表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⑪無音な奏曲の囚われ人  作者: 邑 紫貴
無音の世界へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/35

アジュールは二度死ぬ


外部サイトからの侵入。それは可能。

けれど、それを気づかれることなく成し遂げなければ意味がない。

その流れを把握し。本来なら、それを見つけて排除・侵入の対策・未然に防ぐこと。それが俺の仕事。


一人娘を喪った父の怒りは、俺達兄弟の予想を遥かに超え。

財力・権力を全て駆使し。俺たちの復讐より先にいた。

少しの猶予。

娘の想い。アジュールに託した正統な復讐を、俺達兄弟に任せて欲しいと願った。

そう、これはミイロの家族による復讐。


二周目。

チャット機能が運営により制限されているからか、他の属性の町には自動的に招待状が届いた。

ギルド加入も、実績メリットは自動で解除されて。イレギュラーの対応。

つけ入る隙を与えるようなもの。

構想はできたものの、あと一つ決定打がない。


大規模な攻略も失敗に終わり。

運営の目を逸らすために寄託したカプリチオは、新たに奥義を手に入れる。

楽水の希望した単体攻撃。

イベントで配られる奥義のデータを覗き見。狙った奥義を手に入れる事に成功する。

ある程度整ったステータス。

画面に表示されたカプリチオを、俺と楽水で見つめ。

「このモフがウザい。」

女性も気に入るだろうモフモフのキツネ。表面上は可愛く。

まあ、運営の粘着みたいなものだな。

「それも利用できる。で?カプリチオは万全か。」

「そうだな。最後に、ぽこぽんを介したい。」

楽水にしては、気に入ってるんだな。

「リアルで会うか?」

「やだ。」

拗ねたような表情。復讐には参加して欲しいと思わない相手。

コイツに説教するほどだからな。ミイロが健康であったなら。


これからカプリチオはゲームから消える。そんな別れの間際。

実際、楽水とぽこぽんとのやり取りを横で見ながら。

教えてやらないのか。

まぁ、ゲーム内だとそうなるよね。でも外部チャットがあるんだから。もう少しさぁ。

本当に気まぐれな奴。

楽水がライバルだと認めた相手。

それはゲームでの出会い。名前も顔も知らない画面の向こう側にいる人。

リアルと変わらない感情を向けて。最低限の会話で別れ。


炎の町。酒場でカプリチオは酒を飲み。宿屋に泊まる。

「占い結果だ。」

『未来 に 繋ぐ』ミイロと同じ占いの結果。

この外部サイトの占いは父が買収した。

けれど占いに関与はしていない。それは『ラピスラズリ』も同じ。

これは運命。

俺の試したい事。この占いから侵入することと、カプリチオの二周目があるかどうか。

悪趣味な運営。アジュールと会話も出来ないゲーム。終わらせようとするカプリチオを逃がしはしない。

二周目を必ず与えるだろう。


孤独なオンラインゲーム。『純愛など許されない』

ふざけやがって。


次の日。カプリチオは【難攻不落】に挑み。奥義を使う。

大ダメージを与えるが、即死までに至らない。何が奥義だ。

そしてカプリチオは死に。画面に表示される期待どおりの文字。


『新しい属性を引き継ぎ、ゲームを再開しますか?』


スタートを押すと。ミイロの時とは違う画面に切り替わる。

それは初期状態。名前・アバターの選択から。属性を引き継いだ本来の二周目。

予想外に、俺達は画面を見つめたまま。

「どうする?」

「二周目があるなら、するのは決定していた。まさか、こちらに選択権があると思わなかった。」

そう、カプリリオを使うかどうか。奥義でも勝てない相手。

選択の状態で止まった画面を開いたまま。

向こうに、こちらの動きなど読ませない対策はしてある。

今後を、どうするか楽水と話し合う。


カプリリオの二周目。属性。

どうすればラスボスを倒せるのか。


「兄さん、そのアバター。僕に頂戴。」

いつ来たのか。タクマが後ろから。

「頂戴って、お前にはアジュールを任せたよな。」

「ヒロインがいるんだ。」

何を言っているのか分からない。けれど目は真剣で。

タクマはパソコンに近づいて、アバターの選択を女で設定し。ミライと名付けた。


「アジュールは二度死ぬ。」


その言葉に。寒気が生じた。

「まさか挑戦状か。」

「うん、こちらの日時指定を待っている。カプリリオの二周目が決定したからだと思った。来てみれば、やっぱりね。悪趣味な運営の考えそうなことだろ。」

「ちょっと貸して。」

タクマからパソコンを受け取り。

楽水は検索機能を使用して、ぽこぽんを探し。チャットを試みる。

するとチャット機能は使えて、向こうからの返事も届いた。


本来の二周目。そうだ、二周目の確率を設定したのはアカウントが取り込まれるという噂から。

チャットできなければ意味がない。

確率で二周目を与え、普通に再スタート出来なければ。

アジュールがイレギュラー。

そんなに二人を引き裂きたかったのか。

「外部チャットで、ぽこぽんと話す。」

俺達は、ぽこぽんからの情報で決定打を見つけ。

タクマの言っていたヒロインの重要性が増す。


タクマの初恋。ミイロと楽水の恋。

それをアバターに託し。アジュールは二度死ぬ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