天国と地獄を体験中
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更新は不定期になります。出来る時に頑張ります
慰める様にポンと手を叩かれて、なんとも言えない気持ちになりながら腕の中にいるチャコの様子を伺っていると、
スースースー・・・眠った?
ソージュはありえない物を見ている気持ちになり、やり切れずチャコの頭にグリグリと自分の頭を擦り付けてやった。
「起きないだと?」
チャコは走って疲れたのか、安心し切った顔でぐっすり眠っている。
ソージュは誰が見ても美青年だ。近づくなオーラ全開でも、あちこちから女が寄ってくる。それこそ鬱陶しい程にだ。
そんな自分が、わざと意識させる様な態度を取ったり、言ったり、何なら触ったりしたにも関わらず、腕の中で安心してぐっすりとは随分馬鹿にされているのでは無いかともやっとする。
大体、イケメンムリとかホロべとか俺を意識して居た時は拒絶しておいて、落ち着いたら無関心とは?だいぶ、かなり?おかしく無いか?
「確かに、今触った所で何も出来ないが・・・」
いや?本当に何も出来ない事になるのか?
触るだけで満足出来るか否か?出来ないか?
ちょっとならいいか?味見くらいなら?
そんな事を悶々と考えて居たが、虚しくなってくるばかりなのでやめた。
暇だから、チャコの手を持ち上げ、その小さな手を見る。
「これが勇者の手?」
それは余りにも貧弱でソージュが握ったら潰れてしまいそうに見える。実際は栗の棘を素手でむしれる程頑丈だが。
「詐欺だよなぁ」
さっきも平気な顔してソージュをおぶって、ありえないスピードでここまで来た。途中ソージュの力でも引き離されそうになって、思わず息切れした程だ。
ソージュの懐にすっぽり収まるほどのこの小さな体の何処にあの力があるのか不思議でならない。まるでエネルギー体だ。
「嫌だったら吹き飛ばすのか・・・」
ナンパ男の命を刈り取らない為に我慢したと言ってたな。俺の事も嫌だったら吹き飛ばすのか?あの時も我慢したのか?
屋敷で組み敷いた時は本人も言って居たがそう言う物だと半ば諦めて居たのだろう。
ソージュはあの時は欲求にただ理性が飛んだのかと思ったが、今は自分でわかっている。チャコが欲しい。自分だけのものにしたい。
今まで女どころか人に全く興味なかったのに、今はチャコが目の届く場所にいないのが嫌でしょうがない。
ちょっと目を離せばナンパされる。
簡単に俺に押し倒されてしまう程諦めが早い。
心配で仕方がない。
今まで人嫌いになってからは特に感じてこなかったが、自分が好ましいと感じると、相手がいい匂いに思うんだな?さっきからもチャコからいい匂いがする。食べたい本能か?
「実際、俺が1番危険か?」
ふと、冷静に考えてみるが・・・
チャコを前にすると我慢が全く効かない。
衝動が抑えられ無い。美味しく頂きたい。
今だって触りたい。
でも、寝ている相手に承諾なく触るのは人として違うから、それはさすがに我慢出来る。
だか、生殺しとはまさに今だ。
何故、こんなに彼女が欲しいのか。
考えてみたら、彼女は初めから俺を特別視しなかった。違う意味では特別視されて居たが
俺の容姿に嫌悪さえ見せた。顔さえ無ければ良いと言わんばかりだった。返って俺は初めて中身で評価された様に思ったんだ。
その瞬間、彼女が特別になった。
最初見た時、農民の格好だった。全く女性には見えなかったな?意識したのは、部屋でだな。俺を見てうっとりせずに、慌てふためく様になんか激ったな。本能なんだろうな。
俺から逃げたから追いたくなった。
その後も平然とする様になったと思ったら
今度はこちらのアプローチは全く届かなくなったんだが?
ひどく無いか?極端だろう?
俺1人で一喜一憂してるぞ?
今だって、なんだってこんな何も出来ないのに密着して居なきゃならないんだ?
触りたいのに触れない。ここは地獄か?
でも、チャコが腕の中に居るのは天国か?
早く離れたいけど離れたく無い。
「・・・ソージュさん、何してるんですか?」
無意識に首筋にキスして居たらしい
ソージュ、無意識でした。
次回、ちょっと味見しちゃう?
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