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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られたい〜  作者: 黒砂 無糖
家族

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94/201

自業自得な甘い考え

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 部屋で1人これからの事を考えてみた。


 ティトと話をして、私の前世での認識の甘さを知った。


 私は自分が道場を継ぎ、子供達から必要とされていて、私がいなければ道場が無くなってしまうと思っていた。


 でも、それは幻想で、実際の運営は祖父の甥の叔父さんと叔母さんが、お爺ちゃんから受け継ぎ担っていた。


 ——みっともないわね


 私は1人でその気になって、勝手に空回りしてただけだった。


 お爺ちゃんお婆ちゃんには、大学へは行きなさいと言われたが、早く祖父母の力になりたくて、高校を出て就職した。


 お爺ちゃんが倒れた時、会社を辞めて道場を手伝うようになったんだ。


 お婆ちゃんには、会社を辞める事を止められたっっけ……


 お爺ちゃんが亡くなる前、私は自由に生きていいと言われ、道場はもう終わりにすると言われた時、私は必要ないと思われたくなかった。


 私がやると、家を継ぐ事に固執した。きっとあの時、叔父さんが手を貸してくれたんだ。


 ——お爺ちゃん呆れただろうな。


 私は、表面的な事だけして満足していた。


 子供のおままごとの延長だったんだ……


 叔父さんはいつか飽きるだろうと、ずっと、見守っていたんだろうな


 叔父さんから給料を貰っていた事にすら、何も疑問を持たないなんて、どの口が経営していたなんて言えるのか。


 迷惑しかかけてなかった。


 私が転移したのは、叔父さん達にも都合が良かったかもしれない。


 ふぅとため息が出る。


 現実を知り、もっと悲しくなるのかと思ったが、実際には肩の荷が降りたように感じた。


 私は背負わなくて良い荷物を、自ら持っていただけだったみたいだ。


 「情けないな」


 気付いたら呆気ない。私は祖父母から愛されていたし、叔父さんも優しかった。


 自分だけ不幸だと、孤独だと、勝手に可哀想な子に成り下がっていた。


「しっかりしなきゃな……」


 浮気男も騙されたと思っていたけど、彼自体は元々は普通の人だったし、以前とは違って上手く付き合っていた。


 自分が道場に固執して、祖母の介護に意識が逸れてから、恋人らしい関係は崩れた。


「自分の事で手一杯だったよな」


 疲れているからと相手を邪魔にして、イライラしてる時八つ当たりもした。


 私の苦労を、何で貴方は理解してくれないのかと責めた。


 彼は、何度も無理するなと、気晴らしをしようと言ってくれたんだ。


 言われる度に、私は無能だと言われているように感じてしまい、貴方には分からないと助言を聞き入れる事をしなかった。


「私が悪いんじゃない……」


 甘え過ぎたんだ。


 別れた後も、自分の至らぬところを認めたくなくて。いつまでもぐじぐじしていた。


だから、彼はわざわざ荷物を届けに来て、先へ進めと、しっかりしろと背中を押したつもりだったのかもしれない。


「いや、でも、アレはきっと、いつまでも私を気にしていたのがバレて、彼女から、陰道渡すように言われたやつだな」


 ふふっと笑いが湧いてきた。


 なんだ、私もう彼の事なんて気にしてなかったんだ。自分のプライドが私を裏切るなんて許さないってた。


 それだけだったんだ……


 彼は彼なりに頑張っていたんだ。


 私は彼の気持ちを無視していた。


 私は彼の思いに胡座を描いていた。

 

