気をつけてって言ったよね?
今は使わない油達を空間魔法の引き出しにしまい、餃子の仕上げにごま油を、鉄板全体に少量回してパチパチしたら保存
せっかくだからラー油も作る
ごま油を魔導炒め鍋の小さいのを使う。鍋にごま油を入れて温める
ネギ、ニンニク、生姜、山椒を温まって油に入れて香りを付ける。その間に唐辛子だ
「ペリル、これ粉にはならない程度に細かく粉砕して?」
鉄のボールに唐辛子を入れておく
「これで良い?何してるの」
ペリルとソージュがボールを覗き込む
魔導炒め鍋の油が熱くなりニンニクがこんがりして、周りには香ばしい香りが漂う。網で熱した野菜達を掬い濾す。
「いい香りだな?何作ってるんだ?」
ボールの前にいるソージュはペリルと揃ってこちらを見ている。
「熱い油が入ると、目にしみるから気をつけて下さいね?」
ぐつぐつ熱した油を唐辛子のボールに一気に流し入れる。
この時の私は引け腰だ。
ジュワーっといい音と、辛そうな香りが一気に立ち上がる。
「うわっ!」「はっ!クション」
2人には注意したのに、覗いていたからモロに辛み成分が目と鼻に染みた様だ。
攻撃力は抜群だ。
2人とも涙目になってショボショボしている
「だから、気を付けてって言ったよね?」
2人はうんと頷いているが、だから言わんこっちゃない。
私悪くないよね?
「はい、とりあえずどちらも出来たから、あとは……スープかな?」
丸鶏スープにしようかな?
「ペリル、丸鶏この間の時くらいに切って大きな鍋に入れて?」
肉を切るのはペリルにお願いする。
「ソージュは、鍋にネギ、生姜、ニンニクを放り込んで?ニンニク生姜はスライス、ネギぶつ切りでいいわ」
「チャコ、鶏切ったよ、鍋に入ってる」
ペリルの仕事は早いから助かる。鍋にお水を入れる
「この鍋に入れていいのか?」
香味野菜を切ったソージュが、鶏と水の入った鍋を指さしている。
「そこでいいです。2人ともありがとう」
全て入れたら、お酒少しと塩を入れて、沸騰させて、火を弱める。
「ペリル、時間経過できる?2時間位」
最後はペリルにお願いして、横着して最後に強火にしてあくを取る。
「とりあえず、鶏スープベースが出来たから半分使おうかな?」
6杯の鍋に半分スープをとりわけ、最後にレタスをちぎって入れて、ごま油を少し垂らして黒胡椒を引いたら
「鶏とレタスのスープの出来上がり」
食卓には、焼き餃子、鶏とレタスのスープ、食べたい人にはパンを並べた。
「餃子は、ビネガーと塩、胡椒、辛いのが好きなら手作りラー油を付けて食べてみて下さい。
餃子は中がかなり熱いから、気を付けて食べて下さいね?」
絶対誰かやけどするよな……
「あっつい!」
オリガン、やっぱり貴方ですか……
オリガンは慌てて水を飲んでいる
「うまい!うまいぞチャコ!」
作り終わる頃に、丁度エストラゴンは武器屋から戻って来ていた。
エストラゴンは美味しくて立ち上がり叫んでいる。余りの気に入りようにこちらが驚く
「熱っ!気を付けない本当にやけどするな」
ソージュは、上手に熱さを逃しながら食べている
「辛っ、これ辛いね?でも、癖になる辛さだね?」
ペリルはラー油が気に入ったみたいだ。
私も餃子を食べる。それっぽい野菜達だったけど、ちゃんと餃子になった。
しかし巨大な炒め鍋に、ずらっと並ぶ餃子は中々愉快だ
「俺このスープ好きだなぁ」
オリガンはスープが気に入った様だ。
「行儀は悪いけど、スープに餃子入れて食べても美味しいですよ」
と、教えたら、3個位餃子を入れていた。
残りの餃子は、鶏スープを使って水餃子にしようかな?
「食材の組み合わせなんだろうな?この風味はこちらの世界では余りない食べ方だ。
でも、作るのも楽しかったしとても良いな」
ソージュは餃子の虚無包みが、どうやら気に入ったようだ
エストラゴンは黙々と食べている。
喋る暇は無いらしい。
「レタスって煮るとしなしなになるのにシャキシャキだね?」
ペリルは真剣にレタスに向き合っている
それぞれの餃子の領域を消費し終わる頃に、残るのは私の前の餃子だけになった。
もっちり厚めの皮の大きなサイズで150個あった。1人30個だったけど、やっぱり足りなかったか
私は頑張って10個食べたがお腹いっぱいだ
「後は皆さんで食べて下さいね?」
領域を開放したら、皆いそいそと10個づつ分けて食べていた。
「チャコ、これまた作ってくれんか?」
エストラゴンはかなり気に入ったらしい。
「俺もまた食べたい!」
オリガンもノリノリだ。
「俺は最初から見たいな」
ソージュは工程が見たかった様だ
「俺も食べたいから今度は手伝うよ?」
ペリルがいるなら秒で出来るわね?
「ペリル、貴方が手伝ってくれるなら、かなり簡単に作れるから、大量に作っていつでも出来るように保存しましょうか?」
毎回やるのは大変なのよ
「いいよ?少し休んだら作ろうか?」
ペリルが了承してくれた。
「バットと、ボールとストック用の鍋がもう少し欲しいな」
ソージュさんが、餃子をストックする用の器具が足りない事に気付いた。
「あ、俺買って来ますよ?次に向かうのは東の砦ですよね?そこに着く迄に合流します」
オリガンが買い出しをしてくれる様だ
「ナンパに時間とられるなよ?」
エストラゴンが釘をさしたら
「……しませんよ」
オリガンは、若干ガッカリして、エストラゴンと2人で「ご馳走様」と言って外へ行く。
ソージュがサッとメモをオリガンに渡した。
既に欲しい物は把握していたようね
「チャコ、お茶飲んだら始めようか?」
ペリルとソージュに挟まれて、お茶の後……
1200個分の餃子を作った。
全工程ペリルの魔法だったから、私は全く疲れなかった。
「ペリル、お疲れ様、ありがとう」
ちっとも疲れていないペリルをみて、
やっぱり魔法使いは凄いなと思った。




