、叔父のギターだからだ。叔父に弾かれるために生まれてきた、フランホールジュニアだからだ。
そして、叔父がいつかこのギターを取りに帰ってくるという、僕の希望だからだ。
別のギターでもう一度練習を始めようにも、我が家にギターを持ち込むことは至難の業である。
そう、父だ。
僕の父は、頑固な堅物で、いつもしかめ面で新聞を読んでいるような人だ。超が付くほどクソ真面目で、公務員をしている。
先に述べたように、父はバンドをしている叔父を突っぱねていた。理由は知らない。
父はときたま叔父に向かって嫌味のような言葉を吐くが、叔父は何も言わなかった。ぼうっとした、生気の失せた目で聞き流していた。険悪な空気になると、母がなだめるのが常だった。
父は僕に対して、ロックンロールに触れることを特に嫌がった。
「あんな奴みたいになるな」
それが父の口癖だ。
父は、自分の弟が失踪したときも、何も言わなかった。
思い返せば、叔父がいなくなる前日、二人が口論をしているのを見かけた。いつも父の嫌味を聞いているだけの叔父が何か感情的になって言い返し、母が仲裁に入っていた。
そしてその翌日、早朝に物音がしたので玄関に降りてみると、靴を履いている叔父に出くわした。
「出かけんの?こんな早くから」
僕が尋ねると、叔父はブーツの紐を結ぶことを辞めず、答えた。
「ああ。ちょっとね」
僕はふうん、とか言ったと思う。
ドアを開けるとき、叔父はふと、思い立ったように、でも意を決したように振り返ってこう言った。
「侑斗さ、俺の部屋、今後勝手に入ってもいいよ。好きに使いな」
それが、僕が聞いた、叔父の最後の言葉だ。
幸いにも、父は叔父の部屋を解体せず、叔父と彼の部屋をもとからないもののように扱った。よって、我が家では叔父の話はタブーとなったが、僕の宝箱は奪われなかった。
それから僕は、昼間は学校へ行き、勉学に励み、父の理想的な息子となった。深夜になると、コソコソと自室から這い出して、宝箱でひたすら趣味に興じる。
特に、ファジーフォックスのライブDVDは幾度となく繰り返し見た。叔父の姿を見るために、と言うより、叔父のフランホールジュニアを見るために。
ただ、本物は同じ部屋の片隅に置いてあるというのに、どうしても見ることが出来なかった。あのギターを手にしていいのは、手にできるのは、叔父だけだからだ。一人と一本は、相思相愛、僕はそのストーリーに必要ない人物だと、そう言い聞かせいていた。
父に秘密でロックンロールを愛している罪滅ぼしなのか背徳感なのか、ごまかしなのか、勉強は懸命にやった。趣味の次くらいに懸命にやった。その結果、そこそこの都立高校へと進学することができた。
叔父が失踪して5年の月日が流れ、僕は高校3年生になった。
まだ、ギターには触れない。しかし、僕のロックンロールとギターへの愛だけは膨らんでいった。
そんな高校生活最後の秋。
僕は大学の推薦入試に合格した。
父は、僕が大学に進学することについてはこだわっていたが、別に一般試験を受けろとは言わなかった。日々の努力による成績で、入学のチャンスがあるのなら素晴らしいという考えのようだ。
自分としても、すでに行きたい大学が決まっていたため、推薦入試を受けた。機械工学系の中堅大学で、自宅からも通える距離だ。機械工学系の大学を志望した理由は、ただ単純に「音響設備に詳しい軽音部とかがありそう」だった。父も、機械系ならば食いはぐれることはないだろう、という謎の持論の元、僕の進学に肯定的だった。
「おめでとう」
合格通知を見せた際、ツチノコよりも珍しい微笑みを拝見することができた。
父はいつだって、僕が成功することを喜んだ。大好きな叔父とは折り合が悪かったが、僕は、父は父で嫌いではないのだった。
*
良い高校に入ったからと言って、キラキラした高校生活が待っているわけでは、別に、ない。
スポーツをしてきたわけでもなく、だからと言ってギターが弾けるわけでもなく、自分の好きな音楽をレコメンドするほどの話術も持ち合わせていない、「ただのロックンロールが好きな男子」となった僕のスクールカーストは、下の中ぐらいである。
そして、恋愛青春ドラマのような夢もろくになく、僕の高校生活は幕を閉じようとしているのだった。