 愛される努力はしていなかったわ。


「そりゃ私よりも、彼を求める子がいたなら、そっちに靡くわよね……」


 ちょっとしたキッカケで、自分がどんどん冷静になっていくのが分かる。


 彼からも傷つけられたと思っていた。


 また、裏切られたと。


 でも、一歩引いてみれば、それは自分の思い込みだった。


「なんだろ、もしかしたら、私は思い込みが激しかったのかも知れないわ?」


 元々そうだったかな?と思いを馳せるが、記憶の中がごちゃついていて思い出せない。


 お爺ちゃんお婆ちゃんが元気だった時は、そんな事はなかったはずだ。


 基本的には楽天家だ。そうか、祖父母に不調が、現れて不安だったんだわ。


 不安を受け止める事が出来ずに、見て見ぬ振りをした結果、視野が狭くなったのかな。


 否定されるのが怖くて、人の話も聞かなくなって、独りよがりな考えになったんだ……


「あー、自業自得じゃ無い。嫌になるわ」


 その時コンコンと扉をノックする音がした


「はい?どうしましたか?」


 扉を開けると、ペリルがいた


「うん、考え事するなら、甘い物あった方がいいかなって思って」


 そう言って、ペリルが、一緒に作ったクッキーを差し入れてくれた。


「あと、これも」


 もう一つ貰ったのは、ソージュ作のアイスクリームだ。


「お茶は持ってる?こっちは気にしなくていい。ゆっくり考える時間も大切だよ」


 ペリルは私の顔を注意深くみつめている。


「……ありがとう。ソージュにも後からお礼するわ。お茶も持ってるから大丈夫。もう少し自分と向き合ってみるね」


 2人とも心配してくれているんだ。


 ちゃんと考えよう。


「分かった。夕食は取っておくから好きな時に食べるんだよ?」


 ペリルが頭を撫でてから、扉を閉めた。


「夕食?もうそんな時間だったの?」


 この部屋には窓がない。時計をしている訳でもないから時間がわからなかった。


「……美味しい」


 ペリルが届けてくれたアイスクリームはいちご味で前に食べた物ではなく、ソージュが新しく作ってくれたみたいだ。


「私、随分と大切にされてるわね」


 冷静な今だから分かる。


 こちらに来てから、皆これでもかと大切にしてくれている。


 そのお陰で、私はお爺ちゃんお婆ちゃんを失った悲しみと、失恋した落ち込みを受け入れる事が出来たんだ。


 過去は変えられないんだから、それはそれとして受け入れて、前に進もう。


 もう、傷ついたからといって、感傷に浸るのにも疲れてきた。


 記憶と心に多少の歪さは今でもあるけど、私は幸せだったんだ。


「これからの事、考えなくちゃ」


 こちらで生きていく。


 もう、決めてしまおう


 迷うかも知れない。でも、いざとなったら、帰るくらいの気楽さで、エストラゴンの娘として新しい人生を始めてみよう。


「魔王討伐迄に、この世界の事と、貴族の事を学ばなきゃね?」


 ソージュの隊にしてもそうだ。


「やれる事は沢山あるはずだよね。ちゃんとお仕事としてやらせて貰おう」


 ソージュとペリルに関しては、この先、時間ができるんだから、今までほど、焦らないはずだ。私も幸せになる為にじっくり見定めたい。


「とりあえず、色々教えてもらわなきゃね」


 アイスとクッキーを食べたのに、テンションが上がってきたからか、お腹が空いた


「夜ご飯、皆食べちゃったかな?」


 よし!っと気合い入れて立ち上がり、グッと背伸びをして扉に向かう。


 ガチャっと扉を開くと


 皆が食卓についたままこちらをみた。


 卓上には何もない。


 もう食べ終わったのかな?


「お?チャコ、もう飯食うか?」


 パパが手招きしている。


「俺が持ってくる。オリガン手伝え」

 ソージュとオリガンがキッチンに向かう


「チャコ、皆今から食事だからちょうど良かったよ?」


 ペリルはそう言うが、どう見ても待っていてくれたのだろう事がわかる。


「ありがとう。お腹空いた!」


 ——もう、泣かない。


 私は配膳を手伝う為にキッチンへ向かった。



チャコ、やっと残る気になりました。

3人の関係は、ほんの僅かなズレが先を決める鍵になるのです

チャコが気付き始めます

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これからも頑張ります!



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