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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られたい〜  作者: 黒砂 無糖
ヴァルドへの旅路

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幸せの味を一緒に

 丸いダイニングテーブルの真ん中に、ドーンと大きなサラダボールが置かれ、横にはガーリックトーストが積み重なっている。


「ペリル、ガーリックトースト、全部出すと冷めちゃわないか?」


 ソージュさんは、キッチンで食事の準備の指揮を取っている。


「半分だけですよ、残りはまだオーブンにあります。ソージュ様が暖かいのを食べたければ、都度出して来ますよ」


 ぺリルは、カトラリーを並べながら返答している。ソージュに温かいパンを渡す気満々なのだろう。


「じゃあいいな。エストラゴン、サラダの取り皿は?」


 今度は、エストラゴンにソージュの指示が飛んだ。


 いつもこんな感じで連携しているのかな?


「皿なら、こっちにあるぞ?」


 エストラゴンは皿を掲げて準備万端だ。


「ペリル、お茶はこれでいいのかな?」


 オリガンは、ドリンク係なのかぺリルに質問している


「ありがとう。オリガンそれでいいよ」


 身体の大きな男達が、ダイニングテーブル周りでせわしなくわちゃわちゃしている。


 ——なんか面白い。皆仲がいいな……


 と思いながら、私は既にスタンバイしてあったドレッシングをまぜまぜまぜまぜ……


「チャコ、ドレッシング出来た?」


 ソージュがいきなりこっちに寄ってきたから、思わずビクッとしてしまった


「大丈夫か?疲れたかな」


 私がぼんやりしていたので、


 心配そうにしながら、私からドレッシングを取り上げてペリルに渡した。


「……あ、ドレッシングならもう出来ました」


 ふとそれに気付き、出来た事を伝えた。


「……本当に平気か?」


 ソージュが私の顔を覗き込み、確認している。


「本当に大丈夫、皆がわいわいしてるのがいいなぁって思っていたの」


 ……ちょっと羨ましいなんて、思っちゃったわ。


「そうか?ほら、チャコも一緒だろ」


 ソージュは手を引いて席に連れて行ってくれた。私の席はエストラゴンとソージュの間らしい


「チャコ、沢山作ってくれてありがとう!」

 エストラゴンが、いい笑顔でお礼を言っている。


「チャコ、作り方も教えてくれてありがとう!」

 ソージュ、あなたは何でもすぐにできたじゃない


「チャコ、手伝いに必要としてくれてありがとう!」

 ぺリルは便利すぎるわ。きっとこれからもお願いする。


「チャコ、何も出来なくてごめん。作ってくれてありがとう!」

 オリガン、あなたはいるだけでいいんだよ。


 皆んな……嬉しい。優しいよ……涙でそ……


「「「いただきます!」」」


 声の大きさに、感傷の涙は引っ込んだ。


「い、いただきます」


 よし、私も食べよ!


「う、うまい!!」

 エストラゴン叫ぶ


「凄いな、肉に負けずに野菜の味がしっかりしてる。うまいな」

 ソージュはしみじみ味わっている。


「アク取りって大事なんだね。いつも食べるシチューより優しい味だしスッキリしてるよ?」

 ペリルは自分のやった、アク取りの必要性を感じている。違いが分かる男だ。


「チャコ、料理上手いな?好物が塗り変わる勢いだ!俺、これ好きだわ」

 シチューはオリガンにメガヒットしたようね?


 ワイワイしながら食べる食事は幸せだ。


 味が私の味付けだからか、世界は違うのにお家ご飯のような感じがする。


 ——温かくて、美味しいな。


 安心感と温かい幸せを感じていたら……


 私の頬に、つっと涙が一筋流れた……


 対面に座るペリルがハッとして席を立ち、こちらに回り込んで来た。


「どうした?」


 ソージュもペリルの行動に目を向けていたから、私の隣にきて膝をついたペリルを見た時、私が涙を流していた事に気付いたようだ。


 私が急に泣き出したので、ソージュは驚いて固まっている。


「チャコ?大丈夫?」

 ペリルが両手で私の手を握ってくれる


「チャコ?先程から、何かあったのか」

 ソージュは、さっきも気付いていたのか


「チャコ?」

 ペリルが優しく尋ねる


「辛いとかじゃないの。幸せで、嬉しくて、私のご飯、皆んな楽しく食べてくれて、みんな笑ってて、嬉しくて涙が出てきちゃって……」


 泣き笑いになりながら、大丈夫だと伝える。


「チャコ、僕達はこれから先もずっと一緒にいられるよ?幸せは今だけじゃない。きっといつか僕達が邪魔に思う事もある。それでも僕達は一緒にいるよ?」


 邪魔に?そんなわけないわ


「邪魔になんて……思わないわよ?」


 なんでこんなに優しい人を邪魔になんてするのよ。


「本当?お風呂入る時や、寝る時も側から離れなくても邪魔じゃない?」


 ペリルがイタズラするぞ?って顔で見てくる


「……それば邪魔」


 もう、こんな時にそんなこと言うなんてずるいわよ。私はぺリルのいたずらに少しだけ笑った。


「ね、邪魔でしょう?でも僕達はチャコから離れないからね。僕達は家族みたいな物だから、エッさんは僕にとっても父さんみたいなもんだし、ソージュ様は兄?んー立場は違うけど兄弟みたいだし、オリガンは……弟かな?チャコはエッさんの娘でしょ?既に僕の家族じゃないの?」


 ペリルの言葉に、私の涙腺は崩壊した


「おい、ペリル、チャコを泣かすな。お前がちゃんと泣き止ませろよ?」


 ソージュは席を立ち、キッチンへ向かった。






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