表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

10人のショートストーリー

10人の透明人間

作者: 相戯陽大

①透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「生まれつき透明なんです。でも、透明じゃない方が何かと便利だと思いますよ。」透明人間は答えた。


②透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「透明になってなにする気なの?」透明人間は答えた。


③透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「透明人間なんて見世物にされるだけだよ。君たちは僕みたいなサーカスの猿になりたいのかい?」この映像はオンエアされなかった。透明人間は堪えた。


④透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「それを説明して理解できるほど賢い人なら、そんなことは聞かないはずだよ。」透明人間は答えた。


⑤透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「簡単です。我が社の製品『ステルスマント』を被れば誰にも見えません。」視聴者は堪えた。


⑥透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「世の中には男と女がいるように、透明な人と不透明な人がいるんです。反対側に行くためには…努力しかありません。」特定の人たちは悶えた。


⑦透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


透明人間は何も言わなかった。テレビ局は堪えた。


⑧透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「そんなの、僕を見ている人全ての盲点に入ればいいんだよ。」視聴者は堪えた。


⑨透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「そんなの、僕を見ている人全ての死角に入ればいいんだよ。」透明人間はカメラマンの後ろにいた。放送局は堪えた。


⑩透明人間が実在するという噂がたってから1年後、ついに透明人間がテレビに出た。アナウンサーは透明人間に透明になる方法を訪ねた。


「ものすごく大きな未練を残して死ねばいい。」全世界は震えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 個人的な好みですが⑩でキレイにオチた感じが好きです。 [一言] 透明人間は思春期男子の夢ですね。
[一言] ④と⑩が好きです。 特に④が好きです。 なるほど~ってなります。 「10人の○○」の次回作待ってます! では、また~!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