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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られたい〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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36/201

私は煩悩に塗れていた

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 風を切って走るのが楽しくてトップスピードで走っていく。頬に当たる風が、物凄い勢いで後方に流れていくのが分かる。


 ふと、ガッチリ抱きつきいるソージュが、ちゃんと息をしているのか心配になった。


「ソージュさん!息してますか?」


 と尋ねてみたら


「はぁ、大丈夫だ、はぁ、はぁ、問題ない」


 喘ぎ喘ぎソージュは返事をした。完全に息切れしてる。


「もう少し、ゆっくり走りますか?」

 可愛そうになったので、少しスピードを緩めると


「いいよ、はぁ、はあ、そのまま、はぁ、大丈夫」

 ソージュが更にギュッと抱きつき、耳の近くで喋ってきた。



 耳元で吐息が!走っているから……


 耳に!唇が!あ!た!る!ヤメテ!



「くうっ!煩悩退散!」


 私は、こみ上げてくる何かを力に変えて、更にスピードアップして走ったので、あっという間に櫓に着いてしまった。


「もう着いちゃいましたね?」


 櫓を見上げて、ソージュを下ろして、解放してあげようとしたが、


「あれ?ロープが無い?」


 さっき確かにペリルが縛っていたのに。どこいった?


「ソージュさん。ロープ無くなっちゃったみたいだから、降りていいですよ?」


 ソージュはまだ背中にしがみついたまま乗っている。


「……だ」


 ソージュが何が言ったが、声が小さくて聞こえない。


「え?聞こえませんよ?何ですか?」


 もう一度聞き直したら


「魔法のロープだから、縛った奴しか外せないから降りれない!」


 あら、困った。


「だから、さっき、反対していたんですね?」


 失敗したなぁ、どうしようかな……


「とりあえず、櫓の下の兵舎の中に入るか?」


 たしかに、こんな姿通りすがる人に、見られたくないよね?


「そうですね、ソージュさんいつまでもおんぶじゃ恥ずかしいですよね?」


 いい大人な男性だし。


「……お気遣いありがとう」


 ソージュは、自分のカバンから鍵を取り出して、私に兵舎の鍵を渡して来た。


「お邪魔しまーす」


 中には簡易的な炊事場と、4人程が座れる机と2段ベットが置いてある。


「とりあえず座りたいです、椅子はソージュさん挟まっちゃうし、ベットの下段に座っていいですか?」

 

 振り向くと、目の前に情けない顔した美形が居た。


「……好きにしてくれ」


 ソージュは何かを諦めた様な物言いだった。


 ヨイショとベットに座れば、丁度ソージュが座った足の間に、私が収まる様な状態になる。側から見たらまあ、なんて言うか、いちゃいちゃしているカップルの座り位置だ。


 ソージュは抱きしめていた腕を離し、少しでも身体を離そうとしたが、魔法のロープに阻まれ、足も縛られているので、前傾姿勢から身体が起こせない様だ。


「済まない。かなり密着した状態で縛られている。腕が後ろに行かないから、このままでいいか?」


 脇の下あたりまで固定されているのか腕が後ろに行かず、前に下す事しかできなかった様だ。


 ソージュさんがダラリと腕の力を抜く。


「!! あの……腕が!」


 残念ながらソージュが腕を解くと、私の胸にぽにぽに当たる。


「あ?ああ!ごめん!わざとじゃ無いんだ!」


 ソージュは慌ててバンザイした!


 強烈な美男子の癖に、そんな事で一喜一憂するソージュが面白くて思春期の少年かと、ケラケラ笑ってしまった。


「チャコ、随分といい性格じゃ無いか?俺がは離れないと言う事は、お前は俺から逃げれないんだぞ?」


 耳元でソージュがこれでもかと言う程、何かが色々出ちゃってる声でもって私を詰める。


 バンザイしていた左腕が、スルリと私の脇の下から回り込みお腹を囲い込んだ。右腕が私の左頬から左肩を撫でながら、意味ありげに往復している。


「でも、触ることしか出来ませんよね?それって返ってソージュさん自身が辛くて、自爆しませんか?」

 

 ……むしろその方が心配だ。


 そして、気づいてしまった。


 私にはソージュのわざと仕掛けてくる煽りは、全く効かない。ソージュの無意識の自然な色気にはヤバいレベルで興奮するらしい。


 さっき走っている時はかなりヤバかった。


 あれは理性が飛ぶ。


 素敵!抱いて!


 となるが、今はまったくもって平気だ。


「……前から思ったんだが、チャコは男の生態についてやたらと詳しくないか?」

 ソージュのイタズラしていた手は大人しくなり、結局今はただのハグになっている。


「私の居た世界では、成人女性であればある程度知識としてあったと思いますよ?友人達との会話での情報も、書物や物語も多いし目にする機会も多かったので」


 ネットなんて、油断すると大変な事になってるし、知らずに過ごす方が難しいと思う。


 まあ、私の場合は、それなりに経験値はあるけど、わざわざ言うことでもないだろう。


「……そうなのか?俺は男として少々自信を無くすぞ?」


 しゅんとしたソージュは手持ち無沙汰なのか、抱きついたまま私の手を取り手を弄っている。


 ——なんか小さな子供みたいね?


「その顔と声で自信無いなら、一般市民は生きていけなくなるので、自信持って下さい」


 ソージュがはぁ、と長いため息をついて、私の首元に顔を埋めて抱きしめてきた。


 私は、巻きついて、しなしなになっているソージュの腕をポンと叩いて慰めた。


ソージュ、次回己と戦います。

次回、天国と地獄です。


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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