有能です手が早い臣下
見つけてくれてありがとうございます。
更新は不定期になります。出来る時に頑張ります
ガタ、ガタン!
何かが倒れる音がした。ペリルは女性の扱いがスマートだ。今もギリギリ手を振り解き難い力加減で手を握っている。
嫌なら簡単に外せるが、感謝されてると思うと振り解けない。どうしようなかぁなんて考えてたらグイッと後ろに引かれた
「うゎっ!っと」と色気のない声が出た。
ソージュさんが慌てた際に椅子を倒し、今は私を後ろから抱き込んでペリルを威嚇している。
「お前、チャコに何してる」
「お礼のキスですよ?しませんか?」
ペリルは相変わらずケロっとしている
「お前のは、なんか違う」
「あのね、ソージュ隊長、いえ、ソージュ様貴方はもう少し自分の御立場を考えて行動してください。チャコが欲しいのは分かっています。ですが、今、何かして万が一子でも宿したら魔王討伐に差し支えます。事が終わるまで大人しくしてください!」
ペリルがものすごい勢いでソージュさんに詰め寄ってる
「仮に口説くのは良いです。でも、今後淫らに触るのは禁止!惚れた女は体を使わずに籠絡させてください。仮にも貴方はナトゥーアの美と愛の女神に愛された王子でしょうが!万年発情した国から何の為に出て来たのですか?僕は万年発情した主人を支えたくありませんよ?そんなにところ構わず発情したいならハーレムに帰ればいい!真実の愛を見つけるんじゃ無かったのですか?貴方は顔だけのハリボテですか?肉体使わずにやり遂げて下さい!」
ペリルが、はあはあ息を荒げながらソージュに説教した。ペリルは良い家臣だったんだね
「ペリル、ごめん。お前に怒られてなんだかスッキリしたよ。焦りの余りどうかしていたかもしれないな。でも、チャコに触るなは約束できない。子ができる様な事は討伐する迄は絶対しない事を約束する」
うん?今までと変わらなくないか?
「ソージュ様、何一つ今までと変わりがないと思いますが?」
ペリルの目が怖い
「今、触らないと、もし居なくなってしまったらもう二度と触れなくなるんだ。初めて人に触れたいと思ったんだ。せめて今だけは触れていたいんだ」
ソージュさんは絞り出す様に切実に言葉をペリルにぶつけた。ペリルが悲しそうな表情で返答を考えている。
「私がちゃんと拒否しないからいけなかったですね。ペリルさんありがとうございます。
今後もやり過ぎな場合は私が止めます。手を繋いだり、今みたいなハグなら大丈夫です。ただ、行き過ぎなければいいです。万が一勢いがついて来たら忠告の後吹き飛ばします」
調教師みたいだね?でも、必死さが見ていて辛くなってしまったのよね
「チャコ、甘やかさないでくださいね?この脳内ピンクのロマンス王子はチヤホヤされ過ぎて距離が麻痺してるので嫌だったら死なない程度にやって良いです」
脳内ピンクのロマンス王子!
笑っちゃいけない!
「あー何だ、皆でとりあえず飯食うか?」
エストラゴン、貴方は神ですね?
「ほら、隊長!ご飯だからチャコちゃんを離して!」
オリガンにまで・・・
「ソージュさん?隣に座りますか?」
不憫に思ったから誘ったら、ピッタリ横に張り付いた。ま、これで良いか
ペリルさんもエストラゴンさんもオリガンもソージュさんを見てやれやれって顔をしている。ある意味平和だ。
「チャコ?なんか凄い事になってるんだね?」
あ、アルゼの存在を忘れてた!恥ずかしい!
「・・・後から話すわ」
「・・・了解」
ぽそっと小さな声で伝えた。
「ペリルさんとソージュさんは故郷が同じなんですね?」
万年発情期ってどんな国よ?
「・・・チャコってやっぱり勇者だよね」
「何故です?」
「いや、何でも、いや、なんというかソージュ隊を平気で袖にしてるとか、今は侯爵位を名乗ってるけど仮にもその人王子だし、5国最強で軍部の実働隊のトップだし、力も権力もあるんだよ?それを侍らせておきながら無視とか、勇者としても強すぎるよ」
「そう?かしら?」
「そうだよ」
2人で話していたら、横にいるソージュさんが私の頭に懐いていた。
ソージュ見せつけられた上に怒られた。因みにペリルは慣れてるから手を出しても失敗はしません。魔導師だから色々なんとかなります。
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