休み時間は、同じスクールカーストであろう友人二人と大抵一緒にいる。
「あ、お前、そういや大学うかったん?」
鼻をほじりながら僕に尋ねる友人がいる。
頭の形がきれいな、この短髪の男を清水 幸也という。彼は野球部を引退して数か月が経ち、坊主頭から脱却しようと髪を育てている。彼は僕とつるんでくれてはいるが、スクールカーストが上のほうの、所謂「にぎやか系」の人間とも仲はいい。
「うん、とりあえず」
「いいなあ。お前もう今学期終わったら超パラダイスじゃん。超休みじゃん」
そうなのだ。パラダイスなのだ。僕の高校は、3年生の3学期は自宅実習となる。とはいっても、大学からの課題があるのだが。
「幸也、鼻クソほじんのやめろよ汚い」
尚も鼻くそを掘る幸也に注意したのは僕のもう一人の友人だ。
黒縁眼鏡で背が低めの彼は、湧井 正一という。僕と幸也はワクさんと呼んでいる。ワクさんは、科学部という名の、ひそかにオタクが集まる部活に入っていて、幸也とは対照的に静かなクラスメイトと仲が良い。
ちなみに僕は帰宅部なので、なんの部にも入ってはいないが、仲良くしてくれている二人のおかげで、目立つタイプではないもののクラスメイトとは問題なくやれている。
一見まったく正反対のタイプである幸也とワクさんであるが、なぜか馬が合うようだ。不思議なものだ。
「ワクさんは進路どうすんだっけ?」
「僕は薬学部受ける」
「へえ、形だけの科学部じゃなかったんだ」
幸也の言葉に、ワクさんはジトッとした目を眼鏡のレンズ越しに寄越した。
「まあまあ、お前も俺もそんなかわんないだろ。俺は夏の大会は一試合で負けて敗退。汗臭い青春ドラマ無し。こいつは帰宅部。言うまでもなく青春ドラマなし」
幸也は僕を親指で示し、嘆きの表情をしていう。
「お前はモスト・オブ・ヒッソリ系の部活で、青春ドラマはなし」
ぶー、という顔をして、幸也は顔の前で腕を交差し、バッテンを作った。そして、教室前方を指さした。
「ああいうのには、なれないんだよ」
幸也の指の先には、生島 春樹がいた。
春樹。ハルキ。名前の響きからして、なんともイケメンであるが、彼は実際イケメンである。背が高く、甘いマスク。猫っ毛の柔らかい髪。そしてなんといっても、彼は軽音部に所属しており、バンドでボーカルギターをやっている。
優しく、明るく、成績もよい。そんな彼の周りには男も女も集まった。先生ですら生島君を贔屓している気がする。
生島君は声もよい。MCも高校生受けするようなものだし、ギターも弾ける。バンドは当然人気があった。先日の文化祭では、生島君の姿を拝み、声を聴こうと大勢の学生が体育館に集まった。
僕ももちろん聴きに行った一人である。そして驚いた。彼が使っていたギターが、ジェイソン社の白いフランホールカスタムだったからだ。僕ら高校生がヒョイと購入できるシロモノではない。一本40万するギターなのである。目と口が開いたままふさがらなかった。
フランホールカスタムがより彼をグレードアップさせたのか、体育館で演奏する彼はどう見てもロックスターだった。
あとから幸也に聞いたところ、生島君のお父さんはどこぞの企業の社長さんであるらしく、ビンテージもののギターを集めるのが趣味だそうだ。生島君のギターも、お父さんからのプレゼントだったらしい。僕の家庭とは正反対で、羨ましい限りである。
生島君の席のすぐ横の壁には、ギターケースが立てかけられている。あの中に、あの中に、白くてきれいな、フランホールカスタムが…そう思うだけで心臓がばくんばくんと高鳴る。僕は、透視するかのように、そのギターケースの中にあるフランホールカスタムをイメージした。
「え!ハルキくんライブするの?」
女の子の喜びに満ちた声がした。気が付けば生島君が、数名の女子生徒に囲まれて話をしていた。
「うん。それが受験前最後のライブになるかな。ぜひ見に来てよ、俺、一生懸命やるから!」
生島君は、すごい。「俺一生懸命やるから」という言葉を、僕はとびきりの笑顔で発言することが今後あるのだろうか。しかも女子に囲まれて。そしてフランホールカスタムを携えて。
「え~!行きたあい!どこでやるの?」
「渋谷!」
