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オヤジの勘

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

「チャコちゃん、そんな全身から針を出す様に、ソージュ隊長を嫌わないでやってくれないか?」


チャコは自分の、前で楽しそうにあちこちに目をやっている。


「全然嫌いじゃ無いですよ?初めから親切で優しくてマメで、面倒見も良いし、保護してくれた時、初めて会えたのがお兄さんで良かったって、心底思いましたし」


エストラゴンは、チャコのソージュの対応への評価が、意外だった。


ソージュは、基本誰に対しても、距離を空けている。


空気を読まず、デリカシーも表裏も、全く無いオリガンと、存在が空気の様な、知らぬ間に側にいるペリルには、文句は言うが言っても聞かないし、全く悪意も無く懐いているので、なんだかんだ許しているが。


エストラゴンとソージュの父は、親友だ。

ソージュの父は他国の者で、ワシとは違って文官系の思考なので、昔からわしとは違い頭が良い切れ者だ。


そんな奴から、息子を鍛えてくれと頼まれた。


ワシは子がおらんから、それはもう、喜んで全力で構い倒したな。産まれたすぐから祝いに行き、一緒に遊び、馬に乗せたのも私だ。


気持ち的に、ソージュは息子の様なものだ。家族より長い時間一緒にいた。


奴の成長はずっと側で見てきたし、誰よりも強くと鍛え上げた。


こちらに連れ帰り、心身共に成長した暁には、ソージュに隊長を譲って、ワシは副隊長におさまったが・・・未だソージュの側は離れんぞ!他の若い奴には負ける気もない。


話が逸れたが、ソージュはかなり顔が良い。


その為、国中で幼き頃からかなりチヤホヤされていた。


自ら動かずとも、周りはソージュがやろうとした事に対して、皆は我先にと何もかも先回りして手を出し、ソージュに自分達の理想を押し付けた。


本人は己が力で何でもやりたいし、皆が思う様な性質では無い、と思っていた。それでも周りの期待に、できる限り答えようと頑張っては居たが、成長する程、段々と環境も考え方も居心地が悪くなり、


思春期の頃には、他人に構われる事にかなりうんざりしていた。


年頃になり、その頃にはお国柄か、色々な意味で少々過激な令嬢令息達も現れ、人付き合いに疲弊し、当然だが人嫌いになっていた。


住居を移し、ワシの隊に入隊してからは、家族以外とは連絡を断ち、基本的に隊の者以外の他者とは、距離を置くようになっていた筈だが、どうにもこのちんまりした(農村の娘か?)お嬢ちゃんに対しては違うらしい。


随分と嫌そうだったが本当に助けられたんだよな?


「先程の態度は、助けられたのがソージュで良かった、と言う感じでは無いであろう?寧ろ、嫌がっておったように見えたが?ワシらが来る前に、何があったのか?オリガンもペリルも「かっこいいのが駄目」としか言わなんだし」


全くもって意味がわからんぞ?


「助けて頂いた時は、皆さん揃いの頭の装備を付けていたので、顔が全く見えなくて。ソージュさんは、困っていた私に細やかに気を遣ってくれたり、その、オリガンさんやペリルさんの距離の近さから、守って下さったり、とても信頼出来るお兄さんだと思っていたし、今もそう思っていますが、その、頭の装備を外された姿を拝見したら、なんというか、私の存在が消し飛ぶか?と思える程の美し過ぎる御尊顔で、直視出来ず・・・田舎出身だから、洗練された美に慣れてないんです・・・」

ソージュが、信頼できるお兄さんだと?


「間違って、近くで直視してしまうと、脳裏に御尊顔が焼き付いて、呼吸困難になりそうになるし、思考は「イケメン コワイ」でループするし、他の2人も凄いけど、近く無ければギリギリ大丈夫なんです」

何だそれは・・・病か?


「でもお兄さんだけは本当に、本当に、申し訳無いけど、本能的に見た瞬間、かっこよすぎて眩しくて無理!ってなるんですよね。かっこいいって罪なんだな、と理解しました。美の暴力ですよあの顔」


プスプスと怒っているが、この娘、言っている内容は、褒め言葉以外の何者でもない。

本人も、褒めている自覚はある様だ。随分と面白い事になっているな。 


「ソージュの事は本当に嫌っては居ないんだな?」

行動はどう見ても、拒絶している様に見えるが


「あんなに優しくて良い人、嫌いになれる訳ないじゃ無いですか。顔は無理だけど」

やれやれと、心底不愉快そうな顔をする


「ワハハハ!そうかそうか!いや、お嬢ちゃん顔はそのうち慣れてくるから大丈夫だ!」


性質が好ましいなら、あの顔に慣れてきたらさて、どうなるか?ソージュの人嫌いが、少しでも緩和出来れば良いがな。


しかし、顔の良さに群がられて、人嫌いになり、顔以外で認めて貰いたいソージュと、顔以外は良くて顔が無理な娘か。


この娘、ソージュに対する態度は何だが、肝も据わっておるし、何というか野生の感だが、辺りにの気配を伺ってる時や、抱き上げた時の体幹、馬上の適度な力の抜き等(力を持っている者)の気配がビンビンするぞ?


わざと高低差を飛んだ時も姿勢が崩れないしな!

ちょっと歳の差はありそうだが、案外上手く纏まるやもしらんな。立場や家柄が邪魔になるやもだか。


とりあえず外堀埋めとくか?ソージュの父に相談するかな?


気が早いか?


ちょいと修正をしました。


スマホポチポチだから誤字脱字が多いかもです。

読み難かったらごめんなさい

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