職人は寡黙な頑固親父でいい
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エストラゴンが武器屋のおっさんとのやりとりを終わらせて戻ってきた。
「すぐにできるらしいぞ。他に何か見るか?」
「ありがとうエストラゴン。チャコそういえば、さっき見つけたんだが、これなんかどうだ?」
ソージュさんの手元には撒菱のようなものがあった三角形のトゲトゲ
「投擲用の武器らしいよ」
「撒菱ですか?」
チャコは撒菱を1つ摘んでみた。
「飴玉投げるより良さそうですね?これも戻ってくるなら欲しいですね」
「オヤジ!これも回収の魔法陣出来るか?」
エストラゴンが再度カウンターに向かった。
「あっ!栗のトゲトゲってあれ武器にできませんかね?」
「どのような武器にするつもりなんだ?」
「何か書くものありますか?」
ソージュからペンと紙を貰った。自分用にも準備して貰おう。
「こんな感じかな?」
チャコはダーツの矢を絵に描いた。
針の部分に栗のトゲをくっつけてある
「こんな感じにできたなら、正確に飛ばせるし、遠方からもある程度間物を潰せると思うんですよ」
「どれた?どんな武器が欲しいんだ?」
カウンターの中から、話を聞いていた武器屋のおっさんが声をかけながらこちらに来た。
「これです。できますか?」
「簡単な作りだな?通常の矢より太いから細かくて繊細な注文でなければすぐにできるぞ。いくつ欲しいんだ?」
パッとみて直ぐ判断する。流石プロだわ
「この棘は今自宅にあるから。後で武器屋に持って来させよう。作れるだけ作ってくれるか?棘はかなりたくさんあるんだ。明日遠征に行くから10日ほど後に1度寄る。出来た分だけ受け取ろう。もし作りきれてなくても後に作った分は、全て買い取るから頼む」
ソージュさんが武器屋の親父とカウンターに値段の交渉をしに行った。
「帰ったら、トゲをバラバラにしなくちゃいけない?」
エストラゴンに尋ねた。沢山あるから大変そうだ。
「もしかしたらペリルが魔法でなんとかできるかもしれん。無理ならお願いする事になるかもしれんな。ペリルに後で聞いてみよう」
辺りを見回すがペリルとオリガンが居ない。
「あの2人はどこに行ったんですか?」
いつの間にか居なかったな。
「あいつ等は遠征中皆で使う魔道具や、生活用品の仕入れだ。もう少し後で西門で集合だ。その後、チャコちゃんの力を見せてくれよ?楽しみにしていたんだ」
「私も弓を撃てるのが楽しみです!」
早く、あの弓使ってみたいわ
「チャコ!ちょっといいか?」
ソージュさんがカウンターから呼んでいるのでそちらに向かうと
「親父がこれも必要じゃ無いか?って」
ソージュさんが弓を引く時に嵌める手袋を見せてくれた。
「あ!あるんだ!あるならお願いしたいです」
「サイズは今これしか無いらしいから一度嵌めてみて」
手袋を嵌めたがブカブカだった。
「ブカブカですね」
がっかりしていると
「失礼するよ?」
と、武器屋の親父がペンで何か手袋に書き込んでいる。
描き終わったのか手袋がカッと光り、光が消えたら手袋はピッタリなサイズになっていた。
「凄い!ピッタリです!」
グーパーしてみて馴染みを見ると扱いやすそうだ。
「どうだ?」
武器屋の親父が様子を伺い聞いて来た
「ピッタリです!凄い!ありがとうございます!」
武器屋の親父は、うむ、と言って中に戻って行った。口数が少ない感じが職人魂を感じる
多くは語らず、行動で示す。カッコいい
「とりあえず、買った物をカバンに入れたら西門に向かうよ」
ソージュさんがカウンターの上にある購入品を指差した。
結構な量だ。
最初に見た投げナイフ、全部買ったらしい。
「とりあえず10ずつ戻りの魔法陣が刻んである。沢山陣を刻むならゴルドファブレンの商会に得意な者が居るらしいからそこでやった方が早いみたいだ。親父さんが紹介状を書いてくれたよ」
親父さん、フォロー迄完璧だわ素敵
「ありがとうございます!」
カウンターの中の作業場に声をかけると
武器屋の親父はこちらを見ずに片手を上げた
無言の背中に優しかった祖父を思い出した。
職人っていいですよね?いつか職人に話も書いてみたいなぁ
次回、チャコの能力。多分
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