「え~!すっごおい!超いく!」
「僕は生島、あんま好きじゃないな」
そう傍らで呟いたのは、ワクさんだった。
「なんで?」
僕が聞くと、ワクさんは周りに聞こえないよう、小声で言った。
「あいつ、なんか、品のいいカツアゲ?まがいをしてるってウワサあるし」
僕と幸也は、だらしない顔をしていたと思う。カツアゲ?しかも品のいい?カツアゲに品のいい悪いがあるのか、とも思ったが、そもそもあの世界の生島君がそんな悪事に手を染めているとは微塵も思えない。
「お前、ひねくれすぎだろ!」
幸也が笑いとばした。
ワクさんも本気ではなかったらしく、「ま、ウワサだからね」と付け加え、こう言った。
「僕はいけ好かないってことにしといてよ」
人気者は大変だ。万人に好かれるわけではない。僕みたいに、ふわっとした存在はそういう感情を持たれにくいから、それはそれでまあ楽だ。
*
放課後、僕は少し興奮していた。
生島君は、今日、学校にギターを持ってきていた。つまり、学校でバンド練習をしている可能性が高い。つまり、フランホールカスタムを拝める可能性が、高い。
残念ながら、僕は生島君とそれほど会話をしたことも無ければ接点もない。仲が良ければ、「ハルキ~今日バンド練?見に行っていい?え~いいじゃんちょっとくらい~ギターみしてよ~」と言うことは容易いはずだ。イケイケな感じで。
軽音部はたしか、第二音楽室の使用を許されていたはずだ。僕は幸也とワクさんに適当な理由をつけて先に帰ってもらい、一人でこっそりと第二音楽室へと向かった。
ドムドムと、バスドラムの音が聞こえるので、バンド練習が始まっているのは確かだが、音楽室の防音設備であまり音が聞こえてこない。ドアを開けて覗くなんてことをすれば、気が付かれるかもしれないし、通りかかった学生に不審に思われる。音楽室の防音設備が、憎い。
これまでか…と思った時だった。隣に『第二音楽準備室』があることに気が付いた。いつも鍵が閉まっているはずだが、イチかバチかでドアノブを捻ると…空いた。
スキップも同然な足取りで準備室に忍び込む。バンド練習の音が少し大きくなり、フランホールカスタムのキラキラした音色が耳に入った。音楽室には、フランホールと相性が抜群のギターアンプ、シャンディが入っていたから、最高の組み合わせだろう。
白いフランホールの音色。アルペジオだ。甘い音。でもどこかキラキラしている。宝石みたいだ。
歪ませたのか、音色が変化した。ハードロックでも通用するようなエッジの効いた音になる。僕は、フランホールのこの二面性が大好きだ。まるで、まるで、とっても誘惑が上手な、女の人みたいだ…。
しばらくうっとりとしながら音色を聴いていたが、だんだんそのフランホールカスタムの姿を見たくなってきた。ライブハウスに行く勇気もない僕は、ギターを生で拝む機会はそうそうないのだ。
覗けるような場所を探した。その挙動は、女子風呂を覗く不審者そのものだったと思う。
弾かれているとことが見たい…弾かれているとことが見たい…頭の中でそう念仏のように唱えながら、屈んだ。
木琴の足の下あたりに、小窓を見つけた。教室によくある、開けると足元が涼しくなるあの窓だ。
僕は木琴の下にもぐりこみ、小窓を少し開け、生まれて初めての覗きを決行した。
見えた。ちょうど、歌っている生島君の正面だ。下から覗いているため、フランホールのボディしか見えないが。真珠のようなきれいな白色に、金色のブリッジとピックアップが輝いている。
「うわあ…」
思わずつぶやいていた。
当たり前だけれど、ギターを弾いてる、ギターが弾かれている、と思って感動した。
あのきれいで可憐な容姿から、ブーン、と歪んだ、内臓にまで響き渡る重音までもが作り出される。この世の神秘で、ギターは一本の芸術作品だ、と僕は思う。
いいなあ。生島君は、あのギターと同じ家に帰り、好きなだけ一緒に居られる。そして彼の家には、たくさんのビンテージギターもあるのだろう。
…いや。僕の家にもある。可憐で、そして可愛い、フランホールジュニアが。僕だってその気になればいつでも彼女を…いや、あのフランホールと僕は、叔父さんを待っているんだ。あのフランホールは叔父さんの……清士叔父さんのための…!
考え事をしていたときだった。生島君が動き、視界から外れた。もちろん、フランホールは見えなくなる。
しまった、もうちょっと態勢を変えて……と、勢いよく頭を上げた瞬間、頭に衝撃が走った。僕は忘れていたのだ。木琴の下にもぐりこんだことを。
ぐわんぐわんと歪む景色。はじける星屑。なぜか、夢のような幻が見えた。
叔父が、高校の体育館のステージでただ一人、ギターを弾いている。久しぶりに見た、叔父の姿はとてもかっこよかった。そして、何より、フランホールジュニアが、卑しいほどに可憐で仕方がなかった。
あの子は、生島君のフランホールよりも…
なぜかそう思ったとき、小学5年生の記憶がよみがえった。始めて叔父のフランホールジュニアに触れた日。あの手触り、におい、形、色、音…!
*
「おい、なんか物音しなかった?」
「見てくるよ」
バンドメンバーに言われ、生島 春樹は音楽準備室の扉に近づき、ドアノブを引いた。
「気のせいじゃん?なんもいないよ」
*
何とか素早く木琴から這い出し、光の速さで音楽準備室から飛び出した僕は、風のように走っていた。
家へ帰るために。
どうして気が付かなかったのだろう。早くこの気持ちに気が付けばよかった。僕は、ずっと僕は、フランホールジュニアのことが好きだっんだ。ただの好きじゃなく、もっと恋に近い!
この気持ちを早く認めていれば!
はっきりと、いま、思う。
叔父の帰りなど待っていられない。僕は、もう一度、あのフランホールジュニアに、会いたい。
*
「ただいま!」
何時にもなく大きな声が出た。幸い父はまだ帰ってきていない。
足を止めることなく、2階へと駆け上がり、手をよく洗った。
「よし…」
意を決し、叔父の部屋へと入る。そして、部屋の隅に置かれている、ギターハードケースの前に立った。
ばくんばくん、と心臓が高鳴っている。
震える手で、ギターケースを持ち上げた。重量感がある。確かに、ここに、フランホールジュニアが入っているのだ。
カーペットの上にギターケースを慎重に横たえた。金具を外す、ばちん、という音ですら、僕の心を高ぶらせる。
僕はギターケースの前に正座していた。
秋の夕日が、叔父の部屋に入り込んで、静かに宝の山を照らしていた。
いいのだろうか。本当に。
叔父はこの部屋を好きに使えと言い残し、すべてを置いて消えた。
すべてのロックンロールを置き去り、自身が築き上げてきた、バンドのCD、DVDも手放した。
そして、この、目の前にある、大切に、大切にしていたギターまで。
このギターを使ってしまったら、叔父とはもう一生会えない気がしていた。
お前が使っているなら、帰らなくていいよねと、帰ってこない気がしていた。
でも僕は、もう待てない。
もう一度、彼女に会いたい。
夕日に染まる部屋で、僕はギターケースを開いた。
しかし、そこに横たわっていたのは、想像をはるかに超えるものだった。
「なに、これ…」
震えと鼓動が、振動を増した。
理解に苦しんだ。
1日で2回も、目を回すとは思わなかった。
黄色く、艶やかで美しい髪と長いまつげ。
白い、透明感のあるきれいな若々しい肌。
ギターケースの中には、女の子が入っていた。
きれいな秋の夕日が町を染めたその日、僕は彼女と出会ったのだった。